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【33日目】YouTubeチャンネルとかも始めちゃうんじゃない?

「俺たちの頃は落語だけやっていれば良かったけど、今の若い人達は大変だな。 売れようと思ったら色々なことしなきゃいけない」

誰にいつ言われたのか思い出せないけれど、緊張しながらその師匠の着付けについていたので前座になりたての頃に言われたのだと思う。
二ツ目になって自分で会をやっていかなきゃなーと思っている今、ふと思い出した。

「色々なこと」って?

SNSなんかはもう当たり前。
お客さんに喜んでもらうために新作に挑戦するとか、ユニットを組むなんていうのもそうだと思う。
楽屋で何度か聞いた「二ツ目で圓朝物に挑戦する人増えたね」というのもそうかもしれない。
落語会やるのも何かしらのコンセプトを持たせるのが当たり前みたいになってきている。
企画力というのかな?

お笑い芸人をやっていた時もそうだった。
漫才だけやっていればいいと思っていたけれど、企画コーナー、キャラクター、大喜利、トーク、特技披露、コミュニケーション、SNS、YouTubeチャンネル……最終的にネタを披露する場が減って、何を努力すればいいのかわからなくなった。
落語はそうならなければいいなぁ、と思うけど……。

めんどくさい

と思うけど、しょうがない。
私と同じ歳くらいの「落語が好き」という方とお話をしたら「落語は好きだけど寄席は行かない」と言っていた。
『3千円で一日時間が潰せる』というのが寄席の売りの一つだけれども若い人にとっては【時間・体力】>【お金】だそうで「高いお金を出してでも贔屓の人だけ観たい」のでホール落語にしか行かないとのこと。

テレビを垂れ流す時代じゃなくて、NetflixやYouTubeで好きなものを選んで見る時代。
音楽もイントロの部分は要らない。いきなりサビの曲がヒットしやすい。
逮捕されたが映画を10分にまとめた動画が流行っていたらしい。
YouTubeやTikTokなどの切り抜き動画の需要がすごい。
そういえばニュースでも「出世はしなくていいから定時で帰りたい」という人が増えていると聞いた。
【時間・体力】>【お金】

人には『可処分時間』というものがある。
その人が一日に使える自由な時間だ。
テレビを観たり、ゲームをしたり、本を読んだり、友達と遊んだりと色々だ。
そんな価値の上がってきた自由な時間を落語に使ってもらおうと思ったら、娯楽の増えた現代では色々工夫しないとダメだよね、という話。

というわけで、私もただ落語会をやるのではなく色々なことをやっていきたいと思っております。
今考えているのが、

  • お伊勢参り

  • 公開稽古(毎月)

  • 百席落語感想文

  • 師匠方に稽古を付けてもらう会

  • 三日で噺を覚えてやる会

という、暫くは企画と称して無理矢理稽古というか勉強するようなことをしていきたい。
『稽古』や『勉強』自体を楽しんでもらえれば無限に努力できる説。


33/40 新宿末廣亭 三日目
【長屋の算術】
白酒も「この噺は未完成」と言うくらい噺の辻褄があっていない。(しかしCDに収録されている)
聴いている分には違和感を感じないが、自分でやるとなって文字に起こしたらハテナが浮かぶ。
そのせいか覚えるのも大変だったし思い出すのも大変。
朝からデカいエナジードリンク飲んでどうにかこうにか高座にかけたが勢いだけで押し切った感じがする。
「絶句しなかったから良し」という謎の達成感。

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