ロシアを去るのは外国人だけじゃない

つい先日退避の話を書いたばかりだけれど、友人(先輩、というのが一番しっくりくる)の1人が一時的なリロケーションを決めたので、少し違う視点からこのテーマを取り上げたい。

外国人がロシアを脱出しているのは前に書いたとおりだが、ロシア人の国外退避も進んでいる。

特に流出が大きいのはIT業界だ。ロシア電子通信協会によると、第一波で5万~7万人がすでに出国しており、4月に第二波として7万~10万人が出国するという見立てを出しており、最大17万人ほどの技術者が海外へ向かう状況にある。

https://www.rbc.ru/politics/22/03/2022/6239c48b9a7947da733b01fd

もともと若年層含めた頭脳流出はずっと言われていたが、それが今回のことで一気に加速した形だ。

これはIT業界にとどまらない。IT業界に関してはリモートで業務継続が可能かつ需要もあることから早期に大人数が動いているだけで、海外に行ける可能性がある人々は行けるタイミングで国外へ行っているし、その流れは今後も続いていく。

ここには母国が起こしたことに耐えられないという層や、弾圧を避け自由を求める層がいるとともに、21世紀に鎖国の道を突っ走る母国に未来が見いだせない層も相当数いる。

これは本当にその通りで、特に都市部の人間にとっては欧米と断絶し中国やインドとだけで生きていく、イランと同じ道を行く、というのにはついていけないだろう。
自分自身も、この流れにどこまで耐えられるかというのは一つの指針になっている。

リロケーション、移住に関する動画(ロシア語)を2つほど紹介する。
1つ目はForbesのリロケーション特集、2つ目はサプチャクの脱出層へのインタビューである。


最後に、昨日 Живой Гвоздь(モスクワのこだまの後継チャンネル)で放送されたマキシム・クルニコフの生配信も紹介したい。
彼はモスクワのこだま閉鎖後、海外を渡り歩きながらЖивой Гвоздь の放送に参加し続けている。
特に34分あたりから始まるドイツの列車(多くのウクライナ難民がいる)での体験は、非常に衝撃的だったので、必見。

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