蘭麗共和国憲法二次改正案

前文

自由と友愛を理念とする蘭麗共和国は、この民主的憲法を制定するにあたって、憲法に規定される国民の自由権利と憲法の民主的理念を否定する一切の政治権力と旧社会の権威を否認し、これを永久に排除する。
自由民主的基本秩序の維持・増進及び国民の諸権利の永久の保証は、国家の存立にとって、永久に不変且つ不可欠の基本原理であり、民主的憲法に基づく社会構造と公共秩序全体の基盤である。この民主的秩序を解体し、崇高なる憲法理念を破壊する行為は、如何なる手段を以てしても、如何なる理由があろうとも、如何なる時代に於いても、行為者が如何なる存在であっても、その行為は即ち国家秩序に対する叛逆であり、行為者は国家秩序に対する叛徒とならねばならない。
そして、我々は祖国の永久の安寧と繁栄の使命に立脚して、全ての圧政と不義を打破し、あらゆる陋習を除去し、内には政治・経済・社会・文化のすべての領域において各人の機会を等しくし、自由と権利に拠る責任と義務を完遂させ、国民生活の平等な躍進を為し、外には恒久的な世界平和と人類共栄に貢献することで、我々と我々の子孫の平和と安全と自由と幸福を永遠に確保することを誓う。以上の理念により、立法院の議決を経て国民大会により制定されたこの憲法を、立法院の議決と国民大会により再度改正する。

第一章 総則


第1条 蘭麗共和国は国民の意思に基づく民主共和国である。
第2条 蘭麗共和国憲法は、共和国の最高法規であり、何人も、これを侵害することはできない。
第3条 蘭麗共和国の領土は、国民の総意によってこれを確定する。
第4条 蘭麗共和国国民たる要件は、これを法律で定める。
第5条 蘭麗共和国の国旗は、別途これを法律で定める。
第6条 蘭麗共和国の国旗は、蘭麗共和国国内で尊重される。

第二章 国民の権利及び義務


第7条 何人も、生来の基本的人権を有し、政府はこれを恒久的に保障する義務を負う。
第8条 全て国民は、民族、人種、門地などに関わらず平等である。
第9条 貴族制度はこれを禁止とし、栄典はいかなる特権を付与するものではない。
第10条 国民は法律に基づいた令状のない限り、いかなる逮捕拘禁を受けない。
第11条 国民は、居住及び移転の自由を有する。
第12条 国民は、言論、研究、著作及び出版の自由を有する。
第13条 国民は、政府の活動について、情報を得る権利を有する。
第14条 国民は、宗教信仰の自由を有する。
第15条 国民は、集会及び結社の自由を有する。但し、国民の結社した団体が憲法及び国家に危険を及ぼす団体であると国務院が認めた場合、司法院の決定により解散請求を下す事が出来る。
第16条 国民は、投票権を含む参政権を有する。 
第17条 国民は、請願及び訴訟の権利を有する。
第18条 国民は、生存権、財産権及び労働権を有する。
第19条 国民は、教育を受ける権利を有する。
第20条 国民は、公共の福祉の中で幸福を追求する権利を有する。
第21条 政府が保障する国民の権利は如何なる汎用も許さず、常に公共の福祉のためにこれを行使する責任を負う。
第22条 国民は、勤労及び納税の義務を負う。

第三章 平和主義


第23条 蘭麗共和国は、国際平和を希求し、世界諸国と協調して、この崇高なる目的を達成する。
第24条 蘭麗共和国は、国権の発動たる侵略戦争及び侵略戦争への加担行為を、永久に禁止する。

第四章 大統領

第25条 大統領は、共和国の国家元首であり、憲法に則ってその職務を遂行する。
第26条 大統領は、国民のうちの文民が就任する。
第27条 大統領は、国民の普通・平等・直接選挙によって選出する。
第28条 但し、直接選挙で最高得票者が二人いた場合直ちに両院合同会議を開き出席議員3分の2の出席による投票で最多数得票を得た者を当選者とする。
第29条 大統領は、就任の際、以下の宣誓を行う
「私〇〇〇は、国憲を遵守し、国家を保衛し、国民の自由と、国民の福利を増進し、大統領の職責を、誠実に遂行することを、国民の前で厳粛に宣誓する。」
第30条 大統領の任期は2週間であり、連続で再任出来ない。
第31条 大統領は、代議院の指名によって、国務総理を任命する。
第32条 大統領は、元老院議員のうち、3名を指名する。
第33条 大統領は、国務総理の助言と承認によって、戒厳令を布告する。
第34条 大統領は、憲法及び法律の範囲内で大統領令を発布できる。
第35条 大統領は、国務院の助言と承認によって国会を召集出来る。但し、召集の際には召集事由を明確とすること。
第36条 大統領は、独自の非常任政策委員会を招集できる。
第37条 大統領が職務の遂行が不可能となる、または大統領の弾劾が可決され職務停止又は罷免された場合、大統領代理が就任する。
1,大統領代理は元老院議長→代議院議長→国務総理の継承順位によって担当する。
2,大統領代理は大統領が欠員になった場合、欠員となった日から48時間以内に補欠の大統領選挙を執行しなければならない。その際の大統領選挙の当選者は、前任の任期を引き継ぐ事とする。

3,臨時大統領は、次の大統領選挙に立候補出来ない。
第38条 国民の4分の1の発議と国民投票による3分の2の賛成があった場合、大統領の弾劾は可決される。
第39条 上記の弾劾が可決後、司法院へと弾劾決議は送付され裁判官の5分の3の賛成があった場合、大統領は罷免される。
第40条 大統領は、議員及び国務総理、国務大臣を兼任できない。

第五章 国務院

第41条 国務院は、共和国の行政権を総覧し、憲法及び法律に基づいて、これを行使する。
第42条 国務総理及び国務院は、代議院に対して責任を負う
第43条 国務総理及び国務大臣は、国民のうちの文民が就任する。
第44条 国務総理は、代議院の指名によって大統領が任命する。
第45条 国務総理は、法律に定められた国務大臣を任命する。
第46条 国務総理は、国務大臣を解任できる。
第47条 国務総理は、憲法及び法律の範囲内で、国務院命令を発布することができる。
第48条 国務大臣は、憲法及び法律、国務院命令の範囲内で省庁令を発布することができる。
第49条 国務総理は、国務院命令で国務総理直属の諮問会議を設置できる。
第50条 国務大臣は、国務総理の承認によって、省庁令で諮問会議及び外部部局を設置できる。
第51条 国務院は、国務総理が欠いた時、代議院総選挙後の国会が召集された時、代議院における不信任決議が可決された時は直ちに総辞職しなければならない。
第52条 国務総理及び国務大臣、及び公務員は、蘭麗共和国憲法を遵守する。

第六章 国防軍

第53条 国民及び国家の主権を保護するために、陸海空軍を設置する。
第54条 陸海空軍の総司令官は、大統領とする。
第55条 軍人は、特別国家公務員とする。
第56条 陸海空軍は、総司令官の承認によって、独自に軍令を定めることができる。
第57条 陸海空軍は、共和国の理念を護持し、政治的中立を保つ。
第58条 陸海空軍は、いかなる政治的目的を持って行動してはならず、いかなる政治組織に加担することも許されない。

第七章 国会

第59条 国会は国権の最高機関であり、立法権はこれに属する。
第60条 国会は国民による直接選挙によって選ばれる代議院と大統領経験者2名及び大統領に任命された議員3名によって構成される元老院によって構成する。
第61条 何人も、両院の議員を兼任する事は出来ない。
第62条 国会議員は、文民がこれを務める。
第63条 国会議員の任期はそれぞれ、代議院は2週間、元老院は4週間とする。
第64条 両院は議長を一名、議員の中から選挙する。
第65条 議長は、議決の際投票権を持たない。但し、可否同数となった場合はこの限りではない。
第66条 代議院議員は、国民の直接選挙によって選出する。
第67条 代議院議員の選出方法は、これを法律で定める。
第68条 代議院は、国務総理を指名する。
第69条 代議院は、国務総理及び国務大臣の信任不信任を議決する権利を有する。
第70条 代議院は、大統領令及び国務院命令、省庁令といった政府の命令を拒否する権利を有する。
1. 命令の拒否は、命令発布後1週間以内に決議される必要がある。
2. 命令の拒否は、代議院議員の3分の2の賛成によって議決される。

第71条 代議院は、議員の3分の2の賛成によって、議員の除名決議を行うことができる。
第72条 代議院は、議員の3分の1の議員の賛成によって、強制力をもつ参考人招致を実施できる。
第73条 国民の4分の1の代議院議員に対する弾劾発議、又は国民投票による3分の2の賛成があった場合、弾劾決議は司法院に送付され裁判官の5分の3の賛成があった場合、弾劾された国会議員は失職する。
第74条 元老院は、議員の5分の3の議員の賛成によって、代議院が送付した法律及び条約案に拒否権を行使出来る。
第75条 元老院議員が欠けた場合、大統領の提案によって民議院は後任の議員を指名する。
1,その際、選ばれた議員は前任者の任期を引き継ぐものとする。
第76条 大統領選挙の国民投票で最高得票者が2人いた場合の決戦投票を行う場合、もしくは憲法改正案の審議を行う場合は両院合同会議を開く。
1,その際、議長は元老院議長が行うものとする。

第八章 司法院

第77条 司法院は、法律に則って、裁判を行う。
第78条 司法院は大統領及び国務総理、国務大臣、代議院議員の弾劾決議の審理及び最終決定48時間以内に下す。
第79条 司法院は政治団体及び法律または大統領令、国務院命令が憲法に違反するか否かが議題となったときにはこれを最終的に審査する権限を有する。
第80条 政治団体解散を命ずる判決は司法院裁判官定数の5分の3以上の賛成を得なければならない。
第81条 司法院の裁判官の3分の2が弾劾決議に賛成した場合、78条に書かれた公務員は罷免される。
第82条 司法院の裁判官は、文民が務める。
第83条 司法院の裁判官は、元老院議員5名で構成する。
第84条 司法院以外のいかなる特別裁判は、これを認めない。

第九章 戒厳令

第85条 大統領及び国務総理は国家的非常時に際し、戒厳令を発令できる。
第86条 戒厳令下では、第9章を除く憲法が停止される。
第87条 戒厳令下では、代議院及び司法院は閉鎖される。
第88条 戒厳令下では、元老院は戒厳監視委員会に改組される。
第89条 戒厳令下では、国務総理に全権が移譲される。
第90条 戒厳令下では、戒厳監視委員の身分は、これを保障され、いかなる逮捕及び拘禁等の処罰を受けない。
第91条 戒厳令は、その期間を一週間とし、延長には戒厳監視委員会による全会一致による賛成が必要である。

第十章 改正


第92条 憲法改正は、両院合同会議議員又は国民の4分の1以上の提案又による発議を以て行われる。
第93条 憲法改正が発議された場合、両院合同会議において改正案の審議が行われる。その際の審議時間は最低24時間とする。
第94条 両院合同会議において憲法改正案が総出席議員3分の2以上の賛成で可決された場合、24時間以内に国民投票にかけられる。
第95条 憲法改正に関する国民投票は、改正条項もしくは追加条項ごとに行う。
第96条 憲法改正に関する国民投票は、その期間を48時間とする。
第97条 期間内に投票を行った有権者が、全体の3分の1を超え、そのうちの3分の2が改正案に賛成した場合、憲法を改正する。
第98条 有権者の3分の2が、改正案に賛成した場合、その時点で投票を打ち切る。
第99条 憲法改正が決議された場合、大統領は直ちにこれを発布する。
第100条 憲法第1、2、6、7、23、24、95条の効力に影響を与える改憲は、これを禁止する。

第十一章 移行措置及び雑記


第101条 憲法施行後、第1期の元老院議員のうち半数の3名は、代議院がこれを任命する。
第102条 代議院が任命した元老院議員の任期は、これを2週間とする。





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