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南仏の花売り

2022年12月14日(水)

早起き。早朝のラッシュに怯えつつ、新宿に向かう。箱根のポーラ美術館に行くのだ。思ったよりも電車は混まず。〈ベルク〉に寄り、朝食を摂る。トースト、ポテトサラダ。バスタ新宿にて、友人と合流。日帰りだが、旅行の気分を味わえるのは嬉しい。遠くに出かけるのも久しぶりだ。天気は快晴。冬の光が差し込む。窓に付着する塵が綺麗だった。会話と睡眠を繰り返す。
正午、美術館に到着。寒い。山の空気は清々しいが、ドンドン、ゴロゴロと不穏な音が聞こえる。地鳴りだろうか、雷だろうかと考えたが、自衛隊の演習らしい。今回の目的は、企画展「ピカソ 青の時代を超えて」。青い絵を描いた時代に焦点を当てた展示だった。青と朱色の組み合わせが印象的で、それに合わせた会場のディレクションもかっこいい。
キュビズムの作品も面白かった。特に『ゲルニカ』の反動に思える、バカンス中に描いた『花売り』が強烈。これぞ、ピカソ。作風の変化、バリエーションにも驚いた。広告、挿絵の仕事も多く、洒落た絵もちらほら。気に入った作品のひとつ、『新聞とグラスとタバコの箱』のポストカードを購入。非常に浅い感想だが、ブルータスの挿絵っぽい。可愛らしい。一緒に来た友人と別の展示のときに見た絵にも邂逅。奇妙な偶然は楽しい。
コレクション展では、モーリス・ルイスのデカい絵を発見。DIC川村記念美術館の企画展「カラーフィールド 色の海を泳ぐ」のときに名前を知った。鮮やかな滲みが美しかった。
箱根登山電車に乗り、箱根湯本に向かう。時間の流れが遅く、こんなに緩慢な時間を過ごすのも久しい。箱根湯本の商店街を歩いたが、どこもかしこも店じまいの雰囲気だった。駅弁とビールを買い、ロマンスカーは定刻に出発。すでに外は暗かった。今日の感想を言い合い、押し寿司を食べる。あっという間に新宿に到着、解散。別れ際に誕生日を祝われる。さすがに早い。

2022年12月15日(木)

本日もお休み。のんびりと過ごす。自身に休息を課す日は、レコードに針を落とす。心のゆとりが大切だ。折坂悠太の『平成』を聴いた。『MEN』と『マッドゴッド』が観たい。しかし、この日の気分に合わず。見送る。散歩に出かける。富士見ヶ丘の洒落たお店〈somehow〉に向かい、河合浩さんの展示を見る。カラフルな図形、曲線、円形で描かれる絵は自由だった。在廊中の河合さんと話す。気さくなお人柄。Taiko Super Kicksの話や、お薦めの映画などを聞かれる。有意義な時間だった。ナッツを買い、お店を出る。
青山ブックセンターに向かい、大白小蟹さんの原画展を見る。作品の構成を書いたメモが印象的だった。脳内の物語を言葉と紙に落とし込む過程が見える。植物が欲しかったので、神宮前〈VOICE〉に向かうが、道中に花屋を発見。ユーカリ、かすみ草を買う。さっさと帰り、翌日の仕事に備える。

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