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『ハンドル交換』がもはや死語となりつつある件

木曜日はクルマ談義です。
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昭和の頃の『クルマ弄り』は、『カスタマイズ』と呼び名を変えて今も健在ではあります。
ただし、30年前と違って『自分で触れる部分』は少なくなり、パーツ交換のハードルも上がっています。
全てのクルマが燃費向上の為に『空気抵抗係数(Cd値)』を押さえたデザインとなり、『エアロパーツ』即ちフロントスポイラーやサイドスカートやリアウイングで武装するニーズが激減しました。
多くの人が『カスタマイズ』の第一歩として手掛けていた『オーディオ交換』も、クルマのセンターユニットが ECU(Electronic Control Unit)+空調+ナビ+AV(Audio & Visual) を一体化したものとなり、好みのナビやオーディオインターフェイスに入れ替えることさえもできなくなってきました。
標準装備された音響に不満がある場合は、ドアパネルを外してスピーカーを取り換えるくらいしかカスタマイズの方法がなく、それさえもECUに内蔵されたイコライザーに支障を与えかねないような状況です。

Volkswagen車の ECU(車載コンピューター兼ナビ兼オーディオ兼テレビ兼ラジオ)

昨今の新車で、車載コンピューターへの干渉云々なしに好きにカスタマイズできるパーツって、タイヤとホイールとブレーキ周り、タワーバー等の補強部材、ポン付けのマフラーカッター。後はフロアマットやUV/IRカットのウィンドウフィルムくらいしか残されていないのかもしれません…(もちろん愛好家の手に掛かれば、灯火類・ホーン・シートからエンジンチューン等も弄れる余地はありますが…)。

そんな『昭和カスタマイズ』の中で私が好きだったのが、『ハンドル交換』です。
クルマ好きを自称している身としては、『ハンドル』ではなく『ステアリングホイール』と呼ぶべきですね。

ステアリングホイールは、アクセルペダル・ブレーキペダルと並んでドライバーの意思をクルマに伝える接点であり、またペダルと違って素手で触れる部分ですので、『自分好み』にこだわり甲斐があるパーツではありました。

1992年頃、AUDI 80-2.3E に付けていた Personal

私が20歳で最初に購入した HONDA Wonder CIVIC では、比較的チープな樹脂製のステアリングが装着されていましたが、偶々丁度ディーラーに、上級車種である ACCORD の新車から外したステリングがありましたので、それに換装してもらいました。
ブルーの樹脂製から黒い本革製になり、グリップが太く握りやすく、また中央のHマークも立体的でカッコ良くなって、独りで悦に浸っていました。

1986年 HONDA Wonder CIVIC 25R の標準ハンドル

2台目に購入した AUDI 80-2.3E については、標準装備が本革製ではありましたが、4本スポークで直径が大きく無粋なものでしたので、NARDI か Personal か悩んだ末に、Personalの3本スポークで小径のものに換装しました。
当時、パワステ・エアバッグは当たり前になりつつありましたが、無謀にもエアバッグ無しの小径に換装してしまいました。若気の至り…(笑)
標準の大径ハンドルによる “dull”な操舵感覚から、小径への変更による “quick”な感覚に変化し、かなり満足度は高いものになりました。

1992年 AUDI 80-2.3E の標準ハンドル

さて3台目の VOLVO V70からは、いよいよエアバッグが当たり前に装備される時代となり、社外品への交換がかなり制限されるようになってきました。
V70 については、標準のステアリングが『本革+ウッドのコンビ』でしたが、折しも時はエコ。まだ『サスティナビリティ』という言葉はありませんでしたが、世界の巨大企業が自然保護への取組みをアピールし始めた頃でした。VOLVOについても前身の VOLVO 850 天然木を使用していたのに対し、V70では『本杢柄の樹脂』に変更されました。
正直コストダウンを感じましたが、交換は思い留まりました。

1999年 VOLVO V70 Classic の標準ハンドル

さて、4台目の Volkswagen Tiguan です。
もはや『ステアリングホイール』は『ハンドル』ではなく、エアバッグを内蔵する場所だけではなく、音響操作やナビ操作や自動運転操作のスィッチを搭載したドライバー・インターフェイスと相成りました。
もはや、社外品に交換する気持ちさえ生じません。
やるとしたら、スポーツ志向の上位モデルである R-Line用のものに換装するしかありません。因みに R-Line用のステアリングに替えるコストは、本体+工賃で数十万円です…

ところで、現状の Volkswagen の標準ステアリングホイールは『D字型』で、そこもお気に入りです。ステアリングホイールの円形の底辺が直線状で、D字形状になっています。
そもそもは、レーシングカーのごく狭いコクピットに乗降する際に、太腿が干渉しないようにステアリング下部を直線にした工夫でしたが、そのデザインが市販乗用車に流用されています。Tiguanのように太腿周りに空間的余裕があるSUVにも採用しているのは、無駄なスポーティ訴求に過ぎませんが…(笑)

2018年 Vokswagen Tiguan の標準"D型"ハンドル

極論を言えば、私が一番好きなステアリングホイールは、1980年代のアメリカTVドラマ『ナイトライダー』に登場した “ナイト2000”(ベースはPontiac Trans-am)に装着されていた、航空機の操縦桿型です。
尤も、国内規定で『サークル状』と規定されている中、車検には絶対に通りません(笑)

ナイト2000 の航空機操縦桿型ステアリング

さて、昭和ノスタルジーに浸りながら『ハンドル交換』について想い出を語りましたが、これからは『自動運転』の時代です。
現状ではまだ人間の手で操縦する余地が残る限りはステアリングホイールの存在価値はありますが、近い将来、『クルマからステアリングが消える時代』が来るのでしょうね。

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