ピンチをアドリブで乗り越える技 18/100(クロス・ボディー)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。


今を読む解像度

ピンチに陥った時、相手が全裸でいることを想像すると良いと言われます。

わたしはこれを実践したことはありませんし、あまりしたいとも思わないのですが…
恐怖心を取り除いて、滑稽さを見出すことによって、心を軽くするという意味だと思います。

べつに全裸にせずとも、相手の人に傾聴するにはどこを見れば良いのでしょうか?

まずは一番、目につきやすいところから始めましょうか。

腕は組んでますか?

足は組んでますか?

足の組み方も様々ですが、身体がクロスしている組み方でしょうか?
それとも開いているでしょうか?
(片方の足首をもう片方の腿に乗せている、男性特有の列車では迷惑な組み方)

一般的に、私たちはほとんど無意識に身体を閉じたり開いたりします。

閉じている(クロスしている)ときは、
心を閉じている
警戒している
緊張している

と考えていいと思います。

逆に、開いているときは、
心を開いている
リラックスしている
自信がある

ボディー・ランゲージは、相手の深層心理を表すメッセージです。

もちろん、これらをある程度意図的に、セルフプロデュース出来てる人もいることは頭の片隅に置いておいてください。

腕に移りましょうか。

腕は組んでますか?

両腕ですか?片腕ですか?

組んではいなくても、テーブルの上で、両手を重ねてませんか?

それとも、腿の下に挟んでるでしょうか?

腕がクロスしているかどうかも、足と同じように読んでいいと思います。

さて、ここまで読んでいただいて
「そんなことは知っている。」
と、思われるかもしれません。

当然です、私たちは、人のボディー・ランゲージを読み取ることができる生物です。そうやって、日常的にコミュニケーションをとっています。

でも、ピンチに陥ったとき、冷静に相手のボディー・ランゲージを、読み解いてみたことはあるでしょうか?

それどころではなくなっていませんか?

脳がキャパオーバーになっていると、良い解決策も見えてこないと思います。

ピンチを切り抜ける為に、まず一番必要なことは、この膠着状態な脳を再起動させることです。その為に、まずは脳の注目を、自分でなくて相手に向けたいです。そうすることで、他のことにも傾聴(5/100参照)をするキッカケとなります。

脳を再起動し、キックスタートさせる。その手段は、なんでも構わないのですが、出来るだけ単純なほうが容易でしょう。
その一案としての、ミラーリングをご紹介します。

最近だと、ネットフリックスのドラマ『初恋』にも出てきた、比較的一般的なものだと思います。
このミラーリング、一般的には相手のボディー・ランゲージを真似するものと捉えられていますが、実はその先があることご存知ですか?

ミラーリングというのは、相手と心を通わせるために意図的にボディー・ランゲージを真似するというものですが、これは私たちが無意識に行なっていることを故意に行おうという手法です。

即興演劇の時は、これを意図的に使うだけでなく、逆手に取ります。

まずは、相手の真似をしますよね。ピンチに陥っているときは、相手のボディーランゲージは閉じていることが多いと思います。
相手に気づかれない程度に真似をするのは難しいのですが、まずはしばらく、わざと閉じたボディー・ランゲージを心がけてみてはいかがでしょうか?

そして、ここからが重要です。少しづつ自分のボディー・ランゲージを開いていってみましょう。そうすることで、自然と相手も無意識に、あなたのミラーリングをして身体を開いていくことを促します。

この手法、自然にできるようになるには、ある程度の練習が必要かもしれません。
でも、ここで重要なのは、今を読む解像度を上げることによって、外に目を向け、「自分ごと」から意識を逸らすということです。

その手法は人それぞれ。

これから何回かに分けて解像度を上げるポイントをご紹介しますので、自然に難なく出来る、自分に合ったものを探してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?