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イーライリリー社の創業物語

ストーリーテリングの力とミッションの偉大さを感じる、私が大好きな物語をひとつご紹介します。


アメリカの製薬会社である「イーライ・リリー社」という会社はご存じでしょうか?

社名の通り、アメリカの退役軍人であったイーライ・リリー氏が創業した会社です。リリー氏は、軍隊を退役後、インディアナ州で薬局の店主をしていました。

薬局の創業から間もないあるとき、薬局を訪れた小さな女の子がいました。彼女は、リリー氏に、『おじちゃん、ミラクル(奇跡)をちょうだい』と頼んできたと言います。

どうしたのかと思って、リリー氏が話を聴くと、じつは女の子の母親は末期癌で、いつ死んでもおかしくないぐらいの状態。前日、医者の診断を受けているとき、お母さんが心配でたまらない女の子がドア越しに聞き耳を立てていたところ、医師が『もう助からない…彼女を助けられるとしたらミラクル(奇跡)だけだ』という医者の話が聞こえたのです。

『ミラクルがあれば、お母さんを助けられるんだ』と思った女の子は、翌朝、なけなしの小遣いを握りしめて、リリー氏の薬局にきて『ミラクルをちょうだい』と言ったのです。

『今は薬局で薬を売っているけれども、いつか本当にミラクル(奇跡)を起こせるような薬をつくりたい』と考えたリリー氏が、その後、創業したのがイーライ・リリー社です。

従業員2人で始めたイーライ・リリー社は、1876年の創業から150年以上が経過した現在では、4万人近い従業員が働き、売上高2兆7,000億円(2018年実績)という世界トップ10に入るグローバルな製薬会社となっています。

そして、今でも創業の想いを引き継いで、苦しむ患者と家族を助けるために「売上高の20%超を新薬の開発に投じる」という、米国の製薬会社の中でもトップクラスに研究開発を重視しています。

そして、世界初の新薬、例えば、世界で4億6,300万人(2019年現在、国際糖尿病連合発表値)が苦しむ糖尿病、その治療で使われることで有名な“インスリン”等を数多くつくり出してきたのです。


イーライリリー社のストーリーはこれで終わりです。ここまで読んでいただき、どんな「ストーリーの力」を感じたでしょうか?

また、あなたは何のために働き、あなたの会社は何を実現するために存在しているでしょうか? どんな「創業の想い」や「ミッション・ビジョン」があるでしょうか?  仕事の目的と意味を考える一助になれば幸いです。

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