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誕生日の朝。

1月8日。誕生日の朝。

冷蔵庫にあるの牛乳を確認したら切れていたので、牛乳を買いに近くのドラッグストアに向かった。快晴の空の下、足元を見ながら歩いていたら、小鳥が轢かれた様子で死んでいるのが目に映った。わたしは立ち止まらずに歩いた。あとであの小鳥を埋めよう。あのまま置いておくのはかわいそうだ。牛乳を買って家に戻る。家にあったゴム手袋を見つけ、誰のものか聞いた。お母さんのものだった。

「これ使っていい?」
「何に使うの?」
「下で鳥が死んでた」
「ゴム手袋が汚れちゃうから、ビニール袋で掴んで包めばいいじゃない」

わたしはゴム手袋をはめて、その上からビニール袋を被せた。

玄関で靴を履いていると「どうしたの?」と父が聞いてきた。「鳥が轢かれてた」と返したあと、わたしは自宅の階段を降りた。

小鳥がいる道路横の花壇を手袋を付けた手で掘ろうとすると、土は固く手で掘るには掘りづらかった。父がタバコを吸いながら降りてきて、様子を確認しに来た。わたしが土を掘るのに夢中になっていたら、いつのまにか父はどこかへ消えた。しばらくして戻ってきた父は「それじゃいつ掘り終わるかわからない」と木の棒を持ってきて代わりに掘ってくれた。

「どう?」
「それくらいでいいんじゃない?」

わたしは小鳥の体を持った。血が固まって地面から剥がすのが少し大変だった。両手でそっと小鳥の体を穴のなかに置いた。「小さいから見えなかったんだろうな」と言い父が土を被せる。

視力が落ちているわたしは、このときメガネをかけなかった。小鳥を直視するのが、少し怖かったのだと思う。


どうか安らかに。わたしたちは日常に戻るよ。

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