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サプライチェーンのリスクを回避するには?

インテル、日米で半導体「後工程」自動化 地政学リスク減:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC266L30W4A420C2000000/

新型コロナウイルスやウクライナの戦争でサプライチェーン寸断が発生したことは記憶に新しい。

総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和3年版 > サプライチェーンの分断に伴う生産拠点の移転等

サプライチェーンリスクへの対応を考えた場合、
1.今あるサプライチェーンはそのままで、リスク発生時の対応スピードを上げる
2.リスクはある前提で、そもそものサプライチェーンを変えてしまう
という2通りのやり方があるのではないかと思う。

1.の場合、
・今あるサプライチェーンを可視化する(Tier1~TierNまで)
・有事の際に、即座に事象を特定
・直ちに対応策を打つ(サプライヤー切り替えなど)
という順序で、いかに何か起きたときに対応を早くできるか、つまりレジリエンス(回復力)をいかに高められるか、という視点で語られることが多い。

一方で、冒頭の日経の記事のように、「サプライチェーンにはリスクがある」という前提をもとに、サプライチェーンを根本的に組み替えてしまう、というやり方もある。
それが、2.のやり方だ。

そもそも、半導体のように大規模投資が必要な業種は有事の際の切り替え先などすぐに見つからない。企業の参入障壁が高く代替性が低いので、サプライチェーンのリスクを可視化しいち早く有事を察知したところで、すぐには回復できないのである。

そうなると政学リスクができるだけ低いところに、新たな工場を作って、可能な限りリスク発現の可能性を抑えるという選択肢しかなくなる。

とはいえ、2.は半ば国策であり、一企業のサプライチェーン/調達担当が取れる施策は1.になってくるだろう。代替性の高い品目については、調達先の柔軟性を高めつつ、代替性の低い品目については少ない選択肢の中で複社購買をしておくことやグローバルでの在庫融通などの策が検討できそうだ。

サプライチェーンを考える上で、調達する材の代替性の高さは切っても切り離せない重要な視点。常に頭の片隅に置いておきたいな、と感じた記事でした。


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