見出し画像

【32日目】性格

上手くて面白い落語を聴きたいのであれば真打の師匠方の落語を聴いてもらえればいいので、二ツ目で大事なのは人柄とか性格とか姿勢だと思っているのだけれど、
どうやら私は性格が良くない。

「いやいや、そんなこと言ったら私も性格良くないですよー」

そう言ってくれる人もいるが、そんなこと言ってくれる人は性格が良い。

マクラ

性格の良い悪いがどこでわかるかというと、
『何にも考えずに高座に上がってマクラを話し始めた時』
だと思う。
何を話そう? オチを付けなきゃ! どうやって落語に繋げれば……
と考えながら喋っているといつの間にか悪態をついている。
自分でもビックリする。
高座を降りた時に「何故あんなこと言っちゃったんだろう?」と後悔する。

ものの本によると志ん朝師匠は「マクラも稽古しなきゃダメだよ」と仰っていたらしい。
ならば悪態をつかないようにガッツリマクラも作った方がいいのだろうけど、
『さっと高座に上がってその日のことを適当にしゃべって面白い』という方がかっこいい気がして踏み切れない。
また、今はできないけれど繰り返すうちに脳が鍛えられて、適当に喋っても面白くすることができるようになるのでは? という希望的観測もある。

少し脱線するが──
脳が鍛えられる、学習するという感覚は確かにある。
文章なんて書けなかった自分がこうして毎日エッセイを書けるようになってきているのもそうだし、落語の覚え方もどんどん頭の中で最適化されていってるのもそう。
高座に上がるたびに出来なかったことがどんどんできるようになってきているのもそう。
出来ないことを探して脳を鍛える事が上達するという事なんじゃないか? とさえ思う。

あと八日

披露目も32日目終えた。
とりあえずマクラの内容はあまり決めずに高座に上がっている。
一言二言の日もあれば五分くらい喋る日もある。
性格の悪さがやっぱり顔を出すが、思ったことをさっと喋られるようにはなってきた気はする。
性格の悪さをどうにか昇華したら、後は時事ネタを織り交ぜるだとか、平気で嘘(話を盛ったり作り話をしたり)がつけるようになったら一人前かな。

シクラメン

性格を良くしようと思って花を育てている。

花を育てている性格の悪い奴を私は知らない。


32/40 新宿末廣亭 二日目
【芋俵】
朝、サッカーで日本が勝利したので「こんな日に寄席に来る人いるのか?」なんて思ってたら通常運転でした。

珍しい型の【芋俵】で、YouTubeには馬楽師匠のものがあります。
探り探りやってましたが今日何とかカタチになったような気がします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?