大きな古時計

私は年中さんになった時、ピアノに憧れた。
理由は周りの女の子達が習い始めたからだ。
ただそれだけの理由で通わせてくれた親には本当に感謝している。
ここで音楽に触れたおかげで私の感受性は強くなり、音楽が大好きになった。

ピアノ教室に通うにあたって、一つ記憶が残っている。それは体験会に行った時のこと。先生に「何か得意な歌はありますか」と聞かれた私は迷わず言った。

『大きな古時計』

当時ハマっていた童謡だ。私は先生の伴奏に合わせて自信満々で歌い始めた。ただ歌うだけではない。なぜか両手で丸を作るような振り付けを添えて歌ったのだ。そう、まるでヨガをしているようなポーズで。そんなことは家でやったことがなかったから、きっと目の前で歌を聴かなきゃいけないママは笑いをこらえるのに必死だっただろう。

そこでは頑張ってこらえていたようだが、家に帰ってパパに大爆笑しながらこのことを話していたのを覚えている。

何を書こうか迷っていたら、突然思い出した記憶だがとても幸せな光景だ。忘れないうちにここに残しておかなければ。

誰に読まれなくてもいい。私は自分の思い出を残しておきたいのだ。この素晴らしい思い出達を。

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