VShojoの二次創作ガイドライン原文を訳してみる。
(2022/7/28追記)
現在、VShojoの公式サイトから英語原文の二次創作ガイドラインが見られなくなっています。
しかし、このページを見ておられる方の多くは
①VShojoの切り抜き動画を作成してよいか
②その動画を収益化してよいか
に興味があると思います。
その点につき、VShojo公式サイトに明確な答えが日本語で掲載してあります。↓
※文言は変更される可能性がありますので、正確な文章は公式サイトで確認してください。(https://www.vshojo.com/ja/about/)
※ちなみに、二次創作ガイドラインは日本語ページだけなぜか残っています。(https://storejp.vshojo.com/pages/legal-stuff)
↓以下は、2021年10月23日に書いた文章です。リンク先を修正・削除しています。
VShojoの切り抜き動画を作ってみようと思い、二次創作のガイドラインはどうなっているかちょっと調べていました。
するとVShojo公式ホームページで「権利者に関して。2次創作はOK?誰が作っていいの?それらについて解説します。」(https://storejp.vshojo.com/pages/legal-stuff)という二次創作のガイドラインについて解説した日本語ページが見つかったのですが、日本語の表現が少し硬くてわかりづらかったり、原文の英語とは表記が異なる箇所があったため、少し気になりました。
そこで、原文である英語のページを訳してみることにしました。意訳気味なので原文と読み比べながら確認してもらえると幸いです。(※2022/7/28追記:現在、英語のページが公式サイトから確認できません)
気になる部分を太字で強調し、後の訳注のところで解説しています。
また、文中で度々登場する「IP」という言葉は「intellectual property」の略で、創作物や商標など、知的財産のことを指します。
※注意)当該翻訳の内容につき正確であるよう努めておりますが、その正確性の保証はいたしません。また、内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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1. What kind of things can I develop with VShojo Talent IP?(VShojo所属タレントに関するIP(知的財産)を用いて、どういった活動なら展開してもいいですか?)
要約──作品の制作は、無償で、コミュニティに向けてのものであり、不快に感じられるやり方ではありませんね? それは素晴らしい、やってみてください。営利目的の作品や侮辱的な作品の制作? ああ、それは許可できませんね。
よい質問です。ここで規定として記載されたすべてのルール(以下、「ルール」と呼ぶ)をあなたに守っていただけるなら、VShojo社(以下、「当社」と呼ぶ)は制裁を加えるようなことをいたしません。
詳しく言えば、厳密に非営利な利用であり(下記に詳述の例外は除く)、かつコミュニティにおいて利用される限りにおいては、当該IPに基づいて二次創作を利用したり、他人に見せたり、制作したりするライセンスをあなたに付与するということです。ただしこのライセンスは、個人的(※属人的)なものであり、また、あなただけに付与するわけではなく、あなたがこのライセンスを他者に利用させることや譲渡することは認められず、そして当社はこのライセンスを取り消すことができる。そういった限定的な性質のライセンスです。
訳注)公式ホームページの日本語訳では、太字で示した「to use, display and create derivative works based upon any of the IP」というライセンス内容についての訳がなぜかありません(2021年10月23日午前0時38分時点)。
「あなたは、当該IPを趣旨にそぐわないやり方で使用している」と当社の独占的かつ絶対的な裁量の下で決定した場合を含め、どんなときであれ、どんな理由であれ、理由の軽重を問わず、たとえ理由を示さなくとも、当社はIPの使用を拒否する権利を留保しています。もし当社がIPの使用を拒否した場合、あなたは直ちに開発・公開・配布の計画を中止しなければなりません。
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2. No Commercial Projects(営利的なプロジェクトの禁止)
要約──もしあなたが何か作ろうとしているなら、当該IP(知的財産)を用いて購読料を得てはいけませんし、課金させてもいけませんし、またどんな収入も得ようとしてはいけません。しかし、動画やストリーミング配信等々でプロジェクトを宣伝することにより(※視聴されることにより?)得た収入である場合、及び、当社に連絡を取りライセンス契約をまず結んだのであれば、この限りではありません。
訳注)「that revenue is from promoting the Project in videos, streaming, etc.」の訳につき、公式ホームページの日本語訳では「その収益が動画や配信などでプロジェクトの宣伝をしている時に得た収益」と訳されているのですが、いまいちピンときません。後述の内容を見ていると、YouTubeの広告収益のことを前提としているように思えました。なのでおそらく、動画や生放送が視聴されることによって得た公告収入のことを述べているのかなと思いましたが、確信はないので直訳にしました。
営利目的で大量生産するようなプロジェクトや(estyにおける同人作品や、同人誌即売会などにおけるファンアートの印刷物、そのほか小量の物品であるなら問題ありません)、プロジェクトの資金で不特定多数に外部委託していたり、企業または法人が関わっていたり、(Patreon, YouTube Premium, OnlyFansなどのサイトにおける)購読料を払わないと作品を見ることができないプロジェクトは、当社との書面によるライセンス契約なしに認めることはできません。
しかし、どんな良いルールにも例外はあります! 当社は、Webサイトやストリーム配信、動画を宣伝することにより(訳注:視聴されることにより?)適切な広告を通して得る、作品の直接の対価ではない収入については許可します。適切な広告とは、pre-roll ads(※動画開始前に流れる広告)、ad breaks(※動画再生中に流れる広告)、sponsor ad overlays(※動画再生中に画面下部に現れる半透明の広告)などを含めたもののことです。不適切な広告は認められませんし、何が不適切か判断するのは当社です。
ただし、配信された映像など既存の素材を、加工せずそのままYouTubeに投稿しようとするのなら、再生前・再生中・再生後に広告を付けることは上記例外の対象外であり、それは他の収入源であっても同様です(具体的に言えば、映像を切り抜いてつなぎ合わせただけものは、投稿をすることも、それによって収入を得ることも認められませんが、配信者に対する感想を述べることや、VTuberをモチーフとしたオリジナル曲において彼女たちの画像を動画内に表示すること、また、ストリーム配信に関するヘンテコな陰謀動画は100%問題ありません)。
※訳注)最後の一文にある「陰謀動画(conspiracy video)」って何? というのがまず気になるところですが、公式ホームページの日本語訳でも「生配信についての変な陰謀開設動画」と表記されていました(「開設」は原文通り)。海外では、ちょっとしたことを陰謀論的に面白おかしくこじつける動画みたいなものが流行っているのでしょうか。それともこの「conspiracy」 には「陰謀」以外の適切な訳があるのでしょうか。
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3. Does my Project have to include original content?(プロジェクトは内容に独創性がなければいけませんか?)
要約──他人の作成したコンテンツ上にあなたの顔を映して流しているだけ、というのでは不十分です。何か独創的・創造的な要素を当該IPを利用する作品には加えてください。
オリジナリティーがあること。それこそ人々が見たいものです。もし既存の作品をただコピーして自分のものだと騙ったとしても、そこには何の面白みもありません。あなた自身の色を加えてください。既存のコンテンツについてちょっと解説してみたり(同じく、字幕を付けただけだったり、動画配信を見ながらちょびっとコメントするだけだったり)といったものでは不十分です。
オリジナリティーあるものによってコミュニティを盛り上げようとしてもらいたいのです。信じてください。オリジナリティーあるものを創ることにこだわれば、その作品は人々から愛されるでしょう。当社は、既存のコンテンツと共食いすることを防ぐため、自社の作品を自動的に識別するサービスを利用する権利を保持しています。
※訳注)「cannibalization(共食い)」が具体的に何を意味するのかよくわかりませんでした。正規の動画がコピーされた動画によって権利削除されたり、再生数をコピー動画に奪われることを比喩的に表したものかなと思いましたが、とりあえずそのまま「共食い」と訳しておくことにしました。
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4. Can I use VShojo’s logos or trademarks?(VShojoのログや商標を使ってもいいですか?)
要約──当社は、VShojoとあなたのプロジェクトの間に何らかの公式的なつながりがあるのかどうかで人々を混乱させたくありません。当社としては、ただ、VShojoのプロジェクトとそうでないものを、周りからみてハッキリ区別できるようにしたいのです。
当社との書面による合意がない限り、VShojoのロゴや商標はどのようなものであっても、プロジェクト内・Webサイト・広告・動画・その他出版物において利用することを認めていません。ドメイン名、ソーシャルメディアのアカウント、またそれに類するVShojoのあらゆる商標・商号・人物名といったものについても、登録してはいけません。当社の商標やIPに関連する名称を、キーワードやインターネットの検索タグとして使用することを認めません。
また、音楽、動画、画像に限らず、VShojo社または所属タレントが公式な配信方法で制作・配信された素材については、どのようなものであっても使用することを許可しません。これは、当社の知的財産の無断使用に当たるものであり、VShojo及びその提携先によって制作された著作権あるものを使用した製品やサービスを、偽物であるとみなします(当社は、本物の公式絵やグッズだとファンの方々に勘違いさせたくありません)。
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5. Is NSFW content ok?(いわゆる「閲覧注意」な内容でもOKですか?)
「閲覧注意」なコンテンツであっても制作・発表して構いません、ただしそれは非営利であり、かつ、上述したように独創的な要素がある場合に限られます。
※訳注)「NSFW」はNot Safe For Work(職場で見るのは危険)の頭文字を並べたネットスラングです。意味を調べてみたところ、裸、ポルノ、暴力、下品な言葉などの要素を含むショッキングな内容のものを指すようです。公式ホームページの日本語訳では「NSFW」を「18禁やエロを含むコンテンツ」と訳しており、なんとなく裸やポルノ関係のことを念頭にしているような気もしますが、バイオレンスなものや下品な言葉が使われているものも含めているかもしれないので、少し曖昧に『「閲覧注意」なコンテンツ』と訳しました。
とは言え、「閲覧注意」なコンテンツは、見たくない人に見せないよう配慮しましょう。投稿する前には、あなたのプロフィールを見れば「閲覧注意」なコンテンツを投稿することが明確にわかるようにしてください。当該コンテンツをソーシャルメディアに投稿するつもりなら、これは当社にとって特に大切なことです。共有するプラットフォームのガイドラインには従ってください。
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6. Can I share my Project with the community?(プロジェクトをコミュニティで共有していいですか?)
要約――頑張ってください。ただ他の人から見て、公式ではなくファンが制作したプロジェクトだと明確にわかるようにしてください。
もしあなたがプロジェクトを他者に共有するなら、下記の注意書きを記載してください(例えば、プロジェクトのWebサイトであったり、YouTubeであったり、そのほか何であれ)。
[あなたのプロジェクト名]は、VShojoの『権利者に関して。2次創作はOK?誰が作っていいの?それらについて解説します。』に記載されたVShojo素材使用規程の下、制作されたものです。VShojo社はこのプロジェクトに対して支持または後援をしておりません。
※訳注)もし注意書きを載せるときには、上記の自訳した日本語ではなく、必ず公式ホームページ記載の注意書き文を使ってください。
※参考)公式ホームページ記載の日本語版注意書き抜粋
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7. Can VShojo use my Project?(VShojo側は私のプロジェクトを使用できるのですか?)
要約――はい、できます。あなたがいいものを作ったらなら、それを多くの人に見てもらいですし、また、そこから発展させていきたいのです。
すべてのVShojo関係者は、コミュニティによって生み出されるものを愛しています。あなた方の多くがなんと創造的で才能があるか知ることができて、本当にすばらしい気分になります。そのため、関係者はよくファンが制作したいろんなプロジェクトを取り上げて紹介したくなるのです。もし、当社が何か公式でプロジェクトを使いたい場合、そのプロジェクトの作者に連絡をいたします。
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以上です。
翻訳している途中、公式ホームページの日本語訳には原文にはない前書きが文章のはじめに7行ほど付け足されているということに気づきました。(※2022/7/28追記:現在この前書きはなくなっています。)
再度申し上げておきますが、当該翻訳の内容につき正確性を保証はいたしません。また、内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねます。ご了承ください。
─了─
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