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怒涛の花

2022年12月3日(土)

友人と新宿で待ち合わせ。遅刻の連絡を受けたので、紀伊國屋書店に向かい、欲しかった漫画を探す。大白小蟹『うみべのストーブ』を購入。読みたい本を物色。マリー・ルイーゼ・カシュニッツ『その昔、N市では』の装丁に惹かれる。見かけるたびにかっこいいと思うのだが、購入には至らず。積まれた本の消化が急務。
友人と合流。昼食は〈切麦や 甚六〉の温かいうどん。ブロッコリーの天ぷら、かしわ天が美味しかった。新宿御苑に向かう。広い。温室に入り、珍奇な植物を眺める。見知らぬ植物ばかりだが、バナナだけはわかった。通りかかる人の多くもバナナには敏感だった。友人にリュウゼツランの画像検索を薦める。芝生に移動。枝を拾ったり、葉を拾ったり、自由に過ごす。
夕方に解散。西荻窪に向かい、マブ会。〈戎〉の酒と肴を味わう。相変わらず、酒が濃い。近況を話す。創作の話や、日記の話など。各々の文章の書き方を話す。楽しかった。帰宅後、文章を書く。遅筆でも続けたい。

2022年12月7日(水)

怒涛(多肉植物)の花が咲いた。黄色の花。昼食は、袋麺。豆乳とごまをたっぷりと入れる。坦々麺風を目指したが、ラー油がなかった。まろやかな味噌ラーメンだった。新宿に向かい、ペドロ・アルモドバルの映画を立て続けに観る。『ヒューマン・ボイス』は犬の映画だった。そして、ティルダの独壇場。別れた恋人の荷物を巡る話は『神経衰弱ぎりぎりの女たち』を思い出す。次に『パラレル・マザーズ』を観る。子どもの取り違えは物語の筋だが、根幹は別だった。血族と、血の繋がらない家族が絡み合う物語は優しい。

2022年12月9日(金)

早起き。寒い。布団に包まり、大白小蟹『うみべのストーブ』を読む。優しい奇譚と、生活者の些細な悩みを掬い上げる物語が素晴らしい。雪が印象的な短編集で、生活の中に降り積もる悩みと重なる。いつかは消えるのだが、どこかに残る悩みや思考が丁寧に描かれる。
遅筆のエッセイを書き上げる。日記とエッセイの違いを考える。事実のみか、虚実を混ぜるか。東京オペラシティに向かい、川内倫子の展示『M/E』を見る。アイスランドの自然と身の回りの生活を対比する構成は苦手だった。説明過多な印象を受ける。アイスランドの自然の中に生きる動植物と人間に魅力を感じるのだが、「自然」と「人間」の構成に落とし込むのは違和感を覚える。野焼きの連作が好みだった。
夜は定例会。秋葉原の〈香福味坊〉に行く。味坊系列の新店。小皿の一品料理が多く、飲茶を食べる感覚に近かった。羊肉はもちろん、鴨肉も美味しかった。

2022年12月10日(土)

銀座に向かい、前日に会った友人と会う。銀座は大混雑。〈トリコロール〉に行きたかったが、あっさりと振られる。どこの喫茶店にも入れなかった。結局、大丸のカフェに入るが、不相応な雰囲気に居心地の悪さを覚える。色々と下手くそな時間だった。帰途、中野で下車。中野ブロードウェイを徘徊、怪獣のソフビを見る。相変わらず、ヘドラが人気だ。〈LOU〉に立ち寄り、ワイン、ザワークラウトと生ハム。美味い。帰宅後、ポール・トーマス・アンダーソン『リコリス・ピザ』を観る。

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