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令和五年三月廿四日 第二回『稽古風景』於・落語協会二階

私は自己管理ができない。

「体型見ればわかるよ」

と思った方は、その嫌な性格直したほうがいい。

今、生活リズムが乱れに乱れている。
朝5時に寝て昼過ぎに起き、ダラダラ稽古をする毎日。
こういう時は何をやっても上手くいかない。
目は冴えているが意識に霞がかかっているような状態で本番を迎えた。

◎芋俵
工夫をしたところが少し浮いているというか、大振りになったというか。
なんだか色々ガタついてしまう。
何度試してもダメなくすぐりがあるので、別のくすぐりに変えるというよりかは潔く引き算したほうがいいかもしれない。
四上の池袋でやりたいので選んだ噺。

◎家見舞い
教わった通りだと、

「だからね、しょうがねーだろうよ」

から本編が始まるのだけれど、何がしょうがないのかわからなかったので、その前のくだりを作って声を掛けるところから始めてみた。

いつもトントントントン進行してテンポが早くなる。
ゆっくり喋ったり、間をとったりすると稽古をつけてくれた師匠の歯切れの良さが無くなってしまうので、江戸っ子二人のやりとりを増やしてテンポをセーブ。

友達の方の江戸っ子をボーッとした人物に変えてやってみたけど、途中で普通に戻ってしまった。

下品な噺二連続。

◎初天神
先日、FF10歌舞伎を観劇した。

※FF10歌舞伎のネタバレ含みますので、鑑賞予定の方は飛ばしてください。

主人公と怪物と化した父が戦う場がある。
親子で命のやりとりをしていると、父の記憶か、子供の頃の主人公とボールを蹴り合って遊ぶ場がフラッシュバックされる。
セリフもなく、ただただ親子でボールを蹴って遊んでいる姿に涙が止まらなくて、それを参考に一箇所だけ無言で仕草を見せる所を、数秒だけど足してみた。
何か感じ取ってもらえれば嬉しい。

ただ後半、間違えちゃいけないとこ間違えてぶち壊しにしたけども。

飴や団子を舐めるところも下品と言えば下品なので三連続。

◎加賀の千代
初天神で息切れしていて、本来ならまくらを振って息を整えるのだけれど『まくらはあまり振らない』というルールと、時間の無さでゼーハー言いながら加賀の千代。
仕込みの部分、息が続かなくて間が悪くなった。
この辺、ウチの師匠なんかは疲れていてもパフォーマンスを落とさない。

いつも18分くらいになってしまうので、寄席の15分でやるために色々切った。
しかし切り方が粗くて色々と雑に。


終わってみると、落語の出来は全体的にあまり良くなかった。
どのミスもコンディションの悪さからくるものだと思う。
この辺はプロとしての自覚の問題か。

だけど試したいことは全部出来た。
まさに稽古をしている風景を見てもらったような感じがする。
毎回毎回、どの噺もやる度に変わっていくので、完成までのこの過程も楽しんでいただきたい。
次回は4/7。
生活リズムを元に戻して、なおかつ空調の設定もちゃんとしたい。
ぶつくさ。

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