2024年F1開幕!バーレーンGP~角田裕毅の今年は?!~

F1が開幕しました。結果は御存じの通り
RB角田とリカルドのスワップ問題とレース後の危険走行問題で、開幕戦からいきなり変な方向に盛り上がってしまいました。
この背後でもっと大きな問題が露呈したレースでもありました。

さて2024年の開幕戦はバーレーン。
2021年から4年連続の開幕戦です。また、2004年の初開催以来(途中2011年の中止を含め)20回目の開催となります。

まずレースはマックス・フェルスタッペンが圧勝。昨年に続き、圧倒的な強さを見せました。
レッドブルの新型マシンRB20は、予選では昨年ほどの圧倒的な速さは見せられず、展開次第ではフェラーリ勢にポールを奪われかねない展開でした。
しかしフェルスタッペンがピアストリのトーを使えるチャンスを得、一方のルクレールが失速し、0.2秒以上の差をつけてポール。

決勝レースは、無難にスタートを決めると、そのまま2位に22秒の差をつける昨年のような走りで独走。
予選2位のルクレールはブレーキに問題を抱え、ペレスにも先行を許し、結果としてはレッドブルの1-2フィニッシュ。
3位にはフェルスタッペンから25秒遅れでフェラーリのサインツ。4位にルクレールとなりました。
5位に入ったメルセデスのラッセルは45秒以上の差が付きました。
予選では0.6秒以内に9台が入る僅差の戦いとなった一方で、決勝レースでのレッドブルの安泰ぶりが目立ちました。
昨年と同じ展開となりそうな雰囲気をひしひしと感じます。

また、今回のレースで特筆すべきは”史上初”の開幕戦全車完走です。
コスト削減を理由に様々なパーツの耐久性を求めるレギュレーションとなって時が経ち、より全体的に信頼性が上がってきています。
マシントラブルによるリタイヤが今まで以上に減りそうです。

そうすると気になるのが、入賞・ポイントを争う角田です。
既に開幕前の予想から、レッドブル、フェラーリが2強で、それにメルセデスとマクラーレンがどれくらいついて行けるか、というところがポイントでしたが、蓋を開けるとここの差は意外と大きいようです。

つまり、レッドブル独走に、フェラーリがどこまでついて行けるかがチャンピオン争いの第1グループ。
その後方にメルセデスとマクラーレンという第2グループの上位の序列。
そしてその後方で9位、10位のギリギリ入賞ラインを競う事になるのですが、この位置はアストンマーティンがほぼ確実。
今回ストロールが最後尾まで落ちながらも10位まで挽回できてしまったのは、この序列を明確にしてしまったと思います。
先の信頼性の件と併せ、入賞できるのはほぼこの5チームで固まってしまった感じです。

その後ろに、角田擁するRB、ハース、ウィリアムズ、ザウバー、そしてこれは予想外だったアルピーヌの5チームが争う事になった感じです。
つまり、角田がポイントを獲得するにはもう上位に何かトラブルが起こった時に、下位5チーム内での最上位に居なければいけない、という展開になりそうです。

ここでもう一点気になるのが、今年から日本人エンジニアの小松礼雄氏が代表となったハースです。
昨年は時々予選での速さを見せるものの、決勝レースではペースが上がらずコンストラクターズチャンピオンシップでは最下位となってしまいましたが、今年は違うようです。
まず開幕前のテストではラップタイムに拘らず、とにかく走り込んで走行距離を伸ばし情報収集することに専念し、全チーム最長の走行距離を走りました。
そしてこのレースでもまずヒュルケンベルグが予選で10位に入り、一発の速さに衰えが無いことを証明。
決勝レースでも、ヒュルケンベルグはスタート直後の接触で最下位まで落ちてしまいますが、マグヌッセンはリカルド、角田のRB勢の猛追を抑えきって12位完走。
ヒュルケンベルグも結果は16位に終わっていますが、レースペースはアロンソに匹敵するタイムを出しています。

昨年コンストラクターズを争ったウィリアムズも、昨年の直線番長からバランス重視になったという話でしたが、昨年と同レベルのポジションは維持しているようで、RBの角田にとっては昨年後半よりも厳しい環境が待っているかもしれません。

あとは予算制限の中、今後の開発ペースがどうなるかが大きなポイントになるのですが。
昨年後半失速したアストンマーティンが今年も同様の展開になることを望みたいですが、昨年から代わった体制や、稼働している新工場が軌道に乗り始めるはずで、昨年のようなことにはならないと予想します。
それに前述の昨年とは様相が違うハース、ウィリアムズのアルボン、結局今回の下位5の最上位となったザウバー、ワークスとしてこのままでは終われないアルピーヌ。。。

もちろんRBにも、昨年とは違う予算の増加、レッドブルとの協力体制がありますので、向上余地はありますが。
改めて、上位5チームの固定化、全体的な信頼性の向上、そしてその中で下位5チームの厳しい争いを勝ち抜かなければ、ポイント獲得すら難しいという状況が見えた開幕戦でした。


余談。
予算制限レギュレーションも4年目となり、26年からはまた大幅なレギュレーション変更が予定されていますが、PUやギアボックス等の機数制限はいらないのではないかと思ってみたり・・。
そうでもしないと、皆信頼性に対して保守的過ぎて、レースでの「想定外」「意外性」を消滅させてるのではないでしょうか(そうでなくてもメーカーはイメージ悪化を避けたいため信頼性重視)。

同時に、入賞順位は過去6位や8位までが入賞だったものが、マシンの信頼性向上と共にポイント制度が変わってきたわけですが、これほど上位5チームの顔ぶれが固定化されてしまうようであればポイント制度の見直しも考えた方が良いのではないでしょうか。
(個人的にはこれ以上計算複雑になって欲しくないのでやめてほしいですが)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?