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フィットデータを活用したハンドル交換


先日のRSLハンドルの記事はこの写真のライダーの要望で仕入れたものです。スズキも使用していますし、他のお客様も気になり出しているようです。


定期的にLEOMOを使用したフィッティングを受けて頂いてます。フィット時には純正の380mm幅のハンドルを使用しています。データ上はまとまりの良いフォームですが少しだけ体格に対してハンドル幅が広いという印象はありました。
ただ現存する製品でも空力の良いハンドルで380mmよりも狭いハンドルが無い事と、まだバイクのコントロールスキルを考えると不安があったのも事実で、ハンドル交換をこの時のフィットでは見送りました。

ツールド沖縄女子50キロ優勝など徐々に頭角を表し始めましたし、トラック競技にも挑戦し始めているので、低いフォームや空力を意識したセッティングにも興味が出てきました。
アセスメントデータ(身体特徴のデータ)を見ても、柔軟性は申し分がなく筋力のバランスが取れるのであれば前傾をもっと深くする事も可能でした。レースシーズンが本格化する前のタイミングでRSLハンドルへの交換を提案したのです。

某社ライズドのバイクオーナーって割と同社の製品でないと嫌!というタイプの方が多いのですが「速さに貪欲」「考え方に柔軟性がある」そんな彼女にとっては問題ありませんでした。

これが取り外したハンドルとの比較写真になります。
ブラケットの取り付け部が丁度ハンドル1本分内側にあるのがわかります。この幅に合わせるにはブラケットを内側に向ける必要があるのですが、そうすると今のレギュレーションに抵触してしまう可能性があるのです。また操作性に関して、どうしても悪化してしまうのが否めないのでやはりブラケットは真っ直ぐに取り付けたい所です。
また手の怪我の影響などもあり屈曲角に少しだけ左右差があります。以前のハンドルは空力が良いのですが、スプリント時にハンドルの「肩」の部分が腕にあたってしまうのです。

RSLハンドルはこの部分にしっかりと「逃し」が作ってあります。TREKチームのスプリンターからの意見がフィードバックされているのでしょうか?とても考えらえた形になっていると思います。

わかって頂くの難しいかもしれないんですが。。。女性でこれだけ纏まったフォーム取れるのは稀ですし、またそのフォームに見合ったハンドル周りに設定できたのではないか?と自負しております。特に無闇にブラケットを曲げずに肩の真下にブラケットポジションが設定できています。これから更にエアロ化していくとしたら肩甲骨や肩を上側に挙上してそこに頭を入れる(肩とヘルメットの間の隙間が更に減る)ようになります。また、それに対しての余地があるので発展性も高いでしょう。

ハンドルを空力数値の高いものに変えただけでは足りなくて、データに基づいてその時のライダーにあったフォームを考えて、そこに必要な機材を当てはめていくのが望ましいですね。

ハンドルの相談もお受けしますしフィッティングのご相談も何なりと聞いてくださいね。