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私が見かけたあるウェブ広告の話

FROM ボブ・バーグ

あなたは、フレーミングという言葉をご存知だろうか?これは、私たちのものの見方のことだ。たとえば、親切や協力、win-winの関係、慈愛といったことに焦点をあてて物事を見るようにすれば、互いにとってよい結果につながりやすくなる。ふだんからこうしたフレーミングを用いることで、あなたはより成功に近づくことができるだろう。

しかし、一方で、フレーミングを他者を操るための道具として用いる人も少なからずいる。ここでちょっと私の体験をお話させてほしい。

私が見かけたある広告文面…


ある日、私はオンライン広告でこんなメッセージを見た。

「当然かもしれませんが、あなたがご利用になっているその道具は6ヶ月ごとに点検しなければいけないのは、周知の事実です」

私はこれを見るまで、自分が使っている道具を6ヵ月ごとに点検しなければいけないなんて知らなかった。だから、「そうなのか、これはいいことを知った」と一瞬思ったが、その直後に「これはフレーミングではないか」と気づいた。「6ヶ月ごとに道具を点検しなければならない」ということを、私に信じさせるための策略としてこうした広告文面を使ったのではないか、と思ったのだ。

この時私が自分に投げかけた質問


正しさを知ることは、まず自問自答することから始まる。今回の場合、「この前提は正しいのか」と考えるのがそれにあたるだろう。例えば、「本当に6ヵ月ごとに道具を点検しなければいけないのだろうか」、「それが周知のことだというのは本当なんだろうか」、「だれもがこれに同意するのだろうか」といったことを自問することだ。

さらに、「これは正しいと証明されている事実なんだろうか」「どうしてこの広告はこれを「当然」だなんて言い放って、私にこれを「当たり前のこと」だと意識させようとしているのだろうか」ということも考えられるだろう。

この時の私は、ある質問を自分に投げかけた。この質問は、自分が操られているかもしれないと感じるときにいつも自問していることだ。その質問とはずばり、「このメッセージや主張は、自分がこれから取ろうとする行動を十分に説明する理由となりうるだろうか」ということ。

私の思ったとおり、この広告文面の後半では、6ヵ月ごとに道具を点検できる商品があると案内されていた。6ヵ月ごとの点検があくまで常識的であるという記述も添えられて。

良い結果につながるフレーミングを用いよう


その商品がいいものか悪いものかということは、ここでは問題ではない。論点はあくまでフレーミングだ。だれかが何かをさも事実かのように提示し、それをあなたに信じ込ませようとしているのであれば、それは事実ではない。実はただのフレーミングに過ぎず、相手はこのフレーミングによってあなたを意のままに操ろうとしているのかもしれない。

もちろん、そんな意図がまったく働いていない場合もあるだろう。でも、こういった相手を操るようなフレーミングもあることを知っておけば、あなたがみずから事実を確認する姿勢が生まれる。そして、あなたがよい影響力を身につけて、その影響力を広げたいと思っているのであればなおさら、相手を操るようなフレーミングを用いてはいけない。互いによい結果につながるようなフレーミングを用いるべきなのだ。

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