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燃ゆる女の肖像

 百合ファンのお兄さんが、萌え萌え感想を投稿しまくってる映画です(笑)
Amazonの感想によると女性版「君の名前で僕を呼んで」だ!そうです。
 きれいな女の人同士がきれいなロケーションでロマンチックな関係になる。という、まあ、とても抒情的な映画です。
 
 うわべだけみれば。

 私的には、若干鬱になる感じの映画でした。
主人公の貴族の女性は、以前は修道院に入れられてたんですけど、姉が自殺で亡くなってしまい、その身代わりに結婚するために家に呼び戻されます。
 そのお見合いのための肖像画を描かせるために画家が召し抱えられることになるんですが、やがてその画家の女性とその貴族の女性がお互いに惹かれあう。とかいうお話です。

 私は中学高校と、ミッションスクールに通ってました。っていうのは、以前に書いたと思うんですけど、その学校に。
 西洋人のお婆さんのシスターが居てですね。宗教の時間にそのお婆さんが言うのには、
「私の子供のころは、末娘を神に捧げるという習慣があって、私はそれでこの仕事についた」
 そうなんです。

 この人、捧げられちゃってたんだ!!とか、当時ちょっとびっくりしました。まあ、今でも覚えてるくらいですから、ちょっとショックだったんだと思います。
 捧げられちゃって、伝道のためにとうとうこんな東の果ての日本にまで行かされたんだなあ。とか思って。
 ちなみにこのお婆さんは、当時でもすでにかなりなお年で、私が高校を卒業してから割とすぐに亡くなりました。故国に帰ることなく。

 そんなわけで、捧げられた=家族から一度捨てられた女性が呼び戻され、家のために姉の身代わりとして他家に嫁ぐ。っていう。なんたるちや。

 お話では、肖像画を描かせるために男性画家を雇うものの、彼に顔を見せようとしないために、しょうがなく男性画家はクビにされ、今度は女性画家が雇われるんですが。

 女性画家は画家であることを隠しているせいで、彼女の顔を盗み見ては心にきざみ、思い出しては描くというようなことをしていました。四六時中見つめて、それで四六時中見つめられていれば、愛が生まれるのは必定ですよね?(笑)

 そこにいつも彼女たちのお世話をしてる小間使いが出てきます。画家と仲良くなるうちに、その小間使いが妊娠してることに気が付きます。何故画家がその小間使いが妊娠していて、そしてそれを堕胎したいと思っている、ということに気が付くかというと。
 画家が以前に同じ経験をしていたからだと言うことが明かされます。

 小間使いが、妊娠したことを誰にも気づかれたくなかったということも、レズビアンである画家が堕胎したというのも、後ろに「性暴力」を伺わせます。
 貴族の女性も家の都合のために他家に嫁ぎ(姉の身代わりなので、それは別に彼女でなければならなかったものでもない)そして、そこの子供を産む、ってのも緩慢な性暴力には違いないと思いました。

 なんたる鬱映画!!

 Amazonの感想の中には「ただのフェミニズム映画」とか言って、低評価をつけてる(おそらく)お兄さんがいましたけど、萌え萌え兄さんよりは感性は高いと思いました(笑)

 私としては、ちょっと鬱になったので評価は7/10点でした。ここのところ、つまらない映画は途中で見るのを辞めてしまうんですけど、この映画は最後まで見れました。結局映画としては割と面白かったってことですかね。
 

 

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