針生検結果と家族の反応
針生検から1週間後、診断結果を聞きに行きました。
まず、「がん、です」と言われました。そして「今の段階で治療すれば、90%生きられる」とも言われました。続けて、検査結果の説明と治療の流れについて説明を受けました。
<検査結果>
・ER(エストロゲンレセプター):強陽性 / PR(プロゲステロンレセプター):強陽性
→ホルモン治療の有効性高い
・HER2因子:2+
→はっきりしないので、追加でHER2 FISH検査をして方針決める(後日陰性と判明)
・Ki-67:10%
→増殖スピード遅め
・一部リンパ管侵襲の疑いあり
<考えられる治療の流れ>
「腫瘍摘出手術(+リンパ節切除? / +(乳房全摘出の場合)乳房再建手術?)→ 抗がん剤治療(3か月~)→ 放射線治療(週1回x5週)→ ホルモン治療(5年)」
手術については、腫瘍の奥後ろ側にも影があるため、その癌化や再発などを考えると全摘出が望ましい。温存手術も可能だが、腫瘍の位置が乳頭のほぼ真下のため乳輪に沿って傷が残るのと、がんを取り切れない場合もあるので、放射線治療は必須となる。浸潤がんなので、リンパに転移があれば、リンパ節の切除もあり得る、とのことでした。
詳しい画像を取るため、その時点で最短の1か月後のMRI予約とその1週間後の診察予約を入れました。
病院を出ると、あぁ、やっぱり“黒”だったかぁ、、、と悲しくなって、涙が出てきました。
なんで私が??比較的早期なのに、今、治療しないと死ぬの??ホントに??こんなに元気なのに??
にじむ黄昏の街灯りの中を、やりどころのない怒りと悲しみを抱えて、とぼとぼと駅へ向かって歩き始めたとき、ふと時間を確認すると16時過ぎでした。あ、今から行けば、“白鳥の湖”に間に合う!と、本来なら仕事であきらめていた、ドイツのバレエ団の公演のことを思い出しました。電話すると当日券も若干販売するとのことだったので、これは気分転換するしかない!!と向かいました。とはいえ、当日券販売窓口の列に並んでいても、開演を待っていても、頭に浮かぶのは「がん」のことばかり。携帯でずっと情報検索し続けました。主治医に告げられた治療は想定内でしたが、他の方法もあるはずという気持ちが心の隅にずっとくすぶっていたからでした。
バレエの踊りや衣装、構成は斬新で楽しめましたが、新解釈ということで、結末はアンハッピーエンディング(主役が死ぬ!)でした。いつもなら、新しい演出で面白いと思うところですが、この日は前途を呪われた気分になってしまいました。でも、行ってよかった、観てよかったです。美しいものに触れて少し心が洗われましたし、実際、待ち時間での検索中に、いくつかヒントとなる情報も得られました。
次の日、実家に帰って結果を伝えました。
私はセカンドオピニオンやいろいろな情報を知った上で、自分に合った方法を選択したいと言いました。
父はすぐにも標準治療を受けるよう言いました。母と妹も早く手術をした方がよいのではないかと言いました。そして、私は自分の思いのたけをぶちまけました。
最終的には、家族皆、懐疑的ながらも私の気持ちを尊重してくれました。心配してくれて、話を聞いてくれて、ありがたい気持ちになりました。
私は一人暮らし独身、頑固な性格ということもあって、自分の体のことを考えるのは自分、治療を受けるのも、治療費を支払うのも自分なので、すべて自己責任、それ以外のせいにはできない、だから自分で決めなきゃと思っていました。
今回はここまで。
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