アルアル或る中国人(面接編)其ノ3


ハローワークの求人票に書いてある地図を頼りに会社まで歩いて向かった。

古くて長い商店街を歩いていく。

ブランド品を通販で販売する会社らしいのでビルやマンションの一室でやっているのかと思っていたのだが、それらしきものは見つからない。

面接時間に遅れそうになりながら頑張って探した結果それは商店街の中にあった。

築50年以上はある、木造の汚い2階建てだった。

インターホンがないのでガラスの引き戸をノックして入る。

中年の中国人男性が中から出てきた。片言で2階で面接するからついて来て下さいと言われた。

ハローワークの人は日本人って言ってたけど思いっきり外人だった。

ジュータンが敷いてあったので靴を脱いだ方がいいか聞いたら靴をはいたままでいいらしい。

2階に上がると和室の上にもジュータンが敷いてあって地面がとてもグニャグニャしていた。

履歴書も特に目を通すこともなく、

・中古品には抵抗ないかどうか?

・目が疲れるが大丈夫か?

・うつ病ではないか?

大きくはこの3つを聞かれた。

過去に働いていた人がうつ病を隠して働いていたらしくそれを理由に会社を辞めたらしく、裏切られた気持ちになったらしく何度もうつ病じゃないかどうか確認された。

言っていることもこっちが聞きたいことも片言だったため7、8割しか伝わらなかったが、転職を繰り返して真っ黄色に汚れた経歴には特に触れられなかったのでとても気が楽だった。

その場で採用してくれるようで、いつから来れるか聞かれた。

今までの経験上、その場採用はあまり良くない会社といったイメージがあるがお金に困っていたし、日雇いバイトはもうやりたくなかったのでやってみることにした。

ハローワークの求人票には土日休みの13時〜22時だったが、水日休みの12時半から21時半までと言われた。

契約条件が違うことに違和感を感じたが、平日休みはありがたいしまあいっかと思い了承した。

-----つづく-----




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