ホーチミンのUber②
②なぜ運転手が集まったのか
前回:①Uberは何がウケたのか
スマホ配車アプリの「問題児」、Uber。前回はUberがいかに便利かを顧客目線で書いた回。
今回はドライバー目線から。
Uberは運転する人がいないと成り立たない。タクシー会社のように雇用するわけではない彼らがなぜ運転手を集められたのか。それは発展途上国によくあるドライバー事情が大きく関わっている。
ベトナムにいるほとんどの乗用車ドライバーは自分の車を持っていない。基本的には雇われだ。下手すると自分の主人の家に居候していたりする。逆に言えば、車を買うようなお金持ちは基本自分で運転することはあまりない。
運転手の給料は安いもので、4,5万円もらえればいい方である。月収としては良い方である。が、お金持ちからしたら大した金額ではない。なんせ彼らは400万以上もするSUVをローンを組まずに買うのだから。
さてそんなお金持ちも四六時中移動しているわけではない。運転手は暇している事も多い。昼間からカフェで将棋をしていたり、新聞読んでたりするあの男性はドライバーなのかもしれない。
ここまでくればもうお分かりだろう。
運転手は暇な時間、ご主人の車を借りて小遣い稼ぎができるようになった。お金を出す必要もない。あるとすればちょっと器の小さい主人に車を借りるお金を支払うだけ。
実は時間を持て余している運転手はそこら中にいたのだ。彼らを活用したことこそ、Uber成功における最も重要な着眼点と言ってもいい。
暇を持て余した運転手が集まるのはあっという間だった。そして彼らがタクシーの月間売上30%減を引き起こしたのである。しかもそれまで右肩上がりで成長していたのにも関わらず。
③タクシーは反撃できない
に続きます。
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