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目が明く労働

「憂鬱でなければ仕事じゃない」

そんなことを言った人がいる。まったくその通りだと思う。
例えば、来る日もくる日も準備を積み重ねた大きなプレゼンに日の朝にすごく憂鬱な気持ちになることがある。多分これは、プレゼンが失敗して投資したもの(積み重ねた準備)が成果として返ってこないことに対する防衛本能だ。

成否はともかく、そういう失敗したくない状態を作り出し、それに立ち向かうことは個人として、会社として、成長(成功)するためには必要不可欠だろう。憂鬱な仕事には割りに大きな意味があることが多いと思う。

憂鬱とは違う、「納得感がない状態」というものがある。
これが結構辛い。そして、おそらく働いていれば定期的にやってくる状態で対処法を知っておく必要があると思った。

「納得感がない状態」が、引き起こされた時の自分を振り返ってみると、まず自分の心の状態が良くない。仕事が楽しくない。「憂鬱な状態」の時も楽しくないという点では同じだが、「納得感がない状態」の時は、それに加えて明らかにパフォーマンスが下がる。これが問題だ。

楽しくなくともパフォーマンスが高ければ、成功あるいは成長に繋がる。「憂鬱な状態」であったとしても、必要とされる自分になる(近づく)ことができる。しかし、パフォーマンスまで下げてしまうと精神的に充実していない上に自分の価値も向上しない。辛いまま時間だけが過ぎてしまう。こういう状態はできるだけ早く脱出する必要がある。

だからこそ、「納得感が持てないのは、一体なぜなのだろうか」「憂鬱である状態とどのように違うのだろうか」そんなことを考えてみた。

納得感が持てないことの原因は、大きく3方向あるように思う。
①ビジョンに共感しない
②自分の仕事がビジョンにどう結びついているかがわからない
③自分の仕事に対して待遇が見合っていないと感じる

「鳥の目、虫の目、魚の目」と言うが(これは誰の言葉のだろう…)、やはりまずは、自分の会社がどのポジションをとっていて、自分がどの役割を担っていて、どの程度の成果を出しているのかを整理すると、いずれにおいても正しい判断ができるようになる気がする。

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「鳥の目、虫の目、魚の目」はいったい誰の言葉なのかを調べていると、自分が言いたかったことの大筋が、東レ経営研究所のHPで書かれているのを見つけてしまったので、違うことを書かねばと思い直したところだ。

思い直して、続けるが、上記のように「鳥の目、虫の目、魚の目」の視点で自分自身、業務の内容、会社の全体像を見直すと、納得感が持てなかった状態が何に起因しているかが見えてくるかもしれない。

①ビジョンに共感しない
正直、これに関しては結構難しい問題だと思うが、視点を変えることで意義を見出すことができればまた頑張れるかもしれないし、あらゆる角度で見直してもやはり共感できなければ次のステージを探すのが良いかもしれない。

②自分の仕事がビジョンにどう結びついているかがわからない
視点を変えることで(特に俯瞰することで)、自分の"業務の出口"を見つけることができ、それに意義を見出すことができればきっとまた頑張れるので「鳥の目、虫の目、魚の目」効果が最も高いかもしれない。

③自分の仕事に対して待遇が見合っていないと感じる
会社員である場合は、待遇は評価と業績に基づいて決定されるから、あらゆる視点で業務を見つめ直すことで、妥当なのか不当なのか概ね判断がつくように思う。ただ、待遇を給与で捉えた場合、それなりの会社になると給与設定というのは、結構うまくできているものであまり非合理ではないことがほとんどのように思う。(よっぽどひどい場合は、さっさと転職しましょう)

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「世界は誰かの仕事でできている」

僕の大好きなコピーなのだけれど、働くことの幸せとか意義とかってこの世界観に詰まっている気がする。

働くことの幸せを感じるためには、自分が何なら頑張れて、何に意義を見出す人間であるのかをよく考えることが重要だと思う。成果が数字で反映されることがモチベーションになる人は給与とも結びつくかもしれないが、みんながみんなそういうわけではない。

お金を稼ぐためには、稼げる事業を作るか、必要とされる人間になるしかない。前者についてここで語ることはないので割愛するが、後者を選ぶ人が多い中、必要とされるためには相対的なパフォーマンスを上げる必要がある。「好きこそ物の上手なれ」というが、パフォーマンスを上げるためには、適正と経験が必要になる。そういう意味でもやはり自分を知る必要がある。できれば仮説を立てたらすぐに動いてみたい。別に転職という形ではなくとも、小さなイベントをやるとか、プロボノでプロジェクトを請け負うとか、作品を世に出すとかなんでも良いと思う。

ともあれ、「お金を稼ぐ方法」と「幸せに働く方法」というのは、まったく別のゲームだ。まずはここを切り離して考えた上で、「幸せに働く方法」についてよくよく思案したい。

会社が社会でどのようなポジションを取っていて、自分の仕事が会社のどのパートを担っていて、それがどのような過程を経て出口に向かっていっているのか。業務の全体像を見ることで結構充実感が変わったりするかも。という話でした。

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