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【和訳】Piledriver Waltz - Alex Turner




I etched the face of a stopwatch
ストップウォッチの模様を彫ってみたんだ

On the back of a raindrop
雨粒の裏側にね

And did a swap for the sand in an hourglass
そしてそれを砂時計の中身と入れ替えてみた

I heard an unhappy ending
不幸せな結末を耳にしたよ

It sort of sounds like you leaving
君の去ってゆく音だ

I heard the piledriver waltz
パイルドライバーのワルツが聴こえてきた

It woke me up this morning
今朝もそれに起こされたよ


You look like you've been for breakfast at the heartbreak hotel
君はまるでハートブレークホテルで朝食を摂っているみたいだね

And sat in the back booth by the pamphlets and the literature
そしてパンフレットや小説が置かれているブースに座っているんだ

On how to lose
"失う方法"について書かれたね

Your waitress was miserable and so was your foods
ウェイトレスは見すぼらしくて、料理もひどいものだった

If you're gonna try and walk on water 
もし水の上を歩いてみるというのなら

Make sure you wear your comfortable shoes
履きなれた靴を履かないとね


Mysteries flashing amber
謎は黄色信号を灯している

Go green when you answer
君が答えれば緑に変わるけど

But the red on the rest of the questionnaire
残りの質問リストを照らす赤信号は

Never changes
決して変わらないだろうな

I heard the news that you're planning
君の計画を聞いたよ

To shoot me out of a cannon
僕を大砲で飛ばすつもりなんだろ

I heard the piledriver waltz
またパイルドライバーのワルツだ

It woke me up this morning
今朝もそれに起こされたんだ


You look like you've been for breakfast at the heartbreak hotel
君はまるでハートブレークホテルで朝食を摂っているみたいだね

And sat in the back booth by the pamphlets and the literature
そしてパンフレットや小説が置かれているブースに座っているんだ

On how to lose
"失う方法"について書かれたね

Your waitress was miserable and so was your foods
ウェイトレスは見すぼらしくて、料理もひどいものだった

If you're gonna try and walk on water 
もし水の上を歩いてみるというのなら

Make sure you wear your comfortable shoes
履きなれた靴を履かないとね

Oh-oh, oh-oh
ああ

Piledriver
まるでパイルドライバーみたいだ




与太話

映画「サブマリン」のサウンドトラックとしてアレックスターナーが個人名義で制作したEPのラストを飾る楽曲。劇中ではStuck On the Puzzleがラストに流れますが、EPをこの曲順にしたのはアレックスなりの物語が頭の中にあったんでしょうね。

さて、恋愛において相手が何を考えているかわからない、というのはまあ当たり前のことだけど、相手の理解しがたい行動をなんとか吞み込んで、同じ土俵に立とうとしがみついて、何気ない相手の発言から不安の穴を拡げてはその中に落っこちていく、みたいなことは誰にでもあるもの。世の中にはわかった気になったようなラブソングが溢れ返っているけれど、アレックスターナーは、わからないものはわからないと言う、むしろわからないものをわからないままにしておく。この'わからない'という愛憎入り混じった感情に詩的表現を与えたものが、まさにこの楽曲なのだと思います。

曲中に出てくる"ハートブレークホテル"というのは、エルヴィスプレスリーの"Heartbreak Hotel"から丸々引用しています。エルヴィスの歌うこのホテルには、愛の痛みを抱えた者たちが集まってきます。そこでは泣いても喚いても構いません。各々が傷を癒すために、そのホテルは存在しています。もちろん実在はしていませんが。"Piledriver Waltz"に登場する'君'は、そんなホテルでゆっくり朝食を摂っていたり、わざわざそんな場所で'失う方法'について学んでいるわけですから、いかに厄介な女の子かがわかります。

アレックスターナーの詩に登場する女の子は皆一癖も二癖もあるように見えますが、現実も案外そんなもんなのかもしれません。厄介な人を好きになってしまった、なんて皆がみんな思っていることなんでしょう。楽で簡単な恋愛など恋愛とは言わない、とまで言ったら言い過ぎかもしれないけど、少なくともそれをロマンスとは呼ばないでしょうね。"No Buses"では'An ache in your soul is everybody's goal'と歌っていますが、痛みによって終わりを迎えることは決してバッドエンドではないのかもしれません。

アレックス曰く、恋の痛みはパイルドライバーのようなものらしいですが、パイルドライバーは間違えてもふざけてかけるものではないですからね。首をいわして簡単にあの世行きですから。

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