見出し画像

東大卒⁈the fuu・Mioが選ぶ「おこもり最適本」。5選。

こんにちは、the fuuのMioです!

最近はなかなか外出しづらい風潮があり、家で過ごしている方も多いかと思います。

そんな私も、いろんな予定がキャンセルになってしまいました…
時間ができたのでNetflixで最近『ネクスト・イン・ファッション』を見始めました。中高生の頃、アレクサ・チャンの着こなし(トラッドだけど、一癖あるスタイル!)が大好きだったな…。
そんなノスタルジーに耽りながら何日間か見続けてると、
ブルーライトを浴びすぎて頭や目が凝り固まってきたような…もうPCの画面見たくない…

そんな人、多いんじゃないでしょうか?

(私含め)悩める仔羊たちの「おこもりライフ充実のための一助」になればと思い今回の企画が生まれました!

それはそうと、タイトルには「東大卒」とありますね(唐突)
そうです!
Mioは東京大学を卒業しているんです!
(2018年度に文学部を卒業しています!)(えええええ、まじか、君が???)

東大のあれこれについては今度詳しく書くとして…(いまは芸大にいることとか、話すと長い)

東大卒だったら色々と本を読んでるんじゃない?と言われますが、

はい!読書は息をするくらい生活に必要不可欠です!!!!

と言うわけで、読書LOVEな東大卒・Mioが選ぶ、おこもりに最適!な本を5冊紹介します!

『回転ドアは、順番に』穂村弘、東直子(著)
お手軽度 ★★★★★

まずはウォーミングアップといきましょう。
私が詩の類でおすすめしたいのがこの本。

これは二人の詩人による往復書簡の軌跡。二人の人間が出会い、恋に落ち、別れるというストーリー。

百人一首っぽいな…と思った方、ご名答です。この本、全て短歌で構成されているのです…!

百人一首は古文の勉強みたいで読むのが苦手だ、という方も多いと思います。が、こちらは口語で書かれているのでとても読みやすい。そして定型律なのでリズムを頭の中で刻みながら読み進められる。この点で散文詩を読むよりも軽やかです。

先ほど言ったように往復書簡の形を取っているので、
「相手が言ったことを受けて、咀嚼して、返す」
というコミュニケーションの基本中の基本を再認識できる本でもあります。

ストーリーは切なく、読むたびに泣いてしまいます。

『百年の孤独』ガルシア・マルケス(著)、鼓直(訳)
諸行無常度 ★★★★★


本当に長いので、おこもりを強いられて時間がいつもよりたっぷりある方に最適です。

あらすじはこんな感じ。

蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら…。20世紀が生んだ、物語の豊潤な奇蹟。(Amazon.jpより引用)

実に不思議な物語です。そして登場人物が多い。あらすじにある通り、村の盛衰を100年というスパンで見る物語なので。源氏物語マンガの代名詞『あさきゆめみし』は女性の顔の区別がつかないことで有名ですが、こちらはというと名前の区別がつきません。カタカナ表記でみんな似てるんだもの…

全てが俯瞰的な視点から語られます。語り手が誰かに感情移入することなんてありません。ゆえに、「自分はどの立場に立って物語を見ればいいのだろう?」という心許なさが終始ありました。

もしかしたら、これは神の視点だったのかもしれません。叙事的な描写は、人間の愚かさ、儚さを際立たせます。生きること、死ぬこと、文明社会の中に生きること、文明がいつか滅びること、宇宙の中に生きること、その宇宙もいずれなくなることーーいずれも考えるたびに絶望的な気持ちになるテーマです。だからこそ常に目を逸らして仮定的な答えを出していたけれども、この本で向き合わざるを得なくなったと感じます。

私が最後のページをめくり終えた時には、すでに読み始めてから6ヶ月も経過していました。おこもりは6ヶ月も続かないとは思います(というか続かないことを祈ります)が、こんな機会にしか読めない本ではあると思いますので、是非。

この前、あれ?どこにあるっけ?と思ったら、タイミングよく友達が、「Mioに2年間も借りてたけど、これしか読めてない…」と嘆き、本を返してくれようとしました。大丈夫、いつまでかかってもいいから読了してほしい!笑

『ロシアは今日も荒れ模様』米原万里(著)
文化について考える度 ★★★★★

大学時代、第二外国語がロシア語でした。高校時代に読んだドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』に衝撃を受けて、「大学では絶対にロシア語やる!!!!」と決意。

しかし、入学後即撃沈。あまりにも日本語や英語と異なる文法、「日本人には一生習得不可能だよ笑」とロシア人に言われるほど難易度高めな発音、そしてロシア語を習得したとしても仕事であまり使えないのでは?という失望感…(中国語とか韓国語とか、使えそう…)

そんな中、バイト先の人から「ロシア語選択なら米原万里さん知ってる?」と言われました。「本持ってるから貸すよ。本当に面白いし、ロシア語を学んでいる人が読むと読了後の景色も違いそう」と言われ、借りたのが『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』でした。話をそんなに覚えてないものの(笑)、あまりにも面白くて1日で読み終えたのは記憶に残っています。

米原万里さんは、ロシア語の翻訳者・通訳者としてそれはそれはスーパーアメイジングなお方で、ロシア連邦初代大統領エリツィン来日時に同時通訳を務めた方でもあります。すごすぎる。

米原万里さんの著作を読むと「コミュニケーションって言葉じゃないな」と思えます。米原さんはロシア語が大変おできになるにもかかわらず、彼女の文章は私にそう思わせるのです。

かつては「ロシア語は完全に思考体系が違うロシア人が話してるから日本人の私には理解できないんだ」、といった諦念がありました。しかし、米原さんが日本語で書くロシア人との会話(もちろんロシア語でなされていたであろうと思います)は、完全に「日本語」なのです。意味伝わりますかね…心で会話し、相手を理解しているからこそ書ける文章なんだと思います。

それはつまり、違う言葉を話してても、異なる思考経路を持っているというわけではない。米原さんのストーリーは少々の困難はあれど、自分が思ってることを相手に伝えることは必ずできる、ということの証左でもあると思うのです。

ちなみに、美術の分野では決して使えないと思っていたロシア語ですが、図書整理のバイトで、共産主義者だったアーティストの家から大量に発掘されたロシア語の本を分類するときに、キリル文字(ロシア語で用いられているアルファベット)が読めるということで大変重宝されました。こんなことってある?やっててよかった!

『菜食主義者』ハンガン(著)、きむふな(訳)
社会とは何か考えさせられる度★★★★★

正常ってなんだろう?そう思わせる小説。

イギリスに留学していた頃、周りにベジタリアンが多くて、
「なんでお肉を食べないんだろう」と率直に思っていました。

私には関係ないはずなのに、
「あれは食べられない」「これも食べられない」
と言われると、食べている私にまで罪悪感が芽生えてしまうというか。
その人に対して、「なんで?」の気持ちが強くなってしまう
といったことがありました。

この小説は韓国を舞台にした「菜食主義を選択した主婦」の話です。

韓国も日本と同じく父権制が強い社会。女性が何かを選択することに、男性は強く反発します。

菜食主義の話というよりも、一人の女性が選択することの困難について描いた小説なのかな、と思います。

今振り返ると、イギリスで出会ったベジタリアンの友達に「そんな気持ちになってごめん」と言いたいです…
彼女たちは選択をしていた。
逆に私は選択をせず、考えること無しに色々なものを口に運んでいた。
その対比から出てくる私の居心地の悪さ、気まずさが、「なんで?」という気持ちを生んでいたのですね。

「正常さ」というのは果たして選択の結果生まれていることのなのだろうか?と考えさせられました。

『地球星人』村田沙耶香(著)
社会とは何か考えさせられる度★★★★★

地球は自分の居場所ではない、自分は他の惑星から来た人間だ、と思っている女性を主人公に据えた物語。

『菜食主義者』と同じく同調圧力の怖さを身に沁みて感じます。

でも、同調圧力を行使する主人公の周りの気持ちもわかるというジレンマ。

幼少期は同調圧力なんてつゆ知らず、自分の感性の赴くままに生きていた(小さい頃は見えないお友達がいた)けど、どんどん社会性を身につけるごとにその感性も消えていく。しかし社会性を身につけないとこの世の中で生きていけないのも事実で…今は感性と社会性のバランスの狭間で生きているなと自分自身実感しています。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
もっと紹介したい小説・マンガが山のようにあるのですが、おこもりにぴったりな本ということで以上5点を紹介してみました!
kindleバージョンもあるものばかりなので、ぜひ読んでみてくださいね!


この記事が参加している募集

私のイチオシ

the fuuは "Everyone is different in wonderful ways" をモットーにプロダクト・コンテンツ制作を行なっております。 サポートしてくださった方には100倍のLOVEでお返しします♡