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山下達郎スピーチ全文


 相変わらず、真摯な対応。ミュージシャンである事の誇りと矜持を感じた。

〝作品に罪はありませんし、タレントさんたちも同様です。〟

 サイレント・マジョリティは、あなたの味方です。世の中嫌になって、歌う事を辞めないで!あなたの歌を必要としている人は、山程いますよ!

(2023.7.10.記 )

フィル・スペクターという音楽プロデューサーがいる。彼は、妻を射殺し、有罪の判決を受けた。彼がプロデュースしたビートルズの「レット・イット・ビー」やジョン・レノンの「イマジン」やロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」は、もう二度と聞いてはいけないのだろうか?

 スペクターに影響を受けて作った大瀧詠一の「A LONG VACATION」は、汚れているのだろうか?

 山下達郎は、以前から、「自分の音楽は、万人が好きな音楽ではない。だから、自分の音楽を愛してくれる者のために、音楽活動をしている」という発言をしている。

 何度も海外公演のオファーがあっても、全て断っている。「そんな時間があったら、普段行けない岩手や青森に行って、毎日真面目に働いている人たちのために歌いたい」そうだ。

 「僕の中の少年」というアルバムの中に、「蒼茫」という曲がある。「お金や名誉はいらない。表に出ない普通の人のために、私の歌はある」という決意表明だ。だから、テレビにも出ないし、本も書かない。

 「音楽で世界を変える事は出来ないが、人の心を癒すことは出来る」と、彼は言う。アルバム「レイ・オブ・ホープ」所収の「希望と言う名の光」が、3.11後の被災地の人々の愛唱歌になった事は、知る人ぞ知る事実だ。

 彼は、職人だ。
 音楽だけで勝負したい、とMVも最低限の宣伝に使い、「人の顔の見えない」アリーナや武道館ではライブをやらないし、煙や火が出る派手な演出はしない。

 山下達郎は、何も罪を犯していない。オファーがあった歌手に、楽曲を提供しただけだ。名曲を、ヒット曲を。

 地道な努力により、今の彼の成功がある。成功者を引き摺り下ろそうという悪意のある空気を感じる。成功者を妬んではいけない。

 彼は、国宝だ。ファンにとっては、音楽を作って頂いている存在なのだ。彼を静かな環境に置いてあげてほしい。

(2023.8.1.追記)


次回作の製作費として、大切に使わせて頂きます。