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【読書×体験】「店長がバカすぎて」×転職半年

【読書×体験】マガジン

このマガジンは、本の感想が上手に書けない私が編み出した苦肉の策。 読書から得たもので、何かしら行動を起こして体験談として書いてみる、という試みを記したマガジンです。

これほどまでに痛烈、かつ分かりやすく、働く人を惹きつけるタイトルを、私は他に知らないかもしれません。

いや、ひとつだけ。
依然、「半沢直樹」が初めて放送された当時、初回放送前の新ドラマのCMが
「上司が嫌いな全ての人に捧ぐー」
でした。CMを観た私は思わず「ほんなん、見るしかないやーん」と独り言ちたのを覚えています。

その時と同じ琴線に触れたのは、間違いありません。

誰だってあると思うんです。
上司に向かって言わないけど、直接的な言葉は社内でも避けるけど、少しでも、なんというか、「え?」みたいに思うこと。

かなりオブラートを重ねて表現しましたが、だからこのタイトルを見て、書店で手に取る人は少なくないとも思います。
ジャケ買いならぬ、ジャケテイク(表紙を見て、手に取ること。今思いつきました。)です。

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私は、今年6月に転職をしました。
前社に愛想が尽きて、他社へ乗り移ったのです(言い方)

でも、すぐに直面します。
素敵な会社なんて、そんな簡単に存在しないのです。桃源郷のようなものです。

私は入社1週間で、一人のおじさんに理不尽に怒鳴られました。
そして、その人(畏敬の念を込めて、「ヤマさん」と呼ぶことにします)が立ち去ってから、上司に「なんで何も言ってくれないんですか!なんで助けてくれないんですか!私、何も悪くないですよね?!」とか「あのジジイ!」とか悪態をつきまくりました。
とんでもない会社だけど、とんでもない新入りです。

ちなみに、ヤマさんの理不尽な言い方に、私が毅然とノーを突き付けたのが、余計火に油を注ぎまくったようです。よう燃えましたわ。
しかし、この毅然とした態度によって、その後ヤマさんは「俺に口ごたえするやつ」的な感じになりました。
ヤマさん、結構それを気にしているのです。

ここの会社、ヤマさんだけが独特なわけではありません。
クセ者揃いです。クセ者アベンジャーズです。
私は、もしやMARVELに入社してしまったのでは?と思う日々です。

話を本に戻します。
読んでいて、つらかったのです。

主人公・谷原京子は、書店に勤めています。
店長は本当にバカすぎるし、他の店員も近くにいたらストレスになりそうな人ばかり。あー、救われない。なかなか救われない。
谷原京子が救われないから、私も救われない。

その時間が長かったように感じました。

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「バカって言う方がバカ」
子どもの頃に、よくそうやって口喧嘩になったので、脳に刷り込まれている言葉です。

大人になった今でも、悪態ついた自分に、自分が言います。
「バカって言う私がバカなのだ」と。
「もっと周りを見ろ。人を見ろ。その人の一部分だけを見て、簡単に決めつけるな」と。

谷原京子も、本当は周りに助けられたり、救われたりする場面があるのに、バカばっかり見ていて、周りから見た自分を見ることができていないのでは?と老婆心ながら思うのです。

「周りを見ることができて立ち回れている」と思う人ほど、自分が受けている恩恵に気付きにくいのかもしれません。

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転職して半年が経ちました。
谷原京子と同じように、上司の立ち振る舞いを見て、「もうこんな会社辞めてやる」と思う日は正直あります。多々あります。

でもね、まだ何もできていないんですよ。
他人をバカだと思っているうちは、自分も環境も何も変わらない。
変化を求めることこそ、意味がないなと。

だから私は、もう少しクセ者アベンジャーズの中でもがいていこうと思っています。希望がないわけじゃない。

でも、私は谷原京子的ハッピーエンドを期待してはいません。
それを期待するには、私は大人になりすぎて。


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