チェンソーマンの82話は黒澤明の羅生門だった!!!!
チェンソーマン82話の考察です。
まずおそらく確実だろうという要点をまとめます。
①82話で出てくる扉が二つある。
②主語述語がない曖昧な表現が多い
③子供時代のデンジと思われる人物が2人いる
④結局誰が"デンジの父を殺した"のか
①から見ていきます
82話では作中何度かデンジの夢で出てきた右ノブの扉と
はじめて出てきた左ノブの扉があります
開けられた左ノブの扉
この82話で一番重要なのがこの
"デンジくんのお父さん自殺したんじゃなくてキミが殺したんでしょ"のセリフです
ぼくは最初に読んだときに謎の違和感を感じました。
当初マキマがデンジを追い詰めるためにこの発言をしたと(ぼくも含め多くの読者は)考えたかと思われます。
ただこれはそうじゃないです。
まずこのコマのマキマの顔が見えていません。
マキマは"どこを見ているか"わかりません。
そして一番謎なのが
"この発言を誰がしたのかハッキリしないことです"
実は81話にこんなコマがあります
左下のコマにご注目
現実世界でちゃんとポチタがおはなしできてます(可愛い)
もう一度見てみましょう
なんかみえてくるきがします
これ全部か一部を
ポチタが喋ってるんですよね
全部か一部というのは断定できないからです
あと犯人を追い詰めるような時に
"キミが殺したんでしょ"
はすこし弱いというのも違和感が
"キミが殺したんでしょ、デンジくん"
これならよくミステリーで見られますよね
あとポチタはとびらが開くときに散々
"開けるな"と注意してたのに
このときは注意しません
次に②です
罪を償うときが来たんだよ
え?誰の?って思います。
デンジくんそんなに悪いことましたかね
読者はびっくりすると思います
やっぱりマキマさんは悪い支配の悪魔だから
デンジくんを落ち込ませようとしてるんだと
違います
罪を償うのはマキマなんです
悪そうな顔なマキマさん。ドキッとします
これに騙されてはいけない
左下のコマにご注目。デンジくんの頬を撫でるマキマさん顔は聖母のように穏やかです。
明らかに
マキマさんの顔に描き分けがあります
デンジに触れてるときに優しい顔になることが多いんです
ぼくはマキマは支配の悪魔と契約した普通の人間と考えます
次③
これ面白いです
まず俯瞰的に見てみる
ふむふむ
え!?やっぱりデンジが殺したのー!?
最初読んだときうわー鬱展開と思いました
違うんです
殺したのはマキマさんです
それぞれのコマの顔や等身や目鼻立ちの特徴を比較してみましょう
この2人顔違くないですか?
右の方あきらかに
女の子ですよね
よく見るとかなりの美人です
目がマキマさんにとても似ている、、
左の顔はいまのデンジくんの特徴と一致します
右の女の子全然驚いた様子がないです
次
酔った父親に-のコマは明らかにデンジ父を殺した犯人で間違い無いでしょう
ちょい微妙ですが上の子と顔が似てませんか?
少なくとも
左の男の子と顔が違うのは明らか
実は子供時代のデンジと子供時代のマキマが描かれているのです
デンジの顔は一コマだけ
あとは全部マキマさんです
ほぼ決定的なの
影になってる男の子はデンジでしょう
等身が低いですね
五歳ぐらいかな?
この子と比較
82話でかなり印象的なコマ
こんなに堂々としてるのに騙されました
同じ子に見えますか?
まず靴の色が違うこと
そして顔が全然違います
ほら
2人の顔がそっくり
マキマさん泣き腫らしたような目をしてますね
でも表情は穏やか
作者の熱量を感じます
唇ぷっくりでセクシーなマキマさん
右の子の唇が完全一致
この件についてはこれが伏線かな
人の身体のパーツの固有性ですかね
その人を特定する
歯形とかもそうですよね
えっちなシーンに見せかけて
実はマキマさんかなり必死に自分の思いを伝えようとしてるんです
そうなってくるとひとつ気になることが
いまのマキマさんと
子供マキマさんの髪の色が違うこと
まあ髪の長さは身体の特徴として捉えられないとでこの際は置いておきましょう
いまのマキマさん
可愛いマキマさんがいっぱい
これオフィシャルかな?不明ですが
たぶん公式に
まきまさんの髪色は赤です
赤、、
どうしても赤って
某国の国旗とか
ナチスのアレとかを想像しちゃうのは僕だけでしょうか?
これは根拠はないけどね
赤い国旗って社会主義、共産主義の象徴ですが
支配の悪魔が国旗の色を決めた
と考えたらどうでしょう(逆転の発想)
自分の髪色と同じ色にしちゃったってこと
あんまり赤に意味はない
他の国は支配の悪魔を受け入れたってアメリカ大統領も言ってました
補足で面白い発見をしました
ソビエトとロシアの国旗のデザインです
ソビエト
なんか貼り方が変になっちゃった
支配の悪魔が支配してるから国旗が赤いままなんです
④ですー
そしてさりげなくも一番確信にせまるこのセリフ
酔った父親に殺されそうになって仕方なく殺したんだよね
はマキマさんのセリフでしょう
これはどういうことだろう
マキマさんはデンジくんのお姉ちゃんだったんです
ぼくも含め読者は全く気づかなかったけど
マキマさんはデンジくんに
"私はデンジくんのお姉ちゃんで私たちの父親は私が殺しました"
ということをポチタに促されて懺悔したのです。
続き
その他の気になる点です
やっと扉を開けられた
開いたのはデンジの扉ではなく、マキマの扉でした
次のセリフ
パワーちゃんを殺すの手伝って
早川くんも助けられたかもしれないのに殺して
です。
これもしデンジに言ってるなら大きな矛盾があります。
パワーちゃん殺しはまだわかりますが、
早川くんはデンジが助けることは不可能だったからです
パワーちゃん殺すの手伝ってがひっかかります。これも面白い解釈があります。
81話のこのコマです。
私がパワーちゃん殺すから
この吹き出しが
ポニーテールの縛られてるところから出てるんです
縛る=支配=bind
偶然かもしれないんで他も確認しましょう
84話
先になっちゃうけど
そんな悪い悪魔と日本の総理大臣が契約すると思いますか?
これ誰が話してると思います?
マキマだ!マキマは支配の悪魔なんだ!
って思いそうだけど違う
これは
支配の悪魔が話してるんです
完璧な法則ではないかもですが
マキマさんの縛られてる髪から出てる吹き出しは
支配の悪魔が話してます
そして一番怖いこれ
ぱん
悲しいシーンなので
パワーちゃんは載せません
でもこのマキマさんの顔が無表情で残忍ですね(可愛い)
やっぱり吹き出しはヘアゴムのあたりから出てます。
わざわざヘアゴムのあたりから吹き出し出す必要ないですよね。
改めて確認
デンジくんがパワーちゃん殺しを手伝ってというのは筋が通ります。ただ
手伝うというにはただドアを開けたというのは何だか脅迫にならないように思われます
これは
マキマが支配の悪魔がパワーちゃんを殺すのを手伝った
と解釈すべきかと
最後にちょっと面白いことに気づいたので書いときます
ポチタのセリフについてのある法則です
これどれがポチタのセリフか見分ける方法を見つけました!
こちらのコマをご覧ください
さ、、、デンジくん
と
デンジ
の文字の太さ?(ぼくは字体とかには詳しくないですのでわかりませんが)が違うように見える
ほんとに微妙な差異ですが
これを参考にこの二つのページを見てください
ポチタのセリフは他の言葉よりも
ちょっとだけ太い字体が使われるんです
端的に書いてみましょう
マキマ
「私、、、キミの昔の事を調べたんだ
子供の脳って凄いよね
嫌な記憶を扉の向こうに隠しておくことができちゃうんだから」
ポチタ
「生きるために扉の奥に隠したんだよね?
そうじゃないと普通の生活が出来なくなっちゃうから」
マキマ
「デンジ君のお父さん、自殺したんじゃなくて」
ポチタ
「キミが殺したんでしょ」
と思ったんですが待ってください
また一段階あります
藤本タツキは天才だな
この絵
ドアのクローズアップと同時に文字も大きくなってます
目の錯覚を利用したトリックです!
ただしくはこうです
マキマ
「私、、、キミの昔の事を調べたんだ」
「子供の脳って凄いよね
嫌な記憶を扉の向こうに隠しておくことができちゃうんだから」
マキマ
「生きるために扉の奥に隠したんだよね?
そうじゃないと普通の生活が出来なくなっちゃうから」
マキマ
「デンジ君のお父さん、自殺したんじゃなくて」
ポチタ
「キミが殺したんでしょ」
このトリックは本当に上手いし
なおかつ漫画的な技法です
ポチタが最後に一言だけ
キミが殺したんでしょ
というだけで犯人が明確に誰かわかるロジックになっています
誰が犯人かいう必要はありません
デンジくんの左胸の前にはマキマの顔があります
ポチタがキミといって指し示すことができるのはマキマだけなのです
こっから少し自信ないですが自分なりの
マキマさんの名前の秘密の仮説
マキマ
マ≠マ
ママが違う
腹違い
意味深に何故か太字になるマキマ
そして
デンジくん"みたいな"人
そう、弟だからデンジくんではいけないのです。
このコマからマキマさんはデンジくんが弟であることを最初から知っていたことになります。
多面的な漫画表現
私、、、(この、、、がとても良いですね。言葉にできない感情が含まれてるようで)キミの昔の事を調べたんだ
調べてデンジを見つけて近づいたということ
僕が一番見事だと思ったコマです
左下のマキマさんどういう表情に見えますか?
嘲るようにも、憐れむようにも
泣き出しそうにも見えませんか?
結論
マキマがデンジくんの父を殺した
あとは気になるこの発言
ぼくここはあんまり重要とは考えてないんだよな
なんでかっていうと
支配の悪魔は地獄耳
小動物の力を借りて話を聞いていたのでしょう
何でもお見通し
では無かったんです
これを見てください
これを支配の悪魔は契約だと言ってるんだな
これは約束でしょう
契約するときは契約するといわないと分かりませんよ
マキマさんも言ってたよね(支配の悪魔だけど)
そう、契約すると言わなきゃいけない
支配の悪魔は傲慢であり
少々思い込みが激しい性格なのか(笑)
それとこれ
約束じゃなくて契約だったんだよ
支配の悪魔にはなぜデンジがポチタと合体してこの状態になったか?
理由が理解できてません
そうじゃないと
約束じゃなくて契約だったんだよ
なんて言わないです
なぜなら
ポチタはきちんと
これは契約だ
と明言してるからです
支配の悪魔はこの会話を聞くことはありませんでした
なぜならポチタは
支配の悪魔が契約内容を聞いて契約破棄を狙うことなどさいしょからお見通しだったのです
そのためこれを現実世界の会話ではなく
テレパシーで行ってます
ここからはぼくの推論ですが
ポチタは神様なんです
支配の悪魔は神の命を狙う堕天使だと思われます
堕天使ルシファ
最後に
ネットミームになりそうなあのシーン
爆笑するマキマ様
マキマさんこえー!悪い女だなあー
ってみんな口を揃えて言ってますが
この前の場面を見ます
これユメ?とデンジに聞かれてデンジの膝に寝転がるマキマさん
正直側からみるとワケワカリマセン
奇行というか、エキセントリックに見える
でも、これそうじゃないんだよね
ぼくはここが見てて一番辛い場面です
笑いながら泣くマキマ
エキセントリックな性格が露わになったと思われそうだけど
ぼくは
デンジにユメ?と聞かれて
精神的に辛くなったマキマが支配の悪魔に体ごと乗っ取られそうになったためデンジの膝にたおれこんだのではないかと。
そしてこれはのちの告白の伏線なんだけど
デンジにはチェーンソーの心臓があります。
チェーンソーの力は支配の悪魔(というか悪魔自体の能力)を切る力がある。悪魔の力が無効になるんです。
あんなに強かったボムちゃんの力が無効になってます
笑っているのは支配の悪魔で
泣いているのがマキマさんなんです
とくにこの下のコマが一番悲しい
というか表情の描き方が天才的です
相反するふたつの人物
マキマさんと支配の悪魔が
お互いの感情を爆発させたシーンなんです
マキマの本当の感情はこのシーンの前後に隠されてます
マキマさんが赤ちゃん化?
幼児退行したようなポーズ(明らかにデンジに甘えたらように見える)
マキマさんはたぶん支配されてなくても
ギャップがかなり激しいタイプww
子供のような泣き顔
こんなにころころ表情が変わる話は82話のみです
それだけこの話がチェンソーマンで一番重要だということ
マキマさんは支配の悪魔ではない!!!
弟大好き甘甘お姉ちゃんです!!!(結論)
雑観
ミステリーとしてチェンソーマンを考察する人って意外にいないんですね。
まずマキマはなぜこんなことをしたのか。
自分が死ぬことがわかっていたから
結果論ですが85話で現実となってしまいました。
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