スター階段再び
スター階段、と言っても今やたぶんだれもご存知ない。その後、〇〇階段と称して、あのノイズバンド非常階段が他のユニット、個人とコラボレートするイベントの端緒となったイベント名。スター階段はもちろんわがザ・スターリンとのコラボだった。
行われた会場はあの、京都大学西部講堂。京都市内北東部、東山の麓、京都大学構内に現存する古い木造平屋建の巨大な講堂だ。時は1983年9月17日。明後日で丸40年が経つ、というこのタイミングでそのスター階段を再演するという。
ザ・スターリンの事情で言えば前年の1982年、オレの脱退に続いてギターのタムも脱退。1982年後半から83年前半の絶頂期はメンバーチェンジを繰り返した時期に当たり、それにミチロウは疲弊してしまったのか83年は6月初旬以来バンドとしての演奏をしていない。
そんな83年の夏、ミチロウから非常階段と一緒になってむちゃくちゃをやるから、とオレは出演依頼を受けたのだった。
ベースの故・杉山シンタロウは残るもののギターはいない。かつてザ・スターリンの前身バンド「自閉体」でギターを弾いた尾形テルヤがギターを弾く。オレにとってはこの上ないメンバーだ。ただ、オレも一年以上、テルヤは3,4年ステージに立っていない。だから高円寺だったか阿佐ヶ谷だったか、結構リハーサルを繰り返したように思う。
1983年9月17日の早朝、中野のスターリンオフィスを発車した、テルヤが操縦するオンボロスターリン号は予定を数時間遅れた午後2時ころだったか、西部講堂前の広大な駐車場に到着。と、同時に講堂から飛び出してきてお出迎えしてくれた岡俊行のはしゃいだ姿は今も忘れられない。
演奏は音源が発売されているので今も聴くことができるが、これだけはやはり動画で見てみたいものだ。いきなり紅一点、非常階段のWooが小便を始め、もはや最初から阿鼻叫喚。最後にはお客が投げたたぶん西部講堂の備品である畳が宙を舞い、オレは両手にシンバルスタンドを掴んだまま客席にダイブして1時間ほどのステージが終わったのだった。
さて、ザ・スターリンの音源も折りに触れ発表してくれるレーベル、いぬん堂が25周年を迎えるという。その記念イベントがなんと9月16日、すなわち40年前にスター階段が行われた9月17日の前夜だ。まあ、クリスマスイブみたいな日だ。笑
そりゃやるしかない。と言うことでそのいぬん堂25周年記念「いぬ屋敷 弍獣娯執念の間」に再びスター階段が登場する!
中でも、オレとずっと京都で遊んでくれている岡俊行が参加するのがデカい。なんと言っても40年前、破壊担当として西部講堂のステージを破壊しまくって以来の岡のステージ。ぜひ目撃してほしい!
スター階段も登場する「いぬ屋敷 弍獣娯執念の間」は、あす9月16日(土)19時、新大久保アースダムだ!
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