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vol.3 コロナ禍に、それでも開く結婚式とは

雨が降ってもおふたりらしい “あめのちはれ”

今回ご紹介するのは、福岡・天神のQUANTIC(クアンティック)で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令される前の2020年3月14日に執り行われた結婚式です。

『スマートな気遣いでスタッフの話にもしっかり耳を傾けてくださる新郎さま、こうすけさん。とても美しく温かい雰囲気に満ちた新婦さま、はるなさん。私自身初回のお打合せで時間が経つのを忘れて楽しんでしまうほど、すっかりおふたりのファンになりました』と担当プランナーが話すほど魅力たっぷりのおふたり。だけど、天気にはなぜかいつも恵まれず大切な日やデートの日には雨が降ることが多い雨男・雨女なのだと話されていたそう。

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「結婚式は晴れるといいね。でも、雨が降ってもそれはそれで僕たちらしい一日だね」

そう言って笑い合うおふたりがこれから始める生活は、楽しいこともあれば辛いこともあるはず。暗雲垂れこめて心が押しつぶされそうなときには、それぞれがお互いに降る悲しみの雨に見えない心の傘をさし、気持ちを晴らすことができる存在でありたい――。

そんな想いからおふたりの結婚式は“あめのちはれ”というコンセプトで創ることになりました。

そこで、おふたりと相談して決定した招待状の文面がこちら。

大切な皆様へ
この度 私たちは結婚式を行うことになりました
今 私たちが結婚できるのは 皆様一人ひとりと出逢い
過ごせた日々があったからだと感じています
そんな皆様に日頃の感謝を込めてウエディングパーティーを開催します
コンセプトは “あめのちはれ”
二人でいれば雨も止み晴れ間が見える
雨の日に傘をさしかけてあげるように 晴れた空に虹が架るように
手を差し伸べ 支えあう夫婦になれますように(後略)

せっかくおふたりが生み出したコンセプトで、ゲストを想って開かれるウエディングパーティー。定型文の招待状ではその気持ちが伝わりません。私たちは今までにない特別な結婚式にご招待したいのです。

おふたりの“てるてる坊主”が持つ不思議な力

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結婚式当日、ウェルカムスペースにはウエディングパーティーでのお席をご案内するエスコートアイテムが飾られました。もちろん、“あめのちはれ”のコンセプトに合わせて作られたもの。チョコレートの傘にゲスト一人ひとりのお名前が入っています。

そして、そこに添えられた“てるてる坊主”は、前撮りの日にも使われて見事に快晴にしてくれたパワーアイテムです。

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さらに結婚式当日もまたその力を存分に発揮してくれました。朝方は雨模様となっていた前日の天気予報。しかし、11時から始まる挙式の直前に雨はぴたりと止んで晴れ渡る青空に。まさにその名の通りの“あめのちはれ”ウエディングとなったのです。

「結婚式は当日だけで終わるものではなくて、今後のお二人の生活に寄り添う一日であってほしいと思っています。きっとてるてる坊主を見たら『そういえば結婚式のときはこうだったね』と思い出してくれるのではないでしょうか。コンセプトウエディングに込めた想いも振り返ってくれたら本望です」

“あめのちはれ”を担当したウエディングプランナーの東菜穂子はこのように述懐します。

手探りで一緒に答えを探したコロナ禍の結婚式

冒頭でご紹介した通り、この結婚式が執り行われたのは思いがけない事態に世の中が騒然としているときでした。

式の準備を始めたのはその約半年前の2019年11月。おふたりもお忙しい中、心を込めてコツコツと結婚式の準備を進めていたところ、まさかの出来事にこのまま式を挙げることは正しいのか、とても悩まれたようです。

そんな中、おふたりの背中を押してくれたのが「すごく楽しみにしてるよ」というゲストから届いた声でした。

来てくださる方がいるならと予定通り開くことになった結婚式は、感染症予防のための対策をしっかり行いました。事前にお断りをしてスタッフ全員がマスクを着用。入館の際の検温、会場やお手洗い、ラウンジなどの清掃と消毒はもちろん、消毒スプレーを各所に設置し、この内容を再度ゲストの皆さまへアナウンスしました。また、おふたりも当日は消毒液をご持参されていました。

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中には出席を断念された方もいらっしゃいましたが、最終的に約80人のゲストがおふたりのために集まってくださったのです。

「最後にこうすけさんとはるなさんから『式を挙げてよかったです』という一言を頂けたとき、一緒に迷いながらもおふたりのお気持ちや結婚式をあげる意味、ゲストの皆さまの気持ちなどを考えて手探りで決めていった一つひとつのことが間違いではなかったのだと感じることができました。何よりおふたりの人生にとって一度きりのものだから、おふたりが後悔のないようにできたのが嬉しかったです」

東は「正解がないから難しい」とも話します。

未来がどうなるのか、誰にもわかりません。今だからできないことと今だからできることを一緒に悩んで考えて、おふたりにとって少しでも理想に近いものを見つけ出したいと私たちは考えています。

次回、vol.4ではプランナー・東菜穂子の結婚式にかける想いをご紹介します。

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