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ケナリが咲いたら春だって

韓国では春の花といえば개나리(読み方:ケナリ/日本名:チョウセンレンギョウ)らしい。
香りはしない。黄金色の4枚の花びらが、細い弓なりの枝の上を等間隔に並ぶ。色味は派手だが、華やかというよりは慎ましいように思う。

レンギョウの花言葉は「希望」「期待」だそうだ。
春にふさわしい花な気がする。

セビンさんが投稿してくれたケナリの写真。
道路際、傾斜のある場所に咲くケナリ。岩肌が見え、葉がすべて落ちた木々に囲まれて咲くケナリ。排気ガスにもPM2.5にも負けずたくましく自生するケナリ。

正直、なんてことない写真に見える。
スマホのノーマルカメラで撮った、画角もそれほど気にしてなさそうな写真。ケナリの美しさよりも、ケナリが生えている過酷な環境の方が気になる。

でもいつもの如く車での移動中に見えた景色を共有してくれただけではない。春のはじまりを共有してくれている。

好きな人が綺麗だって言うから、綺麗に見ようとする。韓国では「春の花」の代表格だというから春を感じようとする。

その写真を見てもすんなりと春だと思えないけれど。
その花びらが白だったらピンクだったら春が来たねって言えたと思うけど。
仕方ないよね、私は日本で生まれて育ったんだし。

生まれた場所が違うだけで共感できないことも、気づけないこともたくさんあるけど、その壁を乗り越えようとインターネットの海を航海するのは楽しい。

春生まれのセビンさん。
ケナリの花を抱いて写真を撮ってみてほしいな。
きっと綺麗に写るよ。ケナリもあなたも。
その写真を見てさ、春だねって言いたいな。

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