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令和六年四月二十日『白黒親子会』於・なかの芸能小劇場

初めての親子会。
これにかける想いなんかは高座で話した通りで、恩返し。
自主公演なので、夢が叶った! というより強引に叶えたというような。

こだわりとして今回の親子会のチラシは、去年の二ツ目昇進披露落語会と対になっていたりします。

今回一番大変だったのはネタ選び。
会の前日まで稽古もせずダラダラ悩んでました。
で、決めたのが「爪痕を残す」みたいなのは止めようという。
『殆どが師匠のお客さんだから自分の会に来てもらうために奇を衒う』みたいなのは違う。
親子会っぽくないですよね。
なので最近私が力を入れているような【一文笛】とか【やんま久次】、【死神】のような重い噺、また、人情噺は避けました。

師匠はもちろん滑稽噺なので、私も滑稽噺で臨むのが親子会らしくていいなと思いました。
とはいえ師匠と同じような純粋な滑稽噺の連続は聴く方も疲れるかな?
じゃあ師匠がやらないような色の違う滑稽噺を!
ということで【松竹梅】と【くしゃみ講釈】を選びました。
能狂言と講談の噺。
発想としては色物のような。

◎松竹梅
師匠の53歳の誕生日にネタ下ろしした噺。
面白いという噺でもないですが、本当におめでたい時にだけやっています。

自分一人の会だとあまり持ち時間を意識していないので、自由に足したりしつこくふざけたりもしますが、今回は師匠の持ち時間もあるので寄席サイズにまとめました。

私の会ではお客様にスタンプカードを配布しているので、
カードを持っていないお客様は必然的に師匠のお客様だということがわかります。
自分で受付してみて6〜7割が師匠のお客様。
ご家族でいらしている方が何組かいて、落語をニッチな趣味ではなく、ちゃんと大衆芸能として楽しんでいるのが伝わってきました。

私のお客様が深夜ラジオなら師匠のお客様はゴールデンタイムのテレビという感じがしました。(色々失礼かな。でもかなり的確ではないでしょうか)
普段とは勿論反応が違うので非常に勉強になりました。

師匠が【松曳き】で、松繋がり。
だからなんだって話ですが、「おー」という声が出ました。

◎くしゃみ講釈
去年の二ツ目昇進披露落語会で【兵庫船(鮫講釈)】をやったので、講釈繋がりでちょっと師匠に成長をみてもらおう、というね。
またクシャミで「ハクシュ!」と連呼するのもポイント。

前半、お客様の頭にクエスチョンマークが見えました。
まぁそうですね。
主に力不足ですが、噺もそこそこ難しいです。
「伝わりやすくする」という作業はまだしてません。
爆発的にウケたり、ポカンとされたり、安定しない噺。
ウケる方にギャンブルしてみましたが、んんんん。

去年の二ツ目昇進披露落語会では私がトリで【火焔太鼓】をやったので、
今回師匠がトリで【火焔太鼓】に入った時、やっぱり「おー」と声が出ました。


今回、着物と羽織を2セットを持って行きました。
で、一席目は『白黒親子会』ということで黒の着物に白の羽織を着て高座にあがったんですが、
偶然か考えてくれたのか、師匠が白の着物に黒の羽織という私と正反対の組み合わせで、これも流石に「おー」と声が出ました。
なもんで仲入り後に衣装を変えようと思ってましたが、そのままの方が綺麗だと思ったので帯と長襦袢だけ色を変えました。
これ気付いた人いるかな?

親子会ですが、やはり師匠と比較もされます。
「師匠とくらべんなよ」と思いますが、それだけ差があったわけです。
でもこれは私がダメだったという以上に「師匠がウケすぎていた」という側面が強くなかったですか?
お馴染みの噺なのに、なんかいつもより凄かったなぁ。
本気を出してくれたのか、なかの芸能小劇場と相性がいいのか。
ともあれ芸小に師匠を呼べたのはなかなかの功績だと思ってます。

第二回もできればやりたいですが、師匠の予定が来年まで埋まっているのでなかなか難しいです。
空いていても「もういいよ」と言われるかもしれません。
なので、あまり期待しないでお待ちください。
ぶつくさ。

良い写真だわ。

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