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【40日目】新宿末廣亭十日間ありがとうございました
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新宿末廣亭、苦手な噺ばかりやったこともあってなんとなく不完全燃焼。
ただ毎日の稽古でくったくた。
今回も振り返ります。
自分用の記録だとかそうでないとか。
初日【たらちね】
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披露目も三十日を終えると残りの十日間はもう避けてきた噺しか残ってなくて【たらちね】もその一つ。
前座も二ツ目も真打も皆やるから飽きているのかもしれない。
どんなに老舗の蕎麦屋だろうが、あえてカツ丼を食いたくなる私には【たらちね】に新鮮味を感じない。
ただ、よく笑うお客さんが居て良かった。
二日目【芋俵】
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最初から与太郎が泥棒の一味で、褌しないで俵に入る型。
稽古をつけてくださった師匠は「下品になり過ぎないように」と手を加えているが、それでも下品なので私も手を加えている。
中盤の工夫が思いつかなかったので放置していたが、この日カタチになった。
良いんじゃないでしょうか?
三日目【長屋の算術】
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コロナで寄席が休業中、白酒が
「寄席が休みで暇だろうから、俺の音源だったら落語を好きに覚えていいよ」
というので覚えた十三席の噺の一つ。
ここ最近白酒は色々なところで【長屋の算術】をかけていて、私はまだちゃんと聴けていないのでわからないが、
私が覚えた音源の【長屋の算術】は噺の整合性がとれていなくて全く頭に入らない噺だった。
師匠自身も「未完成」というくらい。(だけどCDになってる)
私がお笑いを始めた頃は、サンドウィッチマンさんの影響で皆『漫才コント』という、漫才の中で
「俺コンビニの店員やりたいからお前客やって」
「わかった」
とコントに入る根多が流行っていて自分もそれをめちゃくちゃやっていた。
【長屋の算術】はそんな漫才コントに似ていて「これは俺の為に誂えたネタじゃないか」と思いなんとか覚えた噺。
師匠が「未完成」と言うならば、じゃあ俺が完成させてやろう、と当日まで頭を捻って、ようやっと整合性も取れて、サゲのキレの悪さも改善した(たぶん)のだが、稽古不足で出来の悪いものとなってしまった。
師匠の【長屋の算術】はどんなだろう?
四日目【寄合酒】
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こういう『工夫をしようと思うと新しいくだりを作らなきゃいけない噺』は気が乗らない。
落語ではお馴染みの『銭のない理由』大喜利や『タダで品物手に入れる方法』大喜利の新しい答えをたくさん考えているが、その労力の割に儲からない。
中日【時そば】
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前日の雲助一門会での雲助師匠の時そばが凄まじかったというのを聞いて、その恩恵? にあやかろうと雲助師匠からいただいた羽織紐を付けて時そばをやるも撃沈。
【時そば】は確かな技術を楽しんでもらう噺、あるいは工夫を楽しんでもらう噺。
だけど技術もなければ、工夫を考える暇もなかったのが敗因か。
ひとまず『ちくわぶ』が私は大好きなのでちくわぶの悪口は全部抜いて演りました。
六日目【元犬】
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私が四つ目に覚えた噺。
約三年ぶりの挑戦。
雲助師匠に稽古を付けてもらうと皆、雲助口調がうつる。
私も例に違わずうつって、元々の声質も相まって『可愛い噺なのに渋くて哀愁がある』というわけのわからない状態になったのでやらなくなった。
残酷なくすぐりもあって嫌だったが、当時はできなかった工夫をして改善した。
七日目【真田小僧】
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『真田三代記』という言葉が出てこなくて焦ったが、4秒ほど表情で繋いでなんとか思い出した。
こういう誤魔化す技術をたくさん覚えることがメンタル強化に繋がるんじゃないだろうか。
真田小僧を後半だけ。
六連銭を教えるところが好き過ぎて、ここでめちゃくちゃ遊んでいる。
八日目【出来心】
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落語を知らないでこの世界に入ったので、去年くらいまで落語を教わる時は白酒に
「次は何の落語を教わればいいですか?」
と聞いて出稽古に行っていた。
「泥棒の噺は持ってなくちゃいけないよ」
そう言われて覚えた【出来心】。
これが持ちネタの中で一番難しい。
やることが多いのに何も起きない噺という印象。
また私の出来心は専門用語が多くて「伝わるのか?」という不安がある。
かといってこの専門用語を全て伝わりやすいように変えたら、教えてくれた師匠の良さを消しそうでできない。
またネタおろしで滑ったというトラウマもある。
稽古しても稽古しても頭に入らない。
そしてこれも『工夫をしようと思うと新しいくだりを作らなきゃいけない噺』だと思う。
全ての噺の苦手要素をギュッとしたような噺。
ただこの日はお客さんが良くて助かった。
九日目【岸柳島】
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昨日、あげていただいた噺をこの日にネタおろし。
初めての侍の噺で、雰囲気も持ちネタにはないタイプ。
教わった通りにしっかりとやった。
たぶんだけど、この噺は自分に合ってる気がする。
たぶんね。
千穐楽【道灌】
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「せっかくこさえたんだし」
と今回初めて袴を履いてみた。
座布団の上に座ったら袴が腹の変なところに入ってずっと痛い。
「絶対ウケるから」と楽屋からの無茶振りで言ったセリフでお客さんが変な感じになってメンタルがやられた。
後半の工夫をしたところは、客席で電話が鳴ってできなかった。
途中で断念。
なんじゃこの千穐楽。
だけど思い出深いものになった。
最後は道灌だと決めていた。
一番最初に教わった噺で「またここから始めて行くんだ」という気持ちを込めて。
総括
何も掴めなかったような……。
時間帯なのかなんなのか、自分の実力に関わらず反応がなかったりする。
マクラでの空気作りでどうにかなるのか?
どうにか笑ってもらおうと努力するのか、ただサラッと次へ繋ぐのがいいのか、その辺はまだこれからかな。
気持ちは前者。
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