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Holiday in Wales - ウェールズ(The UKの4か国のうちの1つ)でのホリデー

10年以上前に、国勢調査でリサーチャーが質問に家(ロンドン)に訪れました。
その質問の中には「ホリデーに年1回は行くか」「靴は何足もっているか」等がありました。
ホリデーに行けないのは、「貧困」としてカウントされると聞いたように記憶しています。
私自身は日本で育ったため、ホリデーに行けることはうれしいけれど、行かなくても近所のテムズ川沿いや公園を散歩しているだけでも幸せです。
私の家族はイタリア人なので、ホリデーは基本的人権の一つと思っている、ということで、ホリデーなしの人生は考えられません。
イタリアの島を旅していると、海の近くのキャンプ場に、大家族が冷蔵庫やテーブルも持ち込んで1か月ほど滞在、というのも見ます。
豪勢な旅をする人もいれば、キャンプ場でいろいろな親戚が加わったり去ったりしながら、自分たちの予算や状況に応じてホリデーを楽しんでいる人々もいます。

今年は、欧州連合離脱・パンデミック後の航空業界での人手不足による多くのフライトのキャンセルや、交通機関のストライキで飛行機を使った移動はストレスフルになることが予測できたので、電車で行ける隣の国のWales(ウェールズ)にある海沿いの街Swanse(スワンシー)で4泊5日のCoastal Path(海沿いの道)を歩くホリデーとなりました。
結果的には、お天気にも恵まれSandy Beach(砂浜のビーチーイギリスには小石の海岸が多い)も美しく、楽しい旅となりました。
海岸沿いの自然にあふれた道を歩くことが好きな人にはお勧めです。

ウェールズは、The UK(グレートブリテン(イギリス、スコットランド、ウェールズの3か国)及び北アイルランド連合王国ー合計4か国の連合王国)の一つであり、グレートブリトン島の南西に位置しています。
人口の3割弱は、英語とは全く違うウェールズ語を話し、駅や公共の場所では、ウェールズ語と英語が併記されているか、交互に表示されるようになっています。ウェールズ語は、子音が多く連なっている単語も多く、母音の強い言語である日本語スピーカーには発音も聞き取りも難易度の高い言語だと思います。ウェールズ語は英語と並んでThe UKの公式言語でもあります。なぜウェールズ語を話す人が多くないのか、というと、イギリスの支配下にあった時代が長く、教育機関で英語が使われていたこともあるようです。

イギリスのロンドンからは、鉄道のGreat Western Railwayで、スワンシーまでは約2時間50分です。
日本とは電車の切符の仕組が違い、当日の電車の切符は3週間ぐらい前に出ているAdvanced Ticket(前売り券)の値段の3倍以上だったり、同じ日のAdvanced Ticketでも、ラッシュアワーだと、お昼ごろのチケットの2倍近くとなっていたりします。切符の種類もたくさんあり、Advanced Ticketは安い代わりに、予約した時間の電車のみに有効だったり、制限もあるので、きちんと切符の種類を確認することが必要です。
また、The UKはヨーロッパの中でも鉄道やバスの料金がとても高いことで知られています。

私たちが旅立った日は、ロンドンで40度ぐらいの暑さになることが予測されていた日で、「緊急やどうしても出かけないといけないという場合を除いては、交通機関を使わないよう」アドバイスが出ていた日でした。
多くの電車がキャンセルされ、またスピード制限があり(暑さで線路が曲がってしまう恐れがあったため)、1時間程度の遅延か、当日中に到着できると幸運かと思っていましたが、予約していた電車は40分ほど遅延表示がでていた後でキャンセルされ、次の電車に乗ることになりました。これも、遅延し、かつ法律上、運転手は一定の休憩時間を取ることを義務付けられているため、30分ほど電車に乗って待ち、そろそろ出発というアナウンスメントがあったところで、機械の故障が見つかったということで、さらに点検で数十分遅れた後、無事に発車しました。スピード制限もあったので、予定していた時間より3時間遅れての到着とはなりましたが、同日内に到着して幸運だったし、周りの乗客で文句を言っていた人は全くいませんでした。
イギリスだけでなく、ヨーロッパだと働く人々の権利や安全も守られているので、サービスを受ける側第一という日本の仕組を期待していると苛々するかもしれませんが、みんなの安全・健康・権利が対等に守られていることが大事にされている社会だと理解すれば、納得できると思います。

Swansea(スワンシー)は、ウェールズの南西部ですが、海沿いの道が長く、町の中心地からも、長い海沿いの道を歩くことができます。
普段は、とりあえずTourist Information Centre(観光案内所)に最初に寄るのですが、地図上の観光案内書は完全に閉鎖されていて見つけることができず、インターネット上の情報だよりとなりましました。
最終日に、ロンドンに帰る前にSwansea駅近くのコーヒー店(クレープと紅茶・コーヒー)Cwtsh Coffee&Crepesに寄ったところ、観光案内所は2年前に閉鎖されたと知りました。
このコーヒー店は、ユースホステルの1階(英語では、Ground Floor(地階))に、3日ぐらい前にオープンしたばかりで、旅好きで日本語も習っていた若いウェールズ人女性オーナー、ルゥース(ルイスかも)さんが経営していました。
Swansea生まれ・育ちで地元のことをこよなく愛しており、地元の情報も良く知っていてとても親切でフレンドリーで、「1日目にこのコーヒー店を訪れていたら(さらに旅は楽しかっただろう)」と思いましたが、もしSwansea(スワンシー)に行く機会があれば、ぜひ寄ってみてください。

今回は、車ではなく公共機関を使っての旅だったのですが、市内中心部だとバス停も分かりやすいのですが、20分ぐらい市外に出ると、バス停にバス停の名前さえないところが多かったのには戸惑いました。

写真にあるのは、Rosshili(ロッシリ)というとても美しい砂浜のビーチと、Worm's Headと呼ばれる干潮時の数時間だけ渡れる場所がある観光地です。市内中心地からここに行く場合、このサイトでどのバス(いくつかの違うバス会社がSwanseaでは運営されている)かを確認し、RosshiliだとAdventure Travelというバス会社が運営しているので、そのバス会社のサイトで確認するという手段を取っていました。
バス会社のサイトでの発着時間と、実際にバス停に表示されている発着時間が微妙に違うときもあるので、念のため、早めに(15分くらい前に)バス停に行くことをお勧めします。
また、Rhossili(ロッシリ)のような有名な観光地でも、バスの本数が1時間に1本もないこともあるし、最終バスの時間も早かったりするので、早めのバス(乗れなくても次がある)で、かつ、多くの人々が待っていて列の後ろだとバスの制限人数を越えて乗れないこともあるので、20分ぐらい早めにバス停で待っているのが安全かもしれません。
The UK内だと、通常みんな行儀正しく、並んだ順番通りに、紳士的に乗り込みます。誰かが割り込んできたり、後からやってきて無理やり前に行って乗り込もうとするような人々はいないので、安心感があります。イタリアだと、列に割り込もうとする人々もいるので、礼儀正しさは保ちつつ、でも自分の場所を固守する必要があり、のんびりとはしていられないことが多いです。違う場所にはその場所なりのUnwritten Rule(どこにも書かれていないルール)もあるので、よく観察して、礼儀正しさは保ちつつ、適合する必要があります。

私たちは、Swanseaの中心部に滞在していて、すべての移動は、Adventure Travelのバスでした。
バスの切符は、Contactless Card(コンタクトレス・カード)か現金でその場で乗車するときにを買えます。ロンドン市内だと、Oyster Card(オイスター・カード)が必要で現金支払いはできないので、便利にも感じましたが、乗客の人数が少ないからこそ機能する仕組なんだろうなとは思いました。
バスの切符にはバーコードが印刷されていて、往復券だと、帰りには、その切符のバーコードを乗車時にスキャンすることとなります。

The UKの中のイギリスは、ロンドンを出るとバス料金がとても高いのですが、ウェールズはそうでもなく、Rhossili(ロッシリ)だとバスで片道約1時間で、往復チケットが5ポンドで20ペンスでした。運転手さんも親切なことが多く、Day Ticket(バスの1日乗り放題券)のほうがReturn Ticket(往復券)より安くあがる等、教えてくれます。
観光地だと、大きな駐車場が整備されているところも多かったので、車で移動する人々が多いのもよく分かります。
ただ、道路がとても狭いところが多く、車も始終バックして他の車を通す必要があったりと、狭い道に慣れていない人には厳しいかもしれません。

海岸部はどこもとても美しいのですが、内陸部の海が見える高台部分の村(Three Crosses)を訪れたときには、市内からバスで30分ほどで、そこから歩きました。
このときも、狭い道が多く、大きなバスだと始終他の車との譲り合いとなるのですが、村の中の急斜面でバスがバックしたときに、少し衝撃があり、どこかに軽くぶつかったのかな、と思っていると、見知らぬおじさんが軽く運転手側のドアをノック。
運転手がドアを開けると、「うちの庭の角にぶつかったんだけど」とカジュアルに言い、運転手が「ごめんね」と一言言って、レポートの紙をもって数分出て記録し、車内の電話で数分(多分、バス会社に)電話して、何事もなかったかのように再出発しました。
日本だと、このおじさんも激怒していたかもしれないし、運転手の人の対応も違ってたかもしれません。
あんな狭い道で大きなバスを動かしてたらこういった軽い事故は起こることもあるだろうし、軽く庭の一角がくずれたくらいで怒る必要もないし、保険会社がやってきて庭の崩れを直す手配をすれば終わりだし、このあたりの気軽さというか寛容さは、私がヨーロッパで過ごしていて気に入っている点です。

ヨーロッパ大陸の旅だと食べ物は楽しみの一つですが、個人的にThe UKの場合は、期待していません。
ロンドンの食事情は、20年前と比べると飛躍的に向上しましたが、少し田舎に行くと、今一つのレストランでも値段はロンドンとそう変わりません。
一つだけ気に入ったのは、市内にあるSwansea Bay(スワンシー湾)にあるアイスクリーム屋(レストランでもあり)のVerdiのアイスクリーム。
海沿いで、アイスクリームを食べながら、美しい海岸の眺めも楽しめて、地元民のおばあさん達も勧めてました。
ガラス張りの大きな建物で、外側にも海を目の前にした場所にたくさんテーブルがあり、お天気のいい日には外で座って楽しむこともできます。
あとは、普通のTake awayのFish &Chipsも魚が新鮮であるように感じました。
地元のおじさんお勧めのFish &Chipsに2回行ったのですが、なぜか2回目は、1回目より魚も大きく、かつ魚の皮もきれいに取り除かれていて、さらにおいしかったのが不思議で印象に残りました。
働いているメンバーも全く違っていたので、それも影響しているのかもしれませんが、このあたりの適当さも、私がこの国の好きなところです。
常に均質なサービスを求める気持ちも分からなくはないですが、大きなチェーン店にでも行かない限り、「ひと」の要素に左右されることが多くて、そのときどきの「今日はどうかな?」という好奇心も満たしてくれます。もちろん、がっかりする日もあるのですが、それもExpectation(予測/期待)のうちの一つなので気になりません。

Coastal Path(海岸沿いの自然歩道)は、島国のThe UKにはたくさんありますが、日本のように舗装されて手すりがあるような場所は少なく、本当に自然そのままで、サインはあるものの、砂丘のような場所を延々と歩いたり、岩をよじ登ったりという場所もあるので、Coastal Pathのガイドを事前にしっかりと呼んで、Walking routes(歩くルート)の難易度「Easy(簡単)/Moderate(普通)」等を確認し、かつ、トイレの場所(スタート地点ー駐車場がある場所のみで、5km周辺には何もない場合も多い) と、食べ物/飲み物が買える場所(スタート地点の1か所のみだったり、5km以上離れた場所に短い時間だけ開けている小さな店だけ存在するときも)を確認しておく必要があります。
私たちは、イギリス流のサンドイッチは好まないので、チアバッタ等のパンと、プロシュットとヨーロッパ大陸系チーズをスーパーマーケットで買い、デザートとして前もって洗ったブドウを持っていくという組み合わせが多いです。 食べ物を持参するのは、こういった観光地の食べ物がやたらと高くて、その割に全然おいしくないことが多いせいもあります。ただ、これは、本当に好みでしょう。

Wales(ウェールズ)のCoastal Path(海岸沿いの自然歩道)も美しいですが、以前よく訪れていたイギリスのコーンウォール地方のFalmouth(ファルマス)にも、美しいCoastal Pathがあります。これについては、また別の機会に。

楽しい夏を!

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