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ALUMNI STORY AnyMind Group株式会社 成川 貴彦(農学研究科卒)さん

東北大学の出身者や関係者でスタートアップ界隈で活躍されている方、そして官公庁や大手企業などにいるこれから東北大発のスタートアップに関わっていきたいと思われているOBOGの方々をご紹介する「東北大学スタートアップアルムナイ100人カイギ」このイベントで収録された東北大学OBOGの講演内容を「ALUMNI STORY」として記事化してお送り致します。
※東北大学スタートアップアルムナイの詳細についてはコチラをご覧下さい。


自己紹介:「人にやさしく、謙虚な姿勢」を大切にしています!

※こちらの収録は2023年5月に行われたものです
成川と申します。宜しくお願い致します。皆さんと比べてスタートアップ歴が短いので、自分の生い立ちや今に至るまでの話が多くなるかと思うのですが、お願いします。
まず、人となりについて、僕の中で最も大事にしていることは、「人にやさしく、謙虚な姿勢」でいるということになります。これは大好きだった祖父に「お前のいいところは友達に優しくできることと、誰にも威張らないことだよ」と言われて、それから今に至るまで自分の中の大切な価値観として、大事にしていることです。

「人にやさしく、謙虚な姿勢」を大事にしている

大学入学前:恩師の言葉があって、東北大農学部を目指すように

大学入学前は、自分のアイデンティティは「頭が良いのに、面白い人」でした。勉強は得意な方だったので、成績は常に学年トップで、ただ思春期のせいか、ガリ勉とは思われたくなくて、授業中とかはいつも面白い発言ができないかなと考えているような男の子でした。

中学校はサッカー部で、そこでは学年1の問題児と友達だったりもしました。これは自分がグレていたとかではなくて、彼が予測できない行動をしていて、それが自分的には結構面白くて、仲良くしていました。高校では特進クラスに入って、この時の担任の先生が、僕の中で恩師だと思っているのですが、その先生にいきなり「あんた東大に行きなさい」と最初に喝を入れられました。それ以降も事あるごとにお尻を叩いてくれました。

この時はぼんやりと、将来は海外のボランティアに行きたいと考えていたのですが、これも担任の先生に「何の知識もないくせにボランティアに行くな。あんたは実家が農家なんだから、農業でも学んで、その知識を持ってボランティアに行きなさい」と言われて、それが妙に腑に落ちて、実は僕の姉も東北大で、周りに東北大のご縁があったので、東北大の農学部を受けることにしました。高2の模試で、初めて東北大学でC判定が出たので、これはもしかしたらいけるかもしれないと思って、そこからは部活をやりながら勉強もして、無事合格することができました。

中学・高校時代は、頭が良くて、面白い人だった

大学入学後:友人とロードバイクで日本縦断を達成!研究にも打ち込む

こうして東北大学に入ることができたのですが、大学に入ってからはアイデンティティだった「頭が良いのに、面白い人」が喪失することになりました。東北大生はみんな頭が良いので、頭が良いのにというギャップが通じなくなり、ちょっと変な人という感じで、若干浮いてしまっていたかなと思っています。

中高時代は周りの人から話しかけてくれることが割と多かったのですが、大学に入ってからは自分からコミュニケーションを取らないと、交友関係は広げられないんだなということを初めて経験しました。それでも4人の親友ができて、いつも4人組でいて、この4人が全員がひねくれ&はぐれものだったということで意気投合して、僕だけ大学院に進んだのですが、他の3人は学部で卒業して、全員ベンチャーやスタートアップに入社するような友達でした。

また、その中の1人と自転車で日本縦断旅をやりました。車で日本一周もしたのですが、自転車で旅にハマって、自分の生きがいはロマンみたいなところにあるのかなと、なんとなく悟るようになりました。親友たちは就職して、自分だけ大学院に進学しました。学部4年生の時に、農学部は初めて研究室に配属されるのですが、ここで担当した研究テーマがすごく面白くて、基礎的な研究で、ラボに籠りっぱなしだったのですが、すごく魅了されたので、院まで行って、研究を進めようと決意しました。

研究テーマは、教授がもともと国で働いてた時に、研究テーマを変えなきゃいけなくなって断念したテーマだったらしく、もし教授になったら学生にやらせようと思っていたとのことで、それを研究できたのもロマンを感じるな思っていました。

親友と旅したり、研究に魅了されたり「ロマン」を求めた学生時代

就職活動時:親友たちにスタートアップを勧められ、AnyMindにジョインを決意

就活の時期になって、アイデンティティの再構築ということで、ただの変な人になってしまった一方、研究活動を通して、自分の興味関心に、素直に猪突猛進していくような人間だな思うようになりました。自分が惹かれた研究テーマについて、最終的に論文の形で執筆することができて、良かったなと思っています。知的好奇心が、自分を突き動かしている大きな原動力なんだなと感じています。
大学院の修士1年生の時は、就活はしないでそのままドクターに進もうと思っていたのですが、家庭の経済的な事情によって、進学が難しくなったので、急遽就活を始めました。

就活について、何もわからなくて、最初は苦戦していたのですが、親友たちの話を聞きながら、お前は大手向きじゃないよと言われて、スタートアップ企業にきっと面白い会社があると勧められました。色々な会社を見ている中で、AnyMind Group(エニーマインドグループ)に出会いました。面接の中で、東北大の先輩でもある作増さんという方に出会い、この人みたいになってみたいという、人に惹かれた部分もあって入社を決めました。

さらに、その作増さんが、新しい事業を立ち上げているから、新規事業にも参画できるよと言ってくれたので、それはちょっと面白そうだなと思って、入社を決意しました。

親友たちにスタートアップを勧められて、AnyMind Groupと出会う

現在の仕事内容:パブリッシャーグロース事業部でハイパーカジュアルゲームというアプリの開発を担当

AnyMind Groupには、パブリッシャー事業部があり、基本的にはクライアント様のアプリやウェブのマネタイズの支援を行わせていただいておりますが、僕がやっているのはそうではなくて、新規事業として自社でもアプリを作るということをしています。自社でマネタイズのノウハウもあるので、自分たちでアプリを作れば、収益が会社に入るということで、やったらいいじゃんという新規事業に、新卒1年目から参画しています。

スライドに、実際に作ったアプリと、広告で流している動画を載せています。見ていただくとわかる通り、スマホをいじっていたら出てくるようなゲームを作っています。とにかくわかりやすさと面白さを、広告の中に詰め込むというところを意識しています。新規事業では、実際に私ともう1人の新卒の2人で事業開発を進めています。マネージャーもそもそもの知識がないとのことで、とにかくお前らに任せると言われて、2人で進めています。

最初は本当に戦略も何もなかったので、とりあえず30人のエンジニアを捕まえてきたからよろしくと言われてやっていたのですが、いろいろやっていく中で、開発ペースをいかに早くして、早く市場に出してテストするかというところが重要だよね、ということに気づき、現在は5人のエンジニアに絞って、密度高く開発を進めています。

現在は、週に1本のアプリをリリースするようなペースで開発を進めています。海外リサーチをして、アプリを作ったら、まずテストをするのですが、そこのマーケティング手法も、確立しました。実際に作ったアプリは、Facebook広告で、アメリカユーザー向けにテストをしています。ゲーム開発というのは、ロジカルではなくアートな領域なので、こうやったらうまくいくということがあまりなくて、すごく大変なのですが、そういうアートな領域においても、再現性を持たせられるんじゃないかというところで、日々PDCAを回しています。

スマホゲームのターゲットは、そもそもゲームをやらない人になるので、いかに操作が簡単で、面白さがあるかの両立が必要になってきます。特に、広告の冒頭3秒以内で広告視聴者の心を掴み切るということは意識しています。

新卒1年目から新規事業を担当し、ゲームの開発スタジオを立ち上げた

今後貢献していきたいこと:時代の先を行くスタートアップで事業開発をしたい

スタートアップで挑戦、今後貢献したいことについて、時代の先を行くような挑戦をしているスタートアップで、事業開発をしてみたいなと思っています。

スライドに載せている柄谷行人さんという方は、僕が最近読んでいる本の著者の方になるのですが、マルクスの資本論を生産様式からではなく交換様式から見てみようという取り組みをされています。柄谷さんがおっしゃるには、資本主義の後に、回帰的な持続社会で成り立っていたような、御恩と奉公みたいな、それをより公式に回帰したような社会がやってくると言っていて、それは作ろうとして作れるものじゃなくて、いずれやってくるものだと考えられていて、結局それが何なのかは本の中では話していないのですが、そういったものをいち早く察知しているような会社で働いてみたいなと思っています。

サラリーマンと研究者の軸で考えているのですが、サラリーマンとしては、大学院の研究活動だったり、新卒から新規事業の立ち上げを経験したので、新しいことに挑戦したり、その挑戦の中で新しい事象やアイデアを発見することに、自分の働く上でのモチベーションがあるんだなと感じることができました。
時代の先を行くというのは、必ずしもテクノロジーの力を借りるのではなく、脱成長的な考えでもいいので、それによって資本主義のあとにやってくるような社会を先読みしている会社があれば、働いてみたいなと思っています。

最終的には新しい時代が突入したら、日本や世界中の人々が不安になると思うのですが、そういう人たちに安心を与えられるような人材になりたいなと思ってます。もう一つ、研究者としては、夢であったにも関わらず、諦めなければならなかったドクターに行って、農学博士をとりたいなと思っています。研究していたテーマが環境汚染に関係していたので、そういうところで、地球を救えるような研究者になりたいなと思っています。以上です。ありがとうございました。

新たな時代に突入したときに、日本や世界中の人々に安心を与えられる人材になりたい!

事務局より:成川さんは現在メゾンカカオ株式会社にご転職され次のチャレンジをされています。

[東北大学スタートアップアルムナイ-コミュニティについて]

「東北大学スタートアップアルムナイ」コミュニティは、ハッカズーク社提供の「https://official-alumni.com/」を活用し、有志が運営しております。

現在本コミュニティへの登録は、招待/承認制とさせていただいております。東北大OBOG(および関係者)であったかなどの在籍確認や、本コミュニティへの貢献意思、スタートアップ業界でのご活躍状況などを登録の際に確認させて頂いております。その為、ご登録までにお時間がかかる場合がございますので、その旨あらかじめご了承ください。
https://app.official-alumni.com/register/tohoku-u

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