見出し画像

20年代最高のシナリオ『ブルーアーカイブ』を今すぐイッキ見しよう

 深夜4時。一筋の光がカーテンから漏れていた。白みがかる空がいつもより眩しく見えた。私は涙を流しているのだった。この「ブルーアーカイブ」の結末を前にして。私はこの夜空に向かって感謝した。かけがえのない生徒と出会えたこと、青春の物語を見届けたことを。

 ブルーアーカイブといえば最近一番「来ている」ソシャゲと言えるだろう。これを読んでいるあなたもネットミームやちょっと際どいイラストを目にしたことがあるだろう。公式もYouTubeチャンネルでショート動画を公開して未プレイでも気軽に世界観を楽しめる仕掛けを多数用意しているのでそこで触れている方も少なくないだろう。
 そんな懐の広さがブルアカの良さではあるが、そこで完結するのは非常に勿体ない。なにしろ本編は2020年代最高峰と言える壮大なシナリオを完全無料で全話楽しめるのだから。基本無料だとかガチャ石で実質無料とかそういう問題ではない。本当に全話ぶっ通しで読めるのだ。

 ここで今回は、先日最終編をクリアした私からブルアカをADVとして楽しむ方法を紹介したい。
 一応個人のストーリー動画もネット上にアップされているが、このゲームは是非あなたの物語として最後まで見届けてほしいのだ。

気になったその時が始め時

「今キャンペーン中だからはじめ時!」とよく耳にするものだが、ブルアカに関しては始めようと思ったその時が始め時である。なぜならこのゲームはソシャゲとしては珍しく明確なエンディングが用意されているからだ。「泣けるのは一部のイベントだけで実際は延々と深海棲艦みたいなのとわちゃわちゃするだけでしょ?」と身構えるかもしれないがそういう引き伸ばし的な展開は一切ない。
 シナリオの閲覧制限は完全撤廃されている上に物語中の戦闘もほとんどプリセットキャラで展開されるので、後半の途中までは育成無しで一気に読み進められる(※)。
 なので気になった人は今すぐインストールしてブルアカの物語を堪能してほしい。できればPCのエミュレータを使って腰を据えて楽しむのがオススメだ。
 
※後半以降に手持ちの育成PTを使用する場面は一応あるが、ストーリーの合間に育成していればなんとか届くレベルではある。詳細は後述。

どんな話か

 学園都市キヴォトス。そこはいくつもの学校が自治権を有しており、それぞれ幅を利かせていた。一歩外を出れば銃弾が飛び交っているし、意味不明な動機で爆破テロを起こす危険人物があちこちに出没するサンアンドレアスと化している。
 そこで主人公の先生は連邦生徒会の顧問として各学園の問題解決に奔走する…というお話である。

 一見するとちょっと過激なまんがタイムきららみたいに思えるが、この世界はそう甘くない。水面下では年の離れぬ他校の生徒とも政治的争いに明け暮れ、その上利権の横取りを狙う暗黒メガコーポも存在する。さらに彼女らに追い打ちをかけるように運命の楔を打ち込んでくるキヴォトスの神秘と謎。そんな辛い現実でもがいているのが実情だ。
 物語では各々が抱える残酷な現実と直面するのだが、先生は責任ある「大人」として生徒たちや世界の運命と真正面から向き合って戦う。その姿に多くのプレイヤーは涙を流してきた。

彼女たちには保護者となる「大人」がいないのだ。

 個性豊かなキャラクターをはじめ、急激に入れ替わるドタバタコメディとシリアス展開、そして謎が謎を呼ぶ伏線――。本作の文量は重厚長大なボリュームを誇るが、表情筋が鍛えられるほど目まぐるしい展開と感情のジェットコースターで読み進める手が止まらなくなることだろう。
 そしてファンから一人の人格として評価されている先生だが、各生徒から当然あなたの名前で呼ばれることになる。この独特なシンクロ感と当事者感はプレイ動画では絶対味わえない。繰り返しになるが是非、自分だけの物語として生徒たちの行く末を見守ってほしい。

プレイ環境やエミュレーターについて

 ブルーアーカイブはスマホアプリなので当然スマホで動く。しかしこのゲームを小さな画面で済ませるのは少々勿体ないので、できればPCのアンドロイドエミュレーターを使用したいところ。事実、ブルアカ公式とタイアップしたエミュがあるほどだから。
 使用するエミュは基本どれでもいいが、私が使用しているのは公式ともコラボしているNoxPlayerだ。メインメニューの広告が煩わしいが、プレイ中は一切邪魔してこないので安心してほしい。ただし、件のブルアカコラボ版はアップデートが遅いのでファンからは標準版が推奨されている。

 なお本作はYostarアカウントと紐づけできればどの端末からでもできる。出先でレベリングをしつつ家で腰を据えて物語を楽しむ、という遊び方がオススメだ。

レベリングとかについて

 前述のとおり、本作はなんやかんやソシャゲなので、やはりストーリーを楽しむ上でも最低限のキャラ育成が付きまとってくる。しかし身構えなくてもよい。ブルアカは他のゲームよりも遥かにレベリングがシンプルで戦闘も完全オートなので、スキマ時間やながら作業での育成が可能だ。
 その上必要になるのはかなり読み進めたあたり(第3部後半)なので、十分にストーリーを両立しながら育成する時間は用意されている。

 このゲームではプレイヤーレベルがそのままキャラレベルの上限と連動している。まずはプレイヤーレベル40前後を目標に任務をこなしていきたい。様々な機能やアイテムが解放されるステージ6-1まで進められれば御の字だ。
 このプレイヤーレベルだが、APと呼ばれるスタミナみたいなポイントを消費するとその分だけ経験値が溜まる仕様となっている。なお、ステージで入手経験値が変動することは基本的に無い。
 また、一度3ツ星クリアしたステージは「掃討」機能で瞬時に自動周回してくれる機能があるので作業ゲー嫌いな人でも安心だ。
休み時間などにAPをチェックしてこまめに周回させておこう。

APを支払えば一瞬で経験値が入る。

 あと一つ忘れてはならないのがフレンドの助っ人機能だ。こちらもソシャゲにはよくある機能だが、ストーリー最重視でプレイしていると忘れてしまいがちだ。ストーリーでも雇える場面がいくつか存在する。「フッ…馴れ合いなど不要…俺はストーリー勢だから…」そんなこと言っていると肝心な場面で詰まるぞ。
 本作のフレンド機能はレベルキャップが無いので、いきなり最強レベルの助っ人を雇うことができる。ただし、各人1日1回だけの呼び出しなので、ある程度の助っ人は確保しておきたい。自動承認してくれる人もそれなりにいるのでどんどん送ってみよう。
 オススメの助っ人キャラは攻撃役に聖園ミカ、タンク役に春日ツバキだ。その他は好みでいいだろう。見かけたら優先的にフレンドを送りたい。
ただしあくまで補助的な役割なので育成を怠ってはいけない。そして助っ人公開している方はリアルな人間なので感謝の心も忘れずに。

心強いが回数制限はある。事前に備えよう。

「大人って悪くないな」そう思わせてくれる物語

 私も成人して何年も経つが、友人とアニメの話をしていると「学園モノのアニメを未だに学生目線で見てしまう」という話題がたまに出て来る。正直このまま気持ちだけでも若くいたい、汚れた大人にはなりたくないと思うものだ。
 しかし、ブルーアーカイブには「大人」という言葉が重要なワードとして度々登場する。大人というものは無償の愛を子供たちに注ぎ、希望ある未来へと導く義務があるのだと。
 本作に出て来る生徒たちはみんな歳不相応の責任を押し付けられ、背伸びしながらどこかで助けを求めている。そんな生徒たちを抱きしめ、暖めてあげられるのは大人しかいない。

 生徒たちと積み重ねる思い出。その軌跡を噛みしめ、振り返ればきっと思うだろう。「大人って悪くないな」と。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?