続報アレコレ & きっといつかのお約束。

〇わたしをフッた人気ユーチューバーについて。

クソ田舎のバイト先にユーチューバーらしき男性とスタッフ3人が来て、わたしは5秒でフラれました。そうは言っても彼が実際に有名なユーチューバーかわかりません。彼のスタッフが「彼は有名なユーチューバーだ」 「彼のポケットは大金でいっぱいよ!」そう言っていただけなので、彼はユーチューバーじゃないかもしれない。あれはイタズラだったのかも。こんな田舎に大金持ちが来るとは思えないし……。そう思っていたら、ちょうどその日、ユーチューバーの追っかけたちが町内をウロウロしていたらしい……。本当にユーチューバーだったんだ! そしてわたしはとんでもない大チャンスを逃がしたらしい……(涙)。

〇忍者の続報

#なんのはなしですか  という路地裏のプリンセス(←暴れ馬ともいう) ゆらゆらミルコさんのお父様が忍者に不思議な術をかけられた、術のタネ明かしを知りたいというお話です。

この記事を公開した後に、伊賀市広報課のAさまから再びメールを頂きました。

Aさまが市長さまから言われたらしいです。
市長:武器のサイで日本刀を受け止めて曲げる技があるが(鉄棒をグニャグニャに曲げたのは)ああいうコトかもしれない。

それを聞いたAさまが、わざわざそのシーンの動画のURLを送ってくださいました。Aさま、ありがとうございます!! そのURLをコピペできなかった(←わたしはバカだから)ので、その動画のロングバージョンを下記に貼ります。最初はモタモタした動画ですけれど、30秒だけ待ってください! その後はめっちゃカッコイイですから!! 

秘伝伊賀流忍術の奥義 日本語ver. (youtube.com)

この動画にサイ(Ψ←こんな形の武器)で日本刀を曲げるシーンがあります。これ、実は凄いことなのです! 日本刀は鋼なので、こんな風に曲げるのは至難の技なのです! 拙書を書くにあたってその辺のことはお勉強しました! 本はアホみたいなことばっか書いていますが、その辺はガチで勉強しております! 3巻にもちょこっと日本刀の凄さを書いております!  だからこの動画を見たときビックリしました! 日本刀を曲げようとしても、普通はこっちの武器が折れるか曲がってしまうものなのです! あれだけ日本刀にダメージを与えるなんてサイはすごい!! サイなら鉄棒はグニャグニャに曲がる可能性は大いにある!!

そしてこの動画、サイだけでなく手裏剣や日本刀も本物を使っているらしい……。怖いよ……。手元が狂ったら、相手の手が切れて落ちちゃうよ(涙)。しかし本物を使用しているだけあって、緊迫感はハンパないです!   ぜひご覧ください!

そして市長に言いたい! お忙しい市長さまのお手をわずらわせるのも心苦しいのでAさまにお尋ねしたのに(←Aさまに、またまた迷惑かけたのは謝る! ごめん! でもあきらめてくれ!)、なんで市長のアンタが出てくるねん!? 一回目でも大御所登場でのけぞったのに、再び登場!! ビックリしすぎて腰が砕けたわ!! アンタ、わたしのこと大好きやろう!? ワシら知り合ってもう3年くらいたつやん? わたしがアヤシイ奴じゃないことはわかったろう? もうそろそろ秘書さまをすっとばして、個人的にやり取りできるようメアドを教えてくれないか? 何かあるたびにAさまを通じてお願いするのは気がひけるし、Aさまに尋ねてもアンタが出てくるなら、いっそアンタのメアドを教えてくれ!!

そういえば初対面の一発目の言葉が「伊賀へ引っ越しませんか?」だったのは、プロポーズだったのだろうか? そして拙書の2冊目を伊賀市さまへ寄贈したときに「市長がぜひにと申しておりますので、市長立ち合いの寄贈式を」と秘書さまからご提案があったのは、わたしに会いたかったのだろうか? あの時はギックリ腰の一秒前で、重い本を持って伊賀まで移動してギックリ腰になったら死活問題なので泣く泣くお断りしました。当時はスポーツジムでバイトをしていたので、ギックリ腰で働けなくなったら即、路頭に迷うところだったのです。晴れがましい寄贈式には行きたいが、働けなくなるのは困る! 泣きながらお断りしました(涙)。

そしてその時、お約束しました。「できるだけ早く3巻を出します! そして3巻の時はぜひ寄贈式をお願いします!」あれから1年たって、もうすぐ3巻が出ます! ここまで色々あったなぁ~!! 一時はもう出せないと思ったもんなぁ~(遠い目)! 

市長さまとのお約束は果たせそうですが、別の方としているお約束がありまして……。そのお約束について書きますけれど、笑えるところは1個もありません。笑いとは無縁のお話なので、ご承知おきください。

〇もう一つのお約束

今から1年ほど前、2巻の出版直前に東京へ行きました。当時はコロナのせいで、担当さまと一度も会っていませんでした。

担当:今まで本を何冊も出してきましたけれど、作家さんと会わずに本を出したのは初めてです! 2巻が出る前にぜひ一度お会いしたいです! わたしが滋賀県へ会いに行きます!
ソウ:お忙しいのにわざわざ来てくださらなくていいです! わたしが東京へ行きます!! 東京へ行きたい用事もありますから!!

そして東京へ行くことになり、わたしはあるホテルに宿泊しました。このホテルは長いながい間、ずっと夢見ていたホテルです。たくさんの文豪がこのホテルの部屋で名作を書き、バーで文学論を熱く語った。もしも作家になることができたら、いつかこのホテルに泊まりたい。子どもの頃からずっと夢見ていました。

作家になんてなれないや、夢は叶わない夢だったんだ。いつしか夢見ていたことさえ忘れて、わたしは大人になりました。そして37年後、小学生の頃に夢見ていた作家を目指してお話を書いたわたしは、本当に作家になりました! 作家として東京へ行く! それならあのホテルに泊まりたい!! 夢を実現したい!!

丘の上に立つこじんまりとしたそのホテルは、初めてなのに懐かしい雰囲気でした。何度も読んだたくさんの作品に、何度も登場していたからです。上品な佇まいのエントランス、素敵なプリンアラモードが名物の喫茶室、絨毯を敷きつめた通路、陶器の飾り板の階段、真っ赤なバラが一輪飾られた書き物机、大きな窓から見えるのは東京の喧騒を忘れる豊かな木々、どれも何度も読んだ作品の中に出てきます。そして文豪たちがくつろいだ隠れ家みたいなバー。わたしはこのバーでお酒を飲むのが夢でした。けれど作家としてこのバーに来たかった。だからずっと来れなかった。やっと夢が叶って来ることができた……。万感の思いでした。ところが……、

コロナの影響でバーは日曜日しか開いておらず、土曜日にチェックアウトするわたしはバーへ行けないことがわかったのです。フロントでそれを知ったとき、わたしは泣きそうになりました。やっとここまで来ることができたのに、やっと作家になれたのに……。あまりに悲しそうな顔だったのでしょう。フロントの男性が事情を聞いてくださいました。

フロ:ソウさま、どうかなさいましたか?
ソウ:作家になって、このホテルのバーでお酒を飲むのが夢だったのです。やっと作家になって来れたのに、バーはお休みだから……。
フロ:申し訳ありません。ですがバーをご案内することはできます。わたくしが店内のご案内をして、いくつか興味深いお話もお聞かせできると思います。

このホテルに滞在中、ホテルのスタッフたちが異口同音に言っていました。「わたしはこのホテルを愛しています」。歴史あるレトロでこじんまりしたこの可愛らしいホテルは、まるで生き物のようにスタッフの皆さんから愛されていました。中にはこのホテルで働くために、ホテルマンになった方もいました。ですからわたしがバーに来るのが夢だったと話したとき、すぐに気持ちを理解してくださったのです。

一人でバーを貸し切って、詳しい方からいろいろな逸話を聞かせてもらえる。きっとわたしが何度も読んだ文豪たちの珍しいお話も聞ける。とても魅力的なご提案でした。一瞬、誘いに乗りそうになりました。こんなチャンス、そうそうあるものではありません。きっと一生の想い出になります。でも……。でもこのサービスを宿泊客全員に提供できるかしら? きっとできない。いくらご好意とはいえ、特別扱いはダメな気がする……。

ソウ:やっぱり、いいです。
フロ:そんなことおっしゃらずに、ぜひ!!
ソウ:フロントはお忙しいでしょうし、お時間を頂くのは気がひけます。
フロ:大丈夫です! すぐにご案内いたします!

フロントマンがフロントから出てきて、バーへ向かおうとしました。彼は本当に案内してくれようとしました。

ソウ:いけません! 全員のお客さまにできないサービスを、わたしだけ受けることはできません!
フロ:ですが!?
ソウ:わたし、また来ます! 次の本を書けばまたこのホテルに来ることができます! だから急いで次の本を書きます! その時はちゃんとバーが開いてるか確認してきます! きっと来ますから、お約束しますから、今日はいいです!!

すると彼はニッコリ笑って言いました。




フロ:承知いたしました。またソウさまがご利用になるのをお待ちしております。そしてその時は「お帰りなさいませ、ソウさま」と申し上げます。わたくしもその日を楽しみにお待ちしています。
ソウ:待っていてください! きっとここへ帰ってきますから!!

きっとこのホテルへ帰ってくる。そして今度こそ夢を実現する。文豪たちが愛したバーで、わたしは作家として祝杯をあげる! 待っていてください!
また来ることに決めたので、喫茶室で素敵なプリンアラモードを食べるのはやめました。次のお楽しみにとっておこう♪ だってきっとまた来るから!

本を書くのは気の遠くなる、とても孤独な作業です。一粒ずつ砂をよりわけてそっと積み重ねてゆく。小さな砂粒を積み上げて大きな山にする作業は終わりが見えません。そして一人で孤独と戦いながらお話を紡いでゆく。わたしの書いたお話は面白くないのでは? 愛する読者さまをガッカリさせるのでは? 話が破綻しているかもしれない、どこかに致命的なミスがあるかもしれない……。思い悩みながら自分の力の足りなさを呪いながら最良と思われる一語を探します。何度もなんども。

時には心が折れ、時には狂いそうになりながら机にしがみつきます。どこかにこの本が出来上がるのを待っている方がいる! そしてこの本を読んで楽しい気持ちになって「もうちょっと頑張ってみよう」そう思ってくれる方がいる! きっと楽しい時間をお届けします! 待っていてください!!

一歩進んでは後退して、二歩進んでは頭をかきむしります。とうとう八割完成していたお話を白紙にして、まったく別のお話を書くことにしました。今まで調べた史実や資料は使えなくなってしまった。また最初から新しい知識や歴史を勉強します。でもわたしはやる! だってプロだから!!

一文字、一語の積み重ねを延々と繰り返して、やっと本の形が見えてきました。きっと楽しんでもらえる! もう少しでお届けできます! 待っていてください!! そして本が完成したら、わたしはあのホテルへ帰ります! そして「お帰りなさい」と言ってもらいます! あそこにはわたしの居場所があるの!! わたしはあそこへ帰りたいの!!






ニュースは突然でした。突然すぎて、従業員さえ知らなかった。

「文豪たちの愛した山の上ホテル閉館」

ニュースの見出しを見た時、自分の目が信じられませんでした。あの山の上ホテルが閉館する? うそでしょう?
ホテルの老朽化にともない閉館することになったのですが、発表直前まで従業員に知らせなかったらしい。おそらくホテルを愛する従業員に閉館を知らせれば、いろいろと混乱が生じることを見越してのことでしょう。

「お帰りなさいませ、ソウさま」そう言ってくださると約束したあのホテルマンの男性は、本気だったと思います。彼はずっと山の上ホテルがあると信じていた。ホテルが閉館するなんて想像さえしていなかった。だからお約束してくださったし、わたしが戻ってくるのを待っていた。わたしもお約束を果たすため頑張りました。そしてあと少しで果たせそうだった。でも間に合いませんでした。

だけど……。一縷の希望は捨てていません。どの記事も「閉館」と書いてあったものの、取り壊しや廃業とは書いていませんでした。老朽化を改善すればまた開業できるかもしれない。現在ホテルは閉まっていますけれど、取り壊しはされていません。いつかホテルは再開されるかもしれない。その日まで作家でい続けることができれば、またあのホテルへ帰ることができるかもしれない。そして彼が「ソウさま、お帰りなさいませ」と言ってくれるかもしれない。

37年もかけて作家になったのですから、気長に待ち続けます。そしていつか夢を実現します。文豪たちの愛したバー・ノンノンで自分に祝杯をあげて、山の上ホテルに乾杯します!

夢はまだ終わっていません!!









サポートも嬉しいですけれど、拙書「姫さまですよねっ!?」をぜひご笑覧くださいませ(^▽^)/ 愉快で楽しい本です♪♪