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音楽

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2021年8月の記事一覧

武満徹の言葉

「作曲するということは、われわれをとりまく世界を貫いている<音の河>に、いかに意味づけるか、ということだと気づいた」
(『武満徹全集』p.28 「音、沈黙と測りあえるほどに」)

作曲は音を生み出す作業ではなく、もとからこの世界に存在している音を拾い上げる作業ということだろうか。そうだとすると、思想的にはソシュール言語学のような印象を受ける。
言葉とは、世界から対象となるものを切り取るために必要な

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閉会式にて、武満徹作曲「波の盆」が使われていた。この曲は私が今まで聴いてきた音楽の中で最も美しいと感じている曲である。メロディはもちろん、特に素晴らしいのがオーケストレーションだ。木管とグロッケンとチェンバロを同時に鳴らすと、こんな幻想的な音になるのかと、ハッと気づかせてくれる。