松本人志がどこで釈明すればいいかを考えたが、なかった。

HIKAKIN氏の謝罪との対比から考える

松本人志さんのことを考える前に、HIKAKIN氏のことから。

ヒカキン氏が過去の恋愛関係のことについて謝罪動画を出した。

未婚の2人の恋愛関係の出来事なのだから謝罪動画を流すことはないという意見もある。

それでも、ヒカキン氏がすぐに謝罪動画を出したのは、ヒカキン氏の人間性もあるだろうが、それだけではないと考える。

誰に向けて、どうやって謝罪するかがヒカキン氏の場合はわかりやすかった。

そもそも、個人と個人のことであれば、当人同士で仲直りする方法を探ればいい。

個人と個人でコミュニケーションが取れない場合は、誰かに間に入ってもらえばいい。離婚調停や手打ちというやり方がある。

ヒカキン氏の場合、相手が第三者(週刊誌)に訴えたため報じられることになった。

そもそも過去の恋愛の相手から訴えられるということは、ちゃんとした別れをしていなかったのだろう。ヒカキン氏が関係性の継続を含ませた言い方をしたか、一方的にヒカキン氏が別れを告げたのだろう。
その結果、ヒカキン氏に連絡を取りたくても拒否されたので、週刊誌に駆け込んだ流れと推測する。

登場人物はヒカキン氏、過去に付き合っていた女性と、結婚相手の3人。

ヒカキン氏が謝罪する場合、本来なら、結婚相手だけに経緯を説明すればいいはず。

それでも、YouTubeを通して謝罪したのは、YouTubeを通してヒカキン氏のことを身近に感じている人が多かったからだろう。放置すれば登録者数の減少につながるから、動画を出して謝罪した。
二股を報じられたので、交際期間に重複はなかったことを説明し、過去の交際相手や視聴者などに向けて謝罪をした。

メディアに出ている人の場合、誰に謝罪するかだけでなく、どうやって謝罪するかも重要になる。

ヒカキン氏の場合、自分のメディアであるYouTubeがあるから、普段の環境で、自分の考えを一方的に話して、謝罪を完結させることができた。

謝罪動画をあげて、閲覧数が増えれば自分の収益になるのだから、謝罪すらもコンテンツと考えているのだろう。

ちなみに、今回のことを考えるにあたって、ヒカキン氏の収益に加担したくないので動画を見ていません。よって、事実と異なることはあるかもしれないけど、それはしらない。

つまり、ヒカキン氏には自分の場所があった。

松本人志さんに釈明できる場はあったかのか

さて、松本人志さんが釈明できる場所はどこだったのだろうか?

以前は記者に囲まれての謝罪会見がありました。
ベッキーさんの記者会見が2016年1月で、狩野英孝さんの記者会見が2017年1月、アンジャッシュ渡部さんの記者会見が2020年12月。
アンジャッシュ渡部さん以降は謝罪会見を目にしていない。
記者会見が禊の場としても機能していたのは、記者の向こうに世間があったから。

一方で、最近でいうとハライチ岩井さんがそうだけど、ラジオをやっている芸人は結婚の発表をラジオでしたり、「詳細はラジオで」とラジオに誘導している。
これはラジオのリスナーと親密な関係があるから。

ナインティナインの岡村隆史さんが2020年4月にラジオで「コロナが明けたら可愛い人が風俗嬢やります」と発言し、ニッポン放送が謝罪することとなりました。
この件は、翌週に矢部浩之さんが出演し、岡村さんへ説教することで収束に向かいました。

松本さんにはレギュラー番組が何本もあって、それぞれが松本さんの場所ではあるけれど、いずれも「笑い」の場所であるから謝罪には向いていない。

「ガキの使いやあらへんで」のフリートークが今も続いていれば、そこで浜田雅功さんに言われることで、もしかすれば収まったのかもしれない。

しかし、松本さんが選んだのは「ワイドナショー」。

松本さんが「ワイドナショーに出まーす」とポストしたのは、自分の見解を話せる場所が「普段スクープされる側の芸能人が、個人の見解を話しに集まるワイドショー番組」というコンセプトを掲げる「ワイドナショー」しかなかったためだろう。

吉本興業がコメントを出すだけでは鎮火せず、記者会見で記者から攻められに行く覚悟も決まらず、どこかの雑誌のインタビューを受けることもできなかったので、裁判しか選択肢がなかったのではないか。

飲み会すらもなかったとした吉本興業の最初の声明と、松本さん自身で「とうとう出たね」と事実認定してしまった飲み会のお礼LINEとで、内容が違ってしまっているのは多くの人の指摘しているとおり。

はっきりと説明できないのは、最初の声明に「嘘」を入れてしまったこともあるのだろう。

「そういうことはありません」と言いきれれば記者会見もできたのだろうが、言い切れないから裁判になっているわけで。

仮に裁判で5億円を得ようが、もうお金で動いている人ではないから失ってしまったものの大きさを考えてしまう。

ちゃんと謝罪できる人になりたい

誤りを認めて、ちゃんと謝ればいいのにと思うけど、謝罪のできない60歳になってしまっているとしたら、それは不幸なこと。
これは松本さんに限らず、自民党の政治家を含め、世の中がそうなってしまっているのだろう。
自民党の政治家は安倍晋三に謝っているので、辞職するのが真っ当。

ちゃんと謝罪できる自分であり続けなくてはいけない。

松本人志が復帰する場所の最有力候補

松本さんの釈明の場所は思いつかなかったが、復帰の場所は浜田雅功の主催する「ごぶごぶフェス」が最有力候補だろうと見ている。
(「ごぶごぶフェス」にも制作会社「ビーダッシュ」が関わっていたら、それはそれで火種はたくさん燻っているが)

それにしても、松本人志さんが帯コメントを寄せたダウンタウンの元マネージャーで吉本興業の会長だった大崎洋さんの著作のタイトルが「居場所」だったのは、悪い冗談すぎないだろうか。

ここから先は

1字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?