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【五日目】箱根〜三島

箱根を二日に分けて越えるので、今日は時間と体力に余裕がある計算。
昨日がなかなか楽しかったから、今日も少ぉし寄り道して、旅を満喫しよう!
と思っていたが、実際は時間にも体力にも余裕がなかった。
『無理をしない』ってどうやるんだ。

五日目。

朝6時。
窓の外を見ると、富士山と芦ノ湖が一望できた。
今日は良いことありそうだ、と思って二度寝した。

私は朝この旅日記を書いている。
今日は時間に余裕のある計算なので、10時まで書いて、それからのんびり出発。

箱根神社の鳥居。
何を想定してここまでデカくしたのだろうか。
箱根海賊船。
大勢のクルーと共にこれから略奪に向かうのだろうか。

日曜日ということもあって、非常に観光客が多い。
車やバイク、観光バスがひっきりなしに通る。
駐車場もどこも満車。

芦ノ湖沿いを少し進むと箱根関所。

箱根関所といえば、以前たくさんの種類の落語を聴くのに夢中になっていた時期に、『箱根関所』という落語があると本か何かで見て、必死で音源を探したことがあった。
今思えばそんな噺聴いてなんになるんだ、と思う。

普段なら写真だけ撮ってスルーするところだが今日は少し余裕がある。
通行手形(入場券)を買って見学してみることにした。

荷物になる。

関所内に入ると演劇(?)がやっていた。

出女が旅芸人と偽って芸を披露するところ。

この劇は何故箱根関所が造られたのか、みたいなのを教えてくれる内容となっている。
しかしこの劇、台詞もちゃんと覚えてなくてヘラヘラしていて、噺家の茶番より自由だった。
今日は時間に余裕があるが、途中で失敬した。
実は以前、五街道を旅する絵本(タイトル忘れた)を読んでいるので私は既に関所について詳しい。

そして関所内見学。

関所内の厩。
いや、石膏(?)の技術高すぎないか。
生きた人間固めたんじゃないか。
人を見る女。やな女ですね。
勉強になるなぁ。
勉強になると思うなぁ。

箱根関所を通過すると茶屋があったので一服。

良い景色の茶屋で。
3色だんごと、瓶に蜜が入っててチャポンするタイプのだんご。

よーく味わうと特別美味いというだんごではないが、やはり景色が良いから美味く感じる。
便所見て食ったら相当不味いんだろうな。

この時点で1キロも進んでいないが、こんなにゆっくりしていて良いのだろうか。
流石にのんびりし過ぎ。

しばらく緩い下り坂が続く。
昨日ほどの極端な傾斜はなく、ぐにゃぐにゃした道もない。
つまらないので、

Googleマップもオススメしない赤石坂ルートを歩いてみた。
結構な近道。
マリオカート思い出した。

道?

昔の人はここ歩いてたのか?
しかしながら昨日発覚したのだが、私はこういう石が敷詰めてあるだけの坂道を登るのめちゃくちゃ早い。
階段だと辛いけど、これだと楽。

ここを抜けると箱根峠。
この辺りになると周りを囲む木がなくなってススキなどがよく見られる。

峠茶屋。

箱根峠の峠茶屋。
ここでご飯食べようと思ってたら定休日。
日曜日なのに?

ここから三島までは旧街道と本街道を交互に通りながらひたすらに降りていく。
しかし、

しかし、ここらあたりで旧街道は通行止め。
令和元年の台風で甚大な被害を受けたそう。
元年から今まで整備されないところをみると、もうずっとこのままなのかな。
箱根峠を引き返す。
結構な遠回り。

写真をいちいち順番通りというのも面倒なので旧街道コレクションをパーっと。

旧街道。ただの森。
旧街道には色々ある。
何か分からないけど撮った。
バチ当たらないか?
かぶと石。
生で見ると凄くかっこいい場所。

旧街道はほぼ森で、急な下り坂が多くなる。
石が敷き詰めてあるだけの急な坂道を、これまた忍者の様に駆け降りた。
足がボロボロなので、かえって踏ん張るより勢いに任せてトントン進んだ方が早いんじゃないかというんで駆け降りたわけだが、石には苔も生えてるし、雨でも降ってたら足を滑らせて顔面強打して意識失って終わると思う。
こんな森の中じゃ誰にも見つけてもらえないかもしれない。

そして本街道。
こっちも負けてない。

絶景。山中城1号トンネル抜けてすぐの辺り。

でこの景色は山を降れば降るほど見え方が変わる。
だけどずっと良い景色。

少し降りると見え方が変わる。
全部良い。

綺麗。
しかしこの時の私の感想は「景色が良いのは分かったよ!足を治してくれ!」という感じ。
座ると相当頑張らないと立ち上がれない。
膝が痛いお年寄りの気持ちが本当によくわかった。
ああいう動きになる。

しかしそれでも坂道は続く。

写真じゃわからないけど結構な坂道。
下から撮った。

私は膝の辺りにある十字靭帯が損傷しているので、もう普通に坂を降りれなくなった。
痛いし力が入らない。
と、そこで編み出したのが後ろ歩き降り。
アキレス腱伸ばす時の運動みたいに、足を交互に後ろへ伸ばして坂を降りると全然痛くない。
なんだったら普通に歩くより早い。

たまに東京の街中で後ろ向きに歩いている人を見る。(見ますよね?)
あれ、足を前に出すのが痛いからじゃないかな。

坂道を全部後ろ向きで降りた。

三島へ入ると、ここからは道路沿いと畑の間を交互に歩く。

良い景色。
しかし良い景色にも飽きてくるな。

緩やかな下り坂をトボトボ歩く。
いろんな歩き方して、足首の全面が痛い。
普通足首の後ろ側が痛い、とかでしょ?
違う。全面。
前側も横側も後ろ側も全部痛い。
膝の上側も痛い。
なんか腫れてる。

三島に入ってすぐ辺りの富士食堂で遅めの昼食。
陽気なおばあちゃんの店で、「あなた落語家さん? 面白い話があるんだけど」と知り合いが詐欺にあった話を聞かせてくれた。
「どうせ面白くないんだろうなぁ」と思って聞いてたら、これが面白かった。
いや、ちゃんと面白いんかい!と思った。

「これ落語の時に使っていいわよ」

というので、謎のおばあちゃんに稽古をつけてもらった。
土産噺が一個できた。

店を出ると日が暮れていた。
もう足も痛いし暗いし撮るものもない。
写真はこれで終わり。

それから直接宿に向かわず、三嶋大社に寄り道。
Xで「三嶋大社にお立ち寄りください」との声をいただいたので行ってみた。
しかし真っ暗。
三島ではお祭りもやっていたらしいがこれも間に合わず。
遅かったか。
でも折角来たから参拝。
だけど敷地が広い!
足を引きずりながらお願い事して、Googleマップを頼りに神社の西側出口から出ようとしたら暗すぎて変なとこに迷い込んだ。

──こっちでもない、あっちでもない。

ずっと足が痛いのに出口が見つからない。
もう探す元気も無いので来た道を引き返す。
「泣いちゃう」って初めて言った。
情けない。

それから1時間歩いて三島の宿へ到着。
足首が痛くて、立ってられない。
だけど身体が汚れているのはよくわかるので、すぐに共同シャワーを利用する。
立ってられないから狭いシャワールームにべタッと座ってシャワーを浴びる。
立ち上がれないからベシャっとトドみたいに脱衣所に這い出して、体拭く。
掴むところがないから立ち上がれない。
やっとの思いで立ち上がってもズボンに足を最後まで通せない。
人に見られないよう、半ケツのまま共同シャワーから部屋に戻る。
情けないったらない。

とにかく余裕がない。
ないです。

ありがたいことにこの旅日記はたくさんの方に見ていただいて、日々沢山の応援を頂戴して元気をもらってますが、だけど、

「○○行ってみてください」
「○○食べてみてください」
「会いたいです」
「○○通るときは教えてください」

これ一旦全部無しにしてもらって良いですか?
私は割と良い奴なので、オススメされたら行きたくなってしまいます。
だけどやっぱ余裕ないです。
覚えておくのもしんどい。
良い旅にしてもらいたいから色んなものを見てもらいたいという気持ちは伝わるんですが、最近多いのでちょっとすいません。
適当に歩いて適当に食って適当に出会って別れます。


支出

関所見学 500円
だんご 600円
塩分補給ぶどうゼリー 170円
チップスター 160円
チャーハン 800円
疲労感軽減キレートレモン(クエン酸が倍) 158円
めぐリズム炭酸足パック(効く!)とフルーツサイダー 474円
めぐリズム炭酸足パック(追加購入)とチーズバーガーときつねうどん 1148円
宿代 3860円(翌朝朝食ビュッフェ付き)

計7870円

反省

  • Googleマップで○Kmと出てても実際はもっと距離があったりする

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