ハンドボール世界選手権2023 FINAL レビュー①
フルマッチはこちら↓
どうやらsportsbullさんが放映権を購入していたみたいですね。ラウンド1が始まってもyoutubeでジオブロックがかかっていたので日本では珍しいと思っていました。
雑感
今年の世界選手権決勝は何度見たかわからないこの組み合わせ。そう、デンマーク vs. フランスでした。
初めに雑感を。
デンマークに関しては相変わらずの攻撃の美しさ、ランディンの化け物っぷりが見事でした。対してフランスは、、、OFが美しくなかったですね。。
2016リオ五輪のフランス
フランスは2016年リオ五輪決勝では非常に美しい攻撃を展開していました。
LWギグー・RWアバロ・PVのL.カラバティッチまでもが積極的に攻撃に参加し、綺麗に数的有利を作るハンドボールをしていました。(結局この試合もデンマークが勝つのですが…)思えばこの頃のデンマークにはMorten Olsenという超スキルフルでIQが高いセンターがいましたね。
ジャンプ力が高すぎてAir Franceの異名がついてしまった男、ナルシスも健在です。懐かしいですね。
数年前と今のトレンド
しかしこの試合(というか近年のフランス)はパワーのあるフローターを3枚並べて力で得点していくような攻撃でした。
このような戦術は数年前に流行り、センタースリーとか言われてました。
しかし近年は王道のセンタープレイヤー(海外ではplaymakerといったりもします)が流行っていて、15年前頃のIvano Balicなどが世界を魅了していた時代に戻りつつある感じがします。
数年前の欧州のビッグクラブでは巨人3枚が目立っていました。”王道”なセンターは居場所を追われ、流れを変えるゲームチェンジャーのような役割を担っていたと思います。Stas Skube(いまなにしてるんだろう)やMiha Zarabecなどを皮切りに近年、Luc Steins (PSG/NED)を代表として数多くの王道センターがビッグクラブの主力になっています。
そ!!!し!!て!!日本が誇る王道センターである至宝・安平光佑もポーランドの強豪Wisła Płockと2025年までの長期契約を結んでいます。これがちですごい。数年前じゃ想像もできなかった。これが世界的な流れです。
この試合でのフランス布陣
少し脱線してしまったので世界選手権の話に戻しましょう。
フランスは未だoldスタイルなハンドボールを続けています。あの世界的な司令塔Nikola Karabatićを主にLBで起用し、パワー系Nedim Remiliをセンターに、理不尽男Dika MemをRBに起用しています。
決してフランスの攻撃をこきおろしているわけではありません。ただ、このフランスに王道のセンターがいればな…という理想を語っているだけなのです。
しかしながら、この戦い方で決勝まで来ている事実がありますし、東京五輪では優勝しています。たとえ世界のトレンドが変わろうと、ハンドボール競技の性質上、背が高くフィジカルが強い選手の優位性は変わらないのです。
(((まあ、ベンチにはKentin Mahéという非常に優秀なセンターがいるんですけどね…
デンマークの話
フランスの話ばかりになってしまったのでこのあたりでデンマークの話もしておきましょう。
デンマークの攻撃は、、非常に美しい。デンマークにはしつこく私が推しているような王道センターはいません。
Rasmus Laugeが王道センターに近い存在だとは思いますが、彼は強烈なディスタンスシュートも打てますし、1:1でゴリ押せるフィジカルも持っているので王道センターには当てはまらない、というかそれを超えてしまっている。
しかし、フローターが3人ともパワー偏重型ではなく万能なのでパス回しや連携に不備はない印象です。加えてあのMikkel Hansenの引力があるわけですからそりゃあもう、、ね。広い1:1をMathias Gidselでブチ抜けますし綺麗にズレるわけですよ。
デンマークのOFは非常に洗練されています。攻撃の8割以上はフローターのユーゴが起点になります。ユーゴをただのポジションチェンジだと思っている方はいませんか?デンマークの攻撃を見てください。非常に理に適った攻撃です。
また、デンマークのすごいところは定期的にトンデモない新人が出てくるところですね。やはり育成大国なだけはあります。前回はGidsel、今大会はSimon Pytlick (GOG)が台頭しました。
次回予告
①はこんなところでしょうか。各国の布陣や全体的な特徴をレビューしてみました。次回はこの試合の具体的な流れを分析してみようと思います。大学の期末試験があるのでいつになるかわからないけど、、、
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