山場の一日でした。あと、軽く死にかけた。

自著が出版されてから、心に余裕がなくてカリカリしていました。やらねばならないコトがあったためです。それは……、

「伊賀市と甲賀市のすべての小中学校と図書館に、自著を贈りたい!」

おかげさまで1巻と2巻は献本のお許しをいただいたので、すでに寄贈してあります。今度は3巻を贈りたい!

学校や図書館へ献本すると、本の売上は落ちます。1冊でも多く売りたいのに、なぜ自分で自分の首を絞めるのか?

「本が買えない子でも、私の本だけは読めるようにしたい! そして楽しい一時をお届けしたい!」

以前は児童虐待に関する仕事をしていたので、厳しい状況にある子どもたちの事情を少しだけ知っています。本どころか食べ物さえ買えないおうちもある。そんなおうちの子は、本を買ってほしいなんて言えない。せめて私の書いた本だけでも、読めるようにしたい。そしてイヤなことを忘れて、ほんの少しの時間でも楽しんでほしい。伊賀と甲賀の忍者が出てくる本なので、伊賀市と甲賀市へ献本をお願いしていました。両市の学校と図書館は66ヶ所あるので、66冊贈ります☆

今回で3度目です。お世話になっている伊賀と甲賀の書店さま(6軒)へ行ってお礼を言って、注文していた本を受け取って市役所へ持っていく。それだけですが、それだけなのですが……。

「どうやって行くねん??」

以前は彼氏さんが車で連れていってくれました。ところが別れてしまったので(現在、恋人募集中でございます! 我こそはという方はぜひ!)、自力で行かねばならない。そして私は車を持っていない。

車はレンタカーを借りるとしても、運転なんてできるのだろうか?

私は30年ほどゴールド免許です☆ だって運転しないから! だけど今回は自分で運転しないといけない。

カリカリしていた原因は、以下の通りです。

・書店さまや市役所の皆さまに、ちゃんとご挨拶できるのか?
・6か所の書店さまを巡って市役所へ本を届ける気力と体力はあるのか?
・レンタカーって、どうやって借りるの??

考えていると不安でいっぱいになります! ちゃんとできるんだろうか!? 途中で事故を起こしたらどうしよう!? 仕事がフルタイムになったばかりなので、体力と気力も心配!! ちゃんとできるの!?

本が出てから「早く行かねば!」そう焦っていました。そしてついに昨日、決行の日を迎えたのです!

市役所へ伺う日時をお約束するとさらにプレッシャーが増すので、日時のお約束はしませんでした。このため両市から寄贈式をしますという光栄の極みのお申し出を辞退しました。だって偉い方が待っていると思っただけで、胃に穴が空きそうになりますもの!! 行ける時に行くスタイルでお願いします!

事前にネットで四苦八苦して、レンタカーの予約をしました! そしてチャリでお店へ行くと、可愛い軽自動車が待っていてくれました。受付は、バリバリギャルの若い女の子です。体育会系で真っ黒に日焼けして無愛想な感じ……。怖いです(涙)。アタフタしながら手続きを終えて、やっと車に乗り込みます。無愛想な彼女は私が車に乗り込むと、すぐにいなくなりました。ちょっと待って! サイドブレーキはどこにあるの!?

あわてて事務所へ彼女を呼びに行き、サイドブレーキの場所を聞きます。

彼女:このボタンです。ブレーキを踏みながら、このボタンを引っ張って……。

私は機械に弱いので、よくわからない!

ソウ:ちょっと待ってください! 押すの!? 押せばいいの!?
彼女:引きます。
ソウ:なんとなくわかった! それからナビはどうやって操作すればいいですか!?
彼女:メニュー画面から……。
ソウ:甲南のフレンドマートを入力したいです!
彼女:コウナン?? どこですか?

どうやら地元の方じゃないらしい。二人で四苦八苦してやっと入力できました!

ソウ:お忙しいのに、ごめんなさい!

すると無愛想だった彼女が無愛想に言いました。

彼女:ぜんぜん(大丈夫です)。

無愛想だが、怒っているわけじゃないらしい。

ソウ:あぁ、一人じゃ不安だわ! あなたに一緒に来てほしいくらい!
彼女:wwwww

無言で笑ってくれた♪♪ 気分が上がってきました!

ソウ:行ってきます!
彼女:いってらっしゃい♪

慎重に車を発進して国道へ出たとたん、大変なコトに気付いた! サイドミラーが畳まれている! ルームミラーも見えない!! きゃあああああ!!
パニックになりながらコンビニの駐車場へ車を停める! サイドミラーはどうやって動かすんだ!? こうか!? ちがう! これか!? ちがう! これだ!! (←機械に弱い)ルームミラーを調整して、発進! とにかく安全運転で行こう!!

今日の任務は「書店さまを巡って市役所へ本を届ける」です。そんな私が一番に向かったのは「ドラッグストア」でした。なんでか?

人生初の痔になったからです(;^ω^) 人生で最悪のビンボー生活と本の校正と新しい仕事に変われるかわからない不安の末の採用と激務の仕事と登録販売者の試験勉強や試験の延期などストレスMAXな生活を送っていた結果、痔になってしまった(;^ω^) お尻がイタイ……。まだお給料はもらってないけど来月から収入はアップするから、やっとお薬が買える……(← 今までビンボーだったので買えなかった)。

売り場を見ても、どこにあるかわからない……。恥ずかしいが、恥をしのんで店員さんに聞こう。あの優しそうな女性店員さんに聞こう。

ソウ:あの……痔のお薬は……?
店員:はい? なんでしょう?(^▽^)
ソウ:おしりの……痔のお薬は……。
店員:まあ、たいへん! すぐにご案内しますね! こちらです! 何かご不安なことはございますか!? わからないことがあったらお尋ねください!

めっちゃ親切な店員さんでした(涙)。ありがとうございます(涙)。

ソウ:たぶん……わかると思います(;^ω^) ありがとうございます(^▽^)/
店員:なんでもお尋ねくださいね!

今まで40度以上の発熱や、気絶するほどの激痛(←生理痛の激痛で気絶したことがあります)でも「私のプライドが許さない!」そう言って拒んできた「座薬」を購入します。生まれて初めての座薬……。どうやって使うかわからんが、後でゆっくり説明書を読もう。

書店さまのあるスーパーに到着しました。お店に入ると、下着売り場があった。気づけば数枚の下着を購入していました。だってビンボーだから、買えなかったんだもん……(;^ω^) 数年ぶりに下着を買いました(;^ω^)

やっと書店さまに到着です! お世話になっているお礼を言いつつ支払いをすませ、編集長さまが印刷してくださった立派なポスターを差し出す。

ソウ:良かったら、もらってください……(ご迷惑じゃないかしら?)
書店:まぁ! なんて立派なポスター! ありがとうございます!

良かった! 喜んでもらえた!!

この後もすべての書店さまがポスターを喜んでくださいました! 編集長さま、ありがとうございます! めっちゃ感謝されました!!

本を受け取って甲賀市から伊賀市へ移動します。まだ暑さは残るものの、真っ青な空に秋の雲が浮かんでいます♪ 最高のドライブ日和!!
車の運転は、ちゃんとカラダがおぼえていました♪ 景色を楽しんでいても、ちゃんと手も足も自動操縦で動いてくれる♪♪ 

どのお店の店員さんも、すごく親切です♪♪ おかげでちゃんとご挨拶できた♪♪

伊賀市の忍者店長はご不在でした。勝手に忍者店長と呼んでいるこの男性店長さんは、すごく無口で怖い顔です(;^ω^) でも2巻が出たと言ったときは一言だけ「……良かったねぇ……」と言ってくださって、すごく嬉しかった♪ 今回はお会いしたかったけれど、いなかった。残念!

本を受け取って車へ戻ってみると、本の入った袋の中に何かある。なんだ?
お菓子が一つ、入っていました(涙)。店長さまからのお祝いらしい(涙)。無口な方なのでお手紙などはない。でもお菓子だけでちゃんと気持ちは伝わりました! ありがとうございます!

実は1年前に書店さまを巡った時は、9軒あったのです。それが次々に閉店して、今回は6軒に減った(涙)。そして6軒のうち2軒は閉店が確定しています(涙)。出版業界は厳しいという状況を肌で感じる……(涙)。

次のお店は来月末で閉店するお店です(涙)。残念でたまらない……。閉店準備のためお店を閉めていましたけれど、訪ねてゆくとご対応くださった。本当に淋しいです……(涙)。

気を取り直して伊賀市役所へ突撃だ!! 

名阪国道をぶっ飛ばします! もちろん飛ばしたくないです!けれどこの道は高速道路みたいに車専用なので、どの車もぶっ飛ばしているのです! 怖いが周りのスピードに合わせて走らないと危険だから、がんばる!!

左車線を走っていると、10トントラックが左から合流してきました! 右車線には猛スピードの10トントラックが後ろからどんどん迫ってきている! このままだと、どちらかにぶつかる!! どちらにぶつかっても軽自動車の私は吹っ飛ぶ! 軽自動車なので今さら加速はできないし、すぐ後ろにも10トントラックがいるので減速もできない!

わたし、死ぬ!!

その瞬間、私は死を覚悟しました。覚悟したのでクラクションを鳴らすことも減速も加速もしなかった。なぜかわからないですけれど「もう、いいや」と思ったのです。やりたいことはやったし、今までずっと頑張ってきたから、もう死んでもいいや。そう思いました。

それと同時に、トラックの運転手さんたちのことを信じてみた。左右と後ろを10トントラックに囲まれた状態ですが、誰もクラクションを鳴らさない。運転のプロたちがクラクションを鳴らさないということは、どこかに打開策があるはず! 私は運転手さんたちを信じてみるよ!

スピードを保ったままジリジリと右車線へ移動します。私の乗っている軽自動車は2車線の真ん中を走っている状態。左右にトラックが走っているから、少しでも接触すればアウトです。そして一般道なので道幅は狭い。路肩には山が迫っていてトラック2台と軽自動車が並んで走るのは、危険極まりない状態です。でも運転手さんたちはプロだから!! 道幅ギリギリの状態で運転手さんたちは走行します。そして右のトラックが加速して私を追い越したので、スペースができた! 私はそのスペースへゆっくりと移動して、事なきを得ました! 

死ぬかと思った! 怖かった!!(涙)。

なんとか無事に伊賀市役所へ到着しました!!

本を抱えて秘書公聴課の〇〇さんの所へ行きます。今回は岡本市長さまが作中の伊賀弁を監修してくださったので、市長さまへ本を贈りたい! 〇〇さん、はじめまして! 今回はお世話になりました!! この本とお手紙を、市長さまへお渡しください!

市長さまに直接お礼を申し上げたかったのですけれど、ご提案頂いた複数の日時が私の都合と会わず、お会いするのは断念しました。お手紙と本を市長さまへお渡し願います。そしてご担当の〇〇さんにお礼を言えたから満足です!

〇〇:ちょっとお待ちくださいますか?
ソウ:〇〇さんはお忙しいでしょうから、すぐ帰ります!
〇〇:市長が……。
ソウ:??????
〇〇:市長から「ソウさんが来庁されたら、僕に教えて」と言われておりまして……。
ソウ:お忙しい市長さまのおじゃまをするつもりはありません!
〇〇:今なら5分ほど市長の時間が空いていますから……。
ソウ:お会いしなくて結構です! 帰ります! 

以前に市長さまと話が盛り上がって、2時間ほど議会がストップ(!!)したのです! もう二度とやりません!! 反省しています!!

ソウ:ちゃんとお手紙でお礼を述べていますから、お会いしなくていいです!

〇〇さんのお顔が曇ります。そして言いにくそうにおっしゃいました。

〇〇:市長から……、









市長から「ソウさんを絶対に逃がすな!」と言われているのです……。








………………わかりました。恐れ多いですけれど、5分だけ…………。

自分で言うのはアレですが、私は岡本市長さまの大のお気に入りです……。自覚はあります。議会を止めてまでお相手くださったのも、「私(市長さま)でお役に立つことがおありでしたら何なりとお申し付けください」というお手紙を頂いたのも、そのお言葉に甘えて伊賀弁の監修をお願いしたら快く引き受けてくださったのも、私をお気に入って下さっているから……。

私も市長さまが大好きですけれど、私のせいで公務が止まるのはアカンです! オレはすぐに帰るからな!! 

ソッコーで市長室(!)へご案内されると同時に、偉い方々が市長室から走り去って行きました……。市長さまの時間が空いてるなんて、ウソじゃん……。偉い方たちを追い出してるじゃん……(涙)。

市長さまはお立ちになって、私を待っていてくださいました。

市長:お久しぶりです。
ソウ:今回も本当にありがとうございました! お忙しいのにすみません! すぐにお暇しますので!
市長:そうおっしゃらず、どうぞお掛けください(^▽^)/
ソウ:すぐに帰りますから、座りません!!
市長:wwまあ、そうおっしゃらず。ww
ソウ:お礼を言えたので満足です! もう帰ります!
市長:ww お茶を淹れてくれたから、どうぞお飲みください♪

振り返ると、美しい秘書さまがお茶をお持ちくださっている! どんだけ仕事が速いんだ!? そういえば私が秘書公聴課へ入って名乗ると同時に、部屋を出て行った女性がいらした! いま思えば市長さまへ私が来たと報告すると同時に、お茶もご準備くださっていたんだ! 市長さまが「絶対にソウを逃がしてはいけない」と命じていたのは、マジだったんだ!! すぐに帰るという私の行動を見越して足止めするため、ソッコーでお茶を準備してくださったんだ!! さすが忍者の末裔! 心理戦で市長さまに負けた!

ソウ:……せっかくなので頂きます。でもすぐに帰りますから!!
市長:ww まぁ、ゆっくりお茶でもどうぞ♪ 

伊賀のお茶は、甘くて美味しかったです……。でも私はすぐに帰りますからね!!


(まさかの続く)








サポートも嬉しいですけれど、拙書「姫さまですよねっ!?」をぜひご笑覧くださいませ(^▽^)/ 愉快で楽しい本です♪♪