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令和五年二月廿二日 第一回『稽古風景』於・落語協会二階

高座百遍、とにかく人前で落語をするのが一番の稽古だ!
ということで始めた自分のための会。
あまり告知もせず、平日の夜にひっそりと、座ってると腰が痛くなる落語協会の二階で、出囃子無しマクラほとんどなしで、少人数のお客様を相手に色々試させてもらおう、と満を持して開催。
しかし蓋を開けてみたらいっぱいのお客様で驚きました。
しかも初めましての方ばかり。
平日の夜の落語協会となると客層が変わるのでしょうか?
ひとまず、噺について思うことはあらかた高座でも喋ったので今日は簡単に。

◎牛ほめ
家への入り方から挨拶、家の褒め方、台所の節穴、牛の褒め方、と仕込みが多すぎやしないか?
家の褒め方は覚えられないのに牛の褒め方は覚えられんの?
本当に家を褒めると名誉挽回になる?
なんとなく話の都合で人物が動いていてあまり好きじゃなかったので、家の入り方と褒め方をカットしてみました。
思いつきなのでまだ荒いですが、終演後スッキリさせる工夫を思いついたので、やはり高座百遍。

◎兵庫船
先日のクロハチで講釈をミスったので、忘れないうちにリベンジ。
講釈は上手くいったけど「上手くいったからなんなんだ?」という。
無茶苦茶な講釈をやるだけじゃなくて何かやりたいですね。
これも思いついたのでまたいつか。

◎新盤三十石
下手な芸を見せるというところで兵庫船とつきますがこの会では関係ないです。
高座でも言いましたがうちの師匠の個性が強い部分をなくして色々やりました。
でも寄席でやる時は師匠のくすぐりでやると思います。
「浪花節じゃなくてもいいから」とあげの稽古の時に言われているので漫才や手品でもいいかもしれません。

◎たいこ腹
この噺はちゃんとやればやるほど自分に合わなくて、自分に合わせてやると幇間や若旦那っぽくならない。
個性が出ない分、くすぐりと言い回しをほとんど変えていますが、なんだか突き抜けないですね。
しっくりこない噺。

◎ざるや
披露目でネタ下ろしして以来。
イメージは雲助師匠とうちの師匠の中間。
どの演者もザルがいくらか教えず売りに行かせている気がして、10代目馬生師匠の音源から大きいザルが五円、小さいザルが三円五十銭としました。
あまり意味ないかもしれません。
後半の縁起の悪いことを言う番頭、無くてもいいんですがざるやを聞き慣れている人向けに入れてます。本当になくてもいいです。
ちなみにハツカネズミを怒らせるとどうなるのか、私は知りません。



1時間半で5席でした。
師匠が「疲れは時間じゃなくて噺の数」というようなことを言ってましたが、なるほどその通りでクタクタになりました。
また、終演後に片付けを手伝ってくださった皆さまありがとうございました。
でも本当にお気遣いなく。
片付け時間を想定した1時間半の会なので、早く片付けられるとなるともう一席できてしまいます。
ぶつくさ。

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