見出し画像

令和六年一月廿七日『第一回 黒酒ひとり』於・なかの芸能小劇場

お笑い芸人になる為に大阪から出てきて、この中野に17年住んでいる。
いや、しがみついてる。
辞めていった仲間の分も、というと烏滸がましいが、この因縁のなかの芸能小劇場をいつか満席するんだ。

という決意をもって始めましたが、いやー上手くいかないですね。
やはり主催と演者の両立というのが難しいです。
自分の会だけなら、会場のセッティングを前座さんに任せて13時半の開場までカラオケで稽古もできるんですが、
主催なので9時には会場に行って、設営、機材操作の指導、そして何枚も書類を書いたり、開場受付をしたり、その上で避難誘導のため基本はロビーに居つつCDの操作もしつつ──てんやわんやしてる間に黒酒ひとりが開演しました。
もう疲れ果ててまとまるものもまとまらず。
「もっとできたんじゃないか?」というのが本音だけど、じゃあ何をどうすれば良かったのかは分からないという。

◎初天神
コチラは午前の『桂枝チェン落語勉強会』にて。
世話になったお礼ということで会を主催させていただきました。

自分の会に集中をしたいところではありますが、ゲストを頼まれたのでちゃんとやらなきゃ、と【たいこ腹】を稽古してましたが、お客様が大勢でその上皆様落語にほとんど触れたことがないということで、急遽【初天神】をやらせていただきました。

自分で言うのもなんですが、自分の中では非常に良い出来でした。
ただ、当日バタバタしすぎて、着ようと思っていた羽織の紐は忘れ、なにより長襦袢も忘れたので、胸元ザックリ初天神になりました。

全力で頭で編集しながらやったので、心地いい疲労感。
もう帰りたかったですが、この後自分の会で三席やると思ったら絶望しました。

1/25の初天神の日に、鈴本演芸場出番で【初天神】をやりたかったけど、お後の扇遊師匠がおやりになるだろうと思ってやりませんでした。
そしたら扇遊師匠もおやりになりませんでした。
なんだよーと思ったけど、いやいやさすが扇遊師匠で、【狸賽】でご自身が天神様になってました。
粋だなぁ、って思いました。
この余談を自分の会で話したかったですが、すっかり忘れてました。

◎オープニングトーク
「私服でオープニングトークをするとお客様との心の距離が縮まる」という話を聞いて真似してるんですが、過去何回かやってきて、どうも距離が離れている感じがします。
で、着物を着て喋った時の方が距離が近くなるような──まあこれは私クラスだと私服は手を抜いているように見えるとか、『師匠方の私服はありがたいが二ツ目の私服はありがたくない』とか、私服がダサいとか、そういうことかもしれません。

忘れた長襦袢を家に取りに帰って開場受付してすぐのトーク。
なにが何やらで話の構成とかわけわからなくなりました。

◎松竹梅
本当におめでたい時にしかやらない噺です。
ですが私は、自身の披露目の初日で【短命】をやる天邪鬼なので、第一回の一席目に縁起の悪い【死神】をやる予定でいました。
で二席目に【松竹梅】でプラマイゼロという構成でしたが、前日の訃報を受けて【死神】はよしました。

一体感みたいなものをもっとマクラで作りたかったんですが、頭がゴチャゴチャしてどうもまとまらず。
話したいことはメモしてたんですが「どうにかなるだろう」に頼りすぎちゃいましたかね。

テーマは「どこまでふざけられるか」でしたが、ふざけが過ぎましたかもしれません。

◎岸柳島
【死神】の代わりに急遽【岸柳島】。
だけど黒酒ひとりの前日は急遽(急遽なことばかり)【景清】の上げの稽古があったので、コチラは稽古不足になってしまいました。
最近の演芸トピックス的にワーっと上が怒鳴る噺はどうなんだろう? とか余計なことを考えちゃったり。

稽古不足で臨むなら、今月他の一人会でやった【黄金餅】や【兵庫船】、【笠碁】なんかはすぐにできるのでそれでもよかったんですが、変な意地でどうしても違う噺をやらないと気が済みません。

まぁギリギリやり切った感。

◎景清
私の一番好きな噺です。
理由は、私が座頭市が好きだからですね。

ウチの勝新のフィギュアです。

映画と噺が重なります。
好きなシーンの再現とかしたかったんですが、もう頭が働きませんでした。

もう一つ【景清】が好きな理由があって、それが『御利益』について。
お伊勢参りを終えてから、何かと御利益とか運とか、気にはしてないけど頭の中について回るようになりました。
電車がアクシデントで動かなくなったり、雨で洗濯物が濡れたり、年末ジャンボ外したりした時に「御利益ねぇな」とか思ったりして。

で、【景清】の石田の旦那が言うんですよね。

「ご利益ってのはお賽銭を余計にやったからある、やらないからない、そんなもんじゃない。
こっちの一心だ。
気持ちさえ通じればご利益ってのはあるもんだ」

コレがなんか自分に引っかかるから好きなんです。
この辺のことを上手く話してから噺に入ればもっと深みが出たかなと思うんですけど、忘れちゃいました。

前日に雲助師匠の上げの稽古がありました。
音源で覚えたんで、仕草をほとんど想像でやっていました。
そしたらほとんどの仕草が間違ってました。
で、やることいっぱいで当日までに修正しきれず。

雲助師匠は鳴り物入りでやるので、いつかそれでやりたいです。


振り返ってみると、早い話がキャパオーバーですね。
もっとスッキリした頭で臨みたかったです。
スタッフを雇う、チラシや配布物はプロに頼む、そうやって誰かに頼るのいいんでしょうかね?
まあネタ数増やして経験積んで、いつでもどんなネタでもスッとできるようになれば済む話かな?(何年かかるんだろう)

第二回は2/25。
今回ほど大変ではないと思うのでどうぞよろしくお願いいたします。
黒酒市もあります。(詳細は後日)

ぶつくさー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?