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#61 高瀬舟 森鴎外

足るを知る

幸福とは何であろうか?
資本主義社会において、果てしない物欲や不確定な未来に取り憑かれ、
我々はどこまでも満たされることなく、社会の一部として拘束されている。

我々はどんな人になりたいのだろうか?
足るを知り、無欲な喜助をさん付けしてしまうのもわかる。
権力を持った者、財を構築した者、こう言った人々が尊敬される中で、
目指す先は、おぼろ夜であり薄い雲が月の明かりを霞ませ、
親類も隣りにはいない。

遠島に向かう心持ちはいかがなものか?
黒い水の面を滑る舟に乗る2人は何を考えるのであろうか?

幸福は
「持つ持たない」ではないし、地位でもない。
置かれた環境でもなく、過去でもない。

ただ、今の自分をどう感じるかなのかもしれない。

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