ビンボーになると、プライドなんて……
ごきげんいかがですか? ビンボー作家のソウ マチです☆
ビンボーなので、カッコつける余裕なんてありません! ヘンな髪型だろうとお洋服に穴が空いていようと、食べてゆくのに必死です!
そんなワタシがさらにビンボーになって、短時間バイトからフルタイムの仕事に応募しました! とにかく生活を安定させないと生きてゆけない!
専業作家になりたいという夢は、ひとまず横に置いておくよ! 衣食住を確保しないと夢は語れないんだ!!(← これが現実)
ところが合否のカギを握る本部長が異動することになった! ワタシ、どうなるのですか!? いつまで待てばいいのですか!? ダメだったら転職しないといけないのです! すぐに仕事が見つかるとは思えないし、生活が破綻するのは時間の問題なのです!!
不安な気持ちでアタマがおかしくなりそう! どうやら後任の本部長が来るのはもう少し後らしい……。新任の本部長にはたくさん仕事があるだろうし、いつまで待てばいいんだ!? どうすりゃいいんだ!?
そう思いながら働いていると、倉庫へ行くよう言われた。なんでだよ! 今はレジが忙しいんだ!! イカイカしながら倉庫へ行くと、そこにいたのは本部長でした!!
なんと本部長、わたしのためにわざわざお店まで出向いてくださったのです! お忙しいのにすみません! ありがとうございます!!
そして本部長が口を開きました。
本部長:勤務時間を長くしたいというご希望ですね?
ソウ :はい!!(← 食い気味の返事)
本部長:一つだけ心配なことがあります。
ソウ :なんでしょう!?(← 前のめりの返事)
本部長:ソウさん、以前に黒上司のことで僕に進言してくれたでしょう?
ソウ :?? ええ。ご本人に言っても改善されなかったので、黒上司の上司である本部長にお伝えしました。それが、なにか?
イヤな予感がする……。
本部長:短時間の時もソウさんは黒上司のことで悩んでいらしたから、長時間になるとご負担が増えるのではないかと……。僕はソウんさんのことが心配なのです。長時間になっても、大丈夫ですか?
ワタシは腹黒い人間です。額面通り受け取ればいいのに、裏を読みたがる。今回も額面通りに受け取って「本部長がワタシの心配をしてくださっている! なんてお優しい!」そう思えばいいのでしょうけれど、ワタシがこのお言葉から受け取った裏の意味は…………、
「お前、長時間になりたかったら、おとなしくしとけよ? 前みたいにいらんこと言うなら、採用せんぞ? 今ここで『大丈夫(私はおとなしくしておきます)です』って言えば、採用してやろう」です(;^ω^)
「黒上司ともめたりしません♪ 大丈夫です♪」そう言えば採用される。ぜがひでも採用されたい! ここはプライドを捨てて穏便にイイコにしておけば……。
ビンボーの前では、プライドなんてクソみたいなものです。自分のプライドをへし折って隠しておけば、ビンボーとおさらばできる! 食べたい物を食べられるし、路頭に迷う心配もしなくていい! ここでプライドさえ捨てれば…………!!
ソウ :黒上司のことは人として好きですが、仕事でお客様にご不便をかけるのは違うと思います。
本部長:え!?(← まさか言い返されると思っていなかったらしい)
ソウ :黒上司ご本人に改善をお願いしたにも関わらず改善されなかったので、本部長へお願いしました。やり方としては間違っていませんよね?
本部長:…………えぇ、まぁ……。(← ど正論なので反論できない)
ソウ :今後もお客様にご不便が出る場合は、今までと同じように段階を踏んで改善をお願いします。
オレの不都合で訴えたワケじゃないねん。黒上司が自分の都合の良いように動くと、お客様に御迷惑がかかるから言ってんねん。それを黙っていろと言われたら、黙っておけねぇ!! オレはサービス業だ! お客様の利便性を最優先するのが仕事じゃ!! オレは作家として愛する読者さまを、サービス業としてお客様を最優先したいんだ! 大事なお客様を二の次にするなんて、オレのプライドが許さん!!
この時点で採用はあきらめました。結果、私は「無敵の人」になりました(;^ω^) ゆえにその後の話し合いで、私は言いたいことを言わせて頂きました。今まで我慢して黙っていたが、言わせてもらうよ!! そして本部長と私の認識に、多少の齟齬があると判明した。そして本部長はお客様へご迷惑をかけないよう、今後の改善を約束してくださいました。誤解は解けましたが、私がうるさいヤツだという事実は残った(;^ω^)
本部長:合否の話は一旦持ち帰らせてください。
ソウ :わかりました。
やっぱり「お前、いらんこと言うなよ」っていうけん制だったんだ。そうじゃなければ持ち帰る必要なんてないもの。
ビンボーだからプライドなんて捨てれば即決で採用だったのに、保留にされてしまった……(´・ω・`)。でもビンボーでも守らなきゃいけない一線はあると思う。自分の保身のために、大事なお客様の不都合に目をつぶるなんて、おかしいと思う……。それは私のプライドが許さん!!
自分でもメンドクサイです(涙)。そんなプライドはドブに捨ててしまえと思います(涙)。でも衣食住よりも、もっと大事な何かを守りたい。
はぁ~! いらんプライドのせいで不採用になったかも……。次の仕事を探さないと……。どうやって探そう?? またいじめられたら、どうしよう!? いやだなぁああああああああああ!!!!!!
すると黒上司から呼び出されました。なんや!? ケンカか!? 受けて立つ! 売られたケンカは買うぜ!! ガチガチに緊張して行ってみると……、
黒 :ソウさん、本部長に長時間の希望を出したんですよね?
ソウ:はい(なんだ!? 不満なのか!? やるならやるぞ! かかってこい!)
黒 :いつからがいいですか?
ソウ:はい?????
黒 :長時間のシフトに変更するのは、いつからがいいですか?
ソウ:えええ!? 本部長は一旦持ち帰るとおっしゃったので、私は待っている状態ですが!?
黒 :その後に合格という結果になりました。ソウさんに変更の希望を聞いて、シフトに反映するよう指示を受けています。いつからがいいですか?
ソウ:それなら今週から……。
黒 :わかりました。
…………長い間苦しんできたビンボーから、あっけなく脱出できました…………。もうこれで生活の心配をしなくていいらしい…………( ゚д゚)ポカーン…………
いまだにピンとこないのですが、わたし、もうビンボーじゃないみたい……ですよ?? 長時間になれば余裕で生活してゆけますし、資格を取ればさらに時給がアップする。もうトイレットペーパーを買うか買わないか(いや、トイレットペーパーはすぐ買えよ!)で悩まなくていいみたい……ですよ??
ビンボーに負けて大事なプライドを捨てそうになったけれど、捨てなくて良かった! あそこで保身に走っていたら、自分をキライになるところだった!! ちゃんと自分を好きなまま、ビンボーから脱出できた!!
さよならビンボー!!!!!!
そういうワケで、足掛け3年(4年かも??)ほど書いてきた「崖っぷち作家の崖っぷち生活シリーズ」は、あっけなく終わりました(;^ω^) カクヨム → なろう → noteでお付き合い下さった皆さま、ありがとうございました(;^ω^)
(了)
まさかビンボーシリーズに終わりが来るとは!! 感無量でございます!! そして今後はビンボーじゃない兼業作家の日常を書いてゆく予定でございます。どうぞ末永くお付き合いください(^▽^)/
サポートも嬉しいですけれど、拙書「姫さまですよねっ!?」をぜひご笑覧くださいませ(^▽^)/ 愉快で楽しい本です♪♪