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世にも奇妙な世界のはなし

2年前の話だ。

会社を辞めて時間があったので、タイのプーケットに妻と旅行に行った。

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プーケットと言えば海である。

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しかし、何日も泳いでいると数日で飽きてしまった。。

海以外に何かしたいと、現地の旅行代理店に行った。
ツアーガイドからとある場所に行くことを勧められた。

プーケットでは定番の観光名所であるとのことだ。


その名も

プーケットファンタシー

英語ではPhuket Fantaseaであり、ファンタジーとSea(海)を掛け合わせている。

既に危険な匂いがする・・・

危険な匂いはしたが、他にやることもないので行くことにした。


プーケットファンタシーとはテーマパークであり、
メインは20頭の象によるステージショーだそうだ。


象のショーが始まる前は隣接するテーマパークで遊んだり、ディナーができるらしい。
とりあえず僕は、ショー、テーマパーク、ディナーのチケットを購入した。



翌日、送迎のバスがホテルに迎えに来た。
バスの中は既に様々な国の人たちで、プーケットファンタシーがいかに有名かということがわかった。

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こうして様々なホテルでお客を拾って周った。

1時間後、プーケットファンタシーに到着した。

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丁寧に日本語のパンフレットもあった。
これは期待できると、僕の期待値が上がった。

そして入場ゲートに着いた。

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目がチカチカする。
これ本当に中に入って大丈夫だよね?と僕は振り返る。

と言っても、既にお金は払っているので入るしかなかった。


中に入ると、見たこともない不思議なキャラクターたちが迎えてくれた。

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きっと彼らには名前はないのだろう。
とりあえず、作りましたみたいな。

パーク内にはお店があり、ゾウをモチーフにした様々な商品が売られていた。

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これ以外にもゾウをモチーフにした様々な商品が売られていた。

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途上国あるあるである。

興味深々で売店を見ながら歩いていると、奇妙なキャラクターに遭遇した。

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恐らく、パークのキャラクターである。

なんだあれは・・・

ディズニーランドであれば、歩いているキャラクターはお客に囲まれるほど人気である。みんなに写真を撮られたりして身動きが取れなくなる。

しかし、ここのキャラクターは誰からも相手にされていないようだ。
相手にされなさ過ぎて、開き直って普通に人間として歩いている。

あまりにも普通に歩いているので、
この設定はキャラクターなのか?人間なのか?
見ているこっちが混乱をしてしまう。

そんな彼(キャラクター)の写真を僕は撮っていると、

彼は僕の存在に気づいた。

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こっちに向かって歩き始めた。

あ、近づいてきた!

どうしようか・・・

うぁ~

これはめんどくさいパターン・・・

絡まれてしまう・・・

逃げ出したい・・・

と僕は心の中で思った。

僕の微妙なリアクションに彼は何か感じたのであろう。

すごく微妙な距離でストップして、ポーズをしてくれた。

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これが本当のソーシャルディスタンスである。
ソーシャルディスタンスとは『社会的距離を保つ』という意味である。

この当時はコロナはなかったが、
彼は本能で、これ以上近づくとお互いが不幸になると悟り、社会的距離を保ったのだ。

僕は、彼のポージングの写真は一切欲しくなかった。
しかし、キャラクターにポーズをされたからには、こっちも礼儀として写真を撮らなければならない。
こうして、僕が社交辞令で写真を撮ったのが上記の写真である。

その後、僕は形式的にOK!と言い、
(写真も確認せず、何がOKかわからないが)
彼も形式的にそれを聞いて、通り過ぎて行った。


こうして、お互いが傷つくのを避けたのであった。

仕事でもこれに似たようなことはよくある。


ディナーまで時間があったので、
今度は景品がもらえるミニゲームをする場所に向かった。



そして、着いたのがこちらである。

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竜の口であった。
入口のデザインはなかなかすごいが、
それよりも気になるのが、何か白い傘を持って立っている人がいる。

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世の中には我々の知らない仕事がたくさんあるのだ。

ツッコミ始めるとキリがないのでそれをスルーして竜の口の中に入った。

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口の中に入ったはずなのに、中はなぜか深海の設定であった。
これぞ、ファンタジーである。

船酔いではないが、色合いに酔ってすぐに出てしまった。


他にやることもないので少し早いがディナー会場に向かった。

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そして、ディナー会場に着いた。

先ほどの深海からの違いがすごい。
立派な建物で黄金に輝いていた。

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中に入るとさらにすごかった。

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あまりに広すぎて奥がよく見えない。天井には雲がある。

ご飯も種類が豊富でタイ料理やパスタなどの欧米料理など様々なものがあった。

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食事はビュッフェスタイルだったので、
僕は少し食べ過ぎてトイレに向かった。

トイレは個人的には楽しみであった。

というのも、
ディズニーランドはトイレでも、お客を現実世界に戻さないように、
なるべく現実に戻さないようなデザインがされている。
(近代的なものをなくしたり、見えなくしたり)

プーケットファンタシーではどういったデザインなのだろうか?
そこまでお金がなくて、トイレのデザインは普通かな?


そして着いたトイレがこれであった。

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僕を現実世界に帰してください。

トイレをするのだが、罪悪感を感じてしまう。
小学生が大便をするのと同じ感覚だ。


ディナーが終わって、
今回のメインである象のショーの時間になった。




象のショーはメインステージがある建物で、ディナー会場とは違っていた。




ディナー会場を出発して、メインステージがある建物に向かった。





そして、着いたのがここである。



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今から魔王を倒しに行くのでしょうか?

え、これ、怖すぎない?
小さい子供泣くでしょ。
なぜか、ここだけ作り込みがすごい。
象がゾンビみたいになってるし。

先ほどは天国の様な場所だったのに、ここにきて急に魔界。


そうは言っても、男というのはゲームの影響もあって、
こういった魔界のダンジョンみたいなものは好きである。

建物の中はどうなっているかの期待して、

恐るおそる、中に入ると・・・

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速攻で近代的にカメラを没収された。


象のショーはカメラが禁止されていたため、
撮影をすることができなかったが、ショーはとても面白かった。

ステージに約20頭の象が登場したり、観客席の近くを象が歩いたりと、
他では味わうことができない経験であった。

ショーが終わって外に出ると夜になっていた。

夜になり、先ほどのステージの建物がライトアップされたので写真を撮った。


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やはり魔王城であった。

ショーも終わったので、帰るためにエントランスに向かって歩き始めた。

夜になってテーマパークのオブジェの不気味さに磨きがかかっていた。

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また、オブジェの不気味さとは対照的にステージは明るくダンスショーが行われていた。

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コンセプトがわからない・・・


こうして足早に、エントランスに向かった。

出口が近くなり、油断をしていると、、、

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再び、彼に遭遇。

今回もソーシャルディスタンスを守って、手を振って見送ってくれた。

こうして僕はプーケットファンタシーから脱出したのだった。



プーケットファンタシーは確かに名前通り、
ファンタジー溢れる場所であった。
ホテルに戻った後、ガクンと疲れたが、とても刺激的であった。


コロナが落ち着き、また旅行ができるようになったら、
是非一度行ってみてください。


そこにはソーシャルディスタンスのお手本があります。

おわり

サポートされたお金は、途上国の映画を観ることができない子供たちに映画を上映する活動に使わせていただきます。