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松任谷由実「恋人がサンタクロース」

「昔 となりのおしゃれなお姉さんは
 クリスマスの日 私に云った
 今夜 8時になれば サンタが家にやって来る」

 カーステレオで、松任谷由実の「恋人がサンタクロース」を聞いていた。

 1980年のアルバム「サーフ天国 スキー天国」の収録曲だ。

 恋人をサンタクロースに例え、この曲以降、カップルはクリスマスを一緒に過ごすようになったという。

 当時は、バブリーで、おしゃれな曲だなあと思って聞いていた。

 ところが、今回、中盤の歌詞を聞いて、違和感を思えた。

「あれから いくつ冬がめぐり来たでしょう
 今も彼女を 思い出すけど
 ある日遠い街へとサンタがつれて行ったきり」

怖い。

人さらいの歌じゃん。

 当時は、自分をさらって行ってくれる男がいつか現れるのを、夢見ている少女の歌と思って聞いていた。作者もおそらくそのつもりで書いたのだろう。

 ところが、“この国は男社会で、女は奴隷のようにどこかの家に連れ去られてしまう”という女の一生を歌っているように聞こえてしまったのだ。

 私は、フェミニストでもなんでもないが、今日は、ホラーに聞こえてしまったのでした。

 (2023.1.9.記 )

 

次回作の製作費として、大切に使わせて頂きます。