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あゝすばらしきバロック音楽(『KOBEバッハ合奏団〜4th Concert〜』感想文)

開演:2023年4月6日(木)19:00

プログラム:
〇G.F.ヘンデル / 4声の協奏曲 ニ短調
(Cem.小林道夫、Fl.榎田雅祥、Vn.寺西一巳、Vc.細谷公三香)
フルートが思っていたよりも強かった。第三楽章(Largo)が良いという印象は家で聴いていたときと変わらず、チェロの響きが美しく、また情熱的だった。

〇G.Ph.テレマン / 2つのヴィオラのための協奏曲 ト長調 TWV52:G3
(Vla.李 善銘、Vla.上野博孝)
弦楽の重なり(ハーモニー)が心地よかった。意外とリズミカルな曲という印象が生じた。ヴィオラの小技を楽しめたように思われる。終章(Vivement)は祝祭感があり、頗る楽しい。

〇G.F.ヘンデル / 合奏協奏曲 第9番 へ長調 Op.6-9 HWV327
第二楽章(Allegro)の初めが思っていたより遅く重かった。第一楽章(Largo)からの連続的な移行という印象。この曲もハーモニーが心地よい。とくに左右(ヴァイオリン及びヴィオラとチェロ及びコントラバス)の音の高低差による立体感が活きている。また、緩急の綾のつけ方に感嘆した。第五楽章(Menuet)からは曲がガラッと変わったように感じた。

〇J.S.バッハ / ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050
(Cem.小林道夫、Fl.榎田雅祥、Vn.寺西一巳)
やはり、楽章ごとに変化に富む曲である。まるで季節の予祝のよう(秋、冬、春といった趣)。第一楽章は、繰り返される主題に安心感を覚えるというか、主題が鳴るタイミングを知っていても高揚してしまう。ともあれ、この曲を指揮なしで綺麗に合わせることって、すごいよな。また、小林道夫さんの演奏が堂に入っていてかっこよかった。

〇G.F.ヘンデル / 合奏協奏曲 第12番 ロ短調 Op.6-12 HWV330
短調であることがわかりやすく、悲哀的に響いていた。この曲も HWV327 と同じく、左右のハーモニーが心地よい。ヘンデルは綺麗にまとまった曲を書くという印象。

アンコール:
〇J.S.バッハ /管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068 から第2曲「エール (Air)」
実はきちんと聴いたことのない曲。BGM として耳にする機会は多々あれど、こうして生演奏を聴くと、ヴァイオリン及びヴィオラの響きの清らかなことに驚く。それを支えるように、チェロ及びコントラバスは優しく、ちょうどよい強さの音を弾いていた。チェンバロの音がきちんと聴こえてきたことも意外であった。

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