tari textile BOOK 後編 #13「素材にふれる丹波布」第6話
第6話
藍染めを終えたあと、タリはそのわたねくんたちの糸を用いて順調に布づくりを進めていった。初めて和綿で、それも自分で弓を使って綿打ちした綿を紡いだ糸だったので、整経やちきり巻き、そして機織りの段階で、糸が切れるなどのトラブルがもっと頻繁に起こるのでは、と心配していたがそれほどでもなく、いつも通りの感じで、これまで学んできた丹波布の技法でその布を織り上げた。
いつも通りとはいえ、その布はみんなの育てた綿から生まれた、タリにとっては特別な意味を持つ布になった。みんな