「五老星が変身する怪物のモチーフは家畜説」という考察について(ネタバレ注意)

警告:ここから先はネタバレがガッツリと含まれています。
それを承知の上で読んでくださると幸いです。

誰もが知っている最も有名な日本の漫画及びアニメ「ONE PIECE」…この作品にはより多くの伏線があり、それに伴っての読者による様々な考察があります。
そんな中、私はとある考察を注目します。
その考察とは?

五老星


こちらの画像の「五老星」と呼ばれる5人です。
ONE PIECEには、「世界政府」と呼ばれる組織があり、拠点は世界の拠点となっている赤い大陸にある聖地マリージョア…そこに住んでいる5人の世界のトップ(表向き)です。
しかし、数年間も長い間名前が明かされず、謎が多い人物でしたが、最近になって、名前が明かされ、それも5人全員には惑星に因んだ名前となっています。

五老星の名前

そして更にその後に五老星は全員、幻獣種と思われる動物系悪魔の実の能力を使っていることが判明しました。
ただ、悪魔の実の名前が明かされず、変身した生物の名前のみとなっています。

この中からサンドワーム以外は全員妖怪をモチーフにしており、封稀(巨大な猪のようなの怪物)は中国、馬骨、似津真天、牛鬼は日本の妖怪です。
初めて全員の姿が明かされた時は明らかに絶望的に勝てない相手であるかのような雰囲気を出しています。

実際に主人公のルフィですら倒すことができず、すぐに逃げると判断するほどで、ダメージを与えても再生することから、不死身の体を得たのではないかと言われています。
そんな五老星ですが、実はとある考察が話題になっています。
その考察というのは、「五老星が変身する怪物は家畜をモチーフにしている」という考察です。
どういうことかというと、以下はpixivからの引用となります。

五老星が変身した怪物たちは、それぞれ「豚」「馬」「牛」「蟲(蚕、ミールワーム、ミミズなど)」「鳥(鶏、ガチョウ、七面鳥など)」に通ずるものがあり、全員が「家畜=人間の奴隷」に相当する生物種が、妖怪や怪物化した存在に変化している。五老星の各メンバーの人間上のモデルが、各々が人権や民衆の自由のために尽力した偉人であると考えると、かなり強烈な皮肉でもある。

尚、家畜が五老星の変身した怪物との共通点だとした場合、「羊」を表す者が居ないが、これは羊が「神を表す家畜である為、五老星以上の人間が変身するのではないか?」とも見られている。

引用元:https://dic.pixiv.net/a/五老星

ということです。
ちなみに五老星のモデルとなった偉人はこちらです。

○ウォーキュリー聖 → ミハイル・ゴルバチョフ:ソ連の自由化・民主化
○ナス寿郎聖 → マハトマ・ガンディー: 非暴力・不服従によるインドの独立
○サターン聖 → カール・マルクスまたはフィデル・カストロ:社会主義の創始者 / 革命によるキューバの社会主義国家への変革
○ピーター聖 → エイブラハム・リンカーン:奴隷解放
○マーズ聖 → 板垣退助:自由民権運動

引用元:https://dic.pixiv.net/a/五老星

これらの偉人は全員自由を求める活動をしたことで知られていますが、それをモチーフにして作られたキャラクターである五老星は世界を支配する側で、五老星の背後には、「イム様」と呼ばれる真の支配者がいます。
そして先ほどの家畜説を考えると、ある意味の皮肉が込められています。

しかし、この考察が私が注目するのは?

その答えは、今の海軍元帥と海軍大将(元大将一人含む)が鍵となるからです。

海軍大将の頃は「赤犬」と呼ばれた海軍元帥サカズキ

まず、海軍元帥となったサカズキです。
彼は海軍大将の一人で、「赤犬」の異名がありました。
しかし、サカズキが元帥となった後、「青キジ」の異名を持つグザンが海軍をやめてしまいました。
これはグザンがサカズキが元帥になることを反対し、パンクハザードで決闘をしたからで、クザンはサカズキに敗北します(グザンが反対する理由は麦わらの一味の一人であるニコ・ロビンの故郷であるオハラに対するバスターコールでのサカズキの行動が原因とされている)
その後、グザンは黒ひげ海賊団に入り、今となっては海賊の一人となりました。

元海軍大将「青キジ」で、現在では黒ひげ海賊団10番船船長となったグザン

サカズキが元帥、グザンが海軍からいなくなったことで、今では黄猿ボルサリーノに加え、緑牛アラマキ、藤虎イッショウが新たな海軍大将となりました。

左側は藤虎イッショウ、真ん中は黄猿ボルサリーノ、右側は緑牛アラマキ

この海軍元帥と海軍大将がなぜ鍵となるのか?
それは、その異名に含まれる「動物」に由来します。
それらの動物は全て、日本では有名な「桃太郎」をモチーフにしており、犬、猿、雉をモチーフにしたのが赤犬サカズキ、黄猿ボルサリーノ、青キジグザンです。
そして藤虎イッショウと緑牛アラマキ…この「牛」と「虎」は、干支の「丑」と「寅」で、陰陽道では鬼門の方角とされ、特に午前1時から午前3時までの間は不吉な時間とされています(幽霊や妖怪などが出るとされているからで、その時間に呪う「丑の刻参り」があります)。
鬼と言ったら桃太郎に登場する敵で、鬼には牛のツノ、虎の毛皮でできた服があるため、それが異名として採用されたと思われます。
しかし、考えようによってはその異名が五老星との関係につながります。
というのも、海軍元帥は五老星の前ではただの「中間管理職」に過ぎず、基本的に海軍は五老星または世界政府に従っているのです。
特に世界貴族「天竜人」が万が一に襲われたりされたことがあれば、すぐに海軍大将が派遣されるほどです(実際にルフィが人魚ケイミーを助けるために天竜人に殴ったことが原因で、ルフィ達がいたシャボンディ諸島に黄猿ボルサリーノが派遣されました)
つまり、天竜人にとっては海軍は自分の部下もしくは自分の護衛にしか過ぎず、例えるのなら、海兵は全員世界政府もしくは天竜人にとっての「犬」にしか過ぎません。
そう、サカズキの異名である「赤犬」が含まれているのも、それを意味する伏線ではないかと考えています。
犬は大昔から人間に飼われた家畜で、人間の側には犬がいるのです。
サカズキが海軍元帥になれたのは、世界政府(特に五老星)に選ばれたからで、それは「赤犬」という家畜を海軍元帥にすることで、自分達にとっての犬として利用することをより強く意味しているものと個人的にはそう思います。
つまり、サカズキが「赤犬」と呼ばれる形で登場した時点で、すでに海軍は世界政府にとっての家畜のような存在と認識されているのです。
この家畜という言葉を現代的に派生された「社畜」という言葉が生み出されており、これは社会や会社の利益のために、家畜のように働かされている人を意味しているのです。
そういう意味では、海軍は世界政府のための社畜として利用されているのです。

実際にボルサリーノは自分は社畜だと自らそう言及されているので、ボルサリーノを含めた海兵のほとんどは世界政府に家畜のように使われていることを自覚していると思われるのです。
そしてサカズキのことを尊敬している緑牛アラマキは、サカズキに似たような思想を持っています。
しかし、アラマキ自身も異名に「牛」が含まれています。
牛も一般的な家畜として知られているので、もしもサカズキの次に海軍元帥になるとしたら、おそらくアラマキになると思われます。
「赤犬」と「緑牛」…これはどちらも世界政府側であることを意味しているのです。
しかし、黄猿、青キジ、藤虎はどうなのか?
3人とも、異名に含まれてる動物は全て動物園にいるような「野生動物」だからです。
特にキジ、トラ…これらの動物は一部の例を除いて、基本的には野生動物で、あまり人間に懐くことはありません(拾われたり、保護された一部の個体は除く)。
野生動物というのは、家畜と違って生息地の範囲のみ自由に暮らすことができます。
そういう意味では、青キジクザンはと藤虎イッショウも海兵にしては自由であり、クザンはルフィ達を逃したりするなどの個人の判断で己の正義のために逃したりすることがあります(クザンの判断で、結果的にロビンが救われることとなった)
彼はかつて誰よりも自由を愛する海軍中将で、ルフィの祖父であるガープの弟子になった経緯があります。
そしてサカズキとの決闘で敗れた後、海軍をやめ、黒ひげに会うまでは自由に旅をしていた(酒を飲んだくれていた)描写があり、その後に黒ひげ海賊団に入りました。
藤虎イッショウに関しては、ドレスローザでドフラミンゴとの戦いでルフィ達と一緒に共闘したことで、ルフィ達のことを認めました。
海軍中将のスモーカーからアラバスタの件(クロコダイルのこと)を聞いたのか、ドフラミンゴを含めた王下七武海が原因で悲劇を生み出した責任として、土下座をしたことが原因で、サカズキと喧嘩して、サカズキから全基地への立ち入り禁止(ルフィと同盟相手のローの首をとってくるまでの間)となり、イッショウも上等だと思い、今は自由に放浪の旅に出ていました。
ルフィにとって一番好きなものは自由で、世界政府や天竜人による支配の対義語としての自由があるため、もしかしたらクザンとイッショウは最終的にルフィ側につく海兵になると思われます。
一方の黄猿の名前が含まれる猿は、確かに野生動物ですが、ペットとして飼われていることがあるため、猿はペットとして飼われている感覚となるため、違う意味では五老星に飼われているような感じです。
黄猿ボルサリーノは五老星から空白の100年の研究をしたDr.ベガパンクを消すように命令されたため、エッグヘッドへ向かったが、ボルサリーノはベガパンクとは親友で、最新話ではエッグヘッド編の鍵を握るボニーとくまとの関わりがあったことも判明されたため、立場としては複雑な状態となっています(実際にボルサリーノは涙を流すシーンがあるため)
ベガパンクに手を出してしまったことが決め手となり、ボルサリーノは精神的にやられ、そこからボルサリーノは休むこととなりました。
これがきっかけで、ボルサリーノは海軍をやめるのではないかなどの考察があるため、もしかしたら黄猿はベガパンクのことで精神的にまいったとがきっかけで海軍をやめたのではいかと思われます。
そういう意味では、赤犬と緑牛は海軍に残り、青キジは黒ひげ海賊団に入り、藤虎は自由に放浪中となっています。
そして黄猿は、海軍に残るか海軍から抜けるかのどちらかとなります。

この考察で何が言いたいのかというと、「家畜に由来した怪物の姿となった五老星と家畜の名前が入っている「赤犬」と「緑牛」は世界政府側となり、藤虎と黄猿は最終的に青キジのように離れる可能性がある」ということです。

ちなみに世界政府に所属するCP-0にいるルッチなどの一部のキャラには、野生動物をモチーフにした動物系悪魔の実の能力を持っています(ルッチはヒョウ、カクはキリンとか)。
もしかしたら今後の展開次第では最終的には世界政府(特に五老星)とは敵対関係になる可能性があるのかもしれませんね(ルッチはカクのことを相棒と認識しているが、それに対して五老星の一人のマーズ聖は興味がなさそうな反応を見せているため)

ONE PIECEは今、最終章へ向けた物語となっており、誰もが予想にしていないことが次々と起こり続けているため、そういう展開もあるのかもしれません。

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